「心理学」とはどのような学問かについて理解する。 心理学が学問として

授業科目名:
単位数:
心理学概論
授業番号:
2単位
担当形態:
JIN104
単独
担当教員名:
小林 太
開講時期:
1年前期
オフィスアワー:
水曜日 13:00~15:00。その他の日時はアポイントメントを取って来室すること。
1. 授業の到達目標・テーマ
心理学は、人間の行動や身体反応、及びそこから推論される心の動き(感情、思考、
記憶、知覚、認知など) を科学的なアプローチにより研究する学問である。この授業で
は、心理学を初めて学習する学生を主な対象とし、心理学という学問が発生、発展 して
きた歴史的系譜や理論的な背景を学び、心理学の概要や基本的な考え方を身につけるこ
とを目標とする。また、人の心に客観的・実証的な手法でアプローチすることの大切さ
や面白さを実感し、今後、心理学の各分野を学んでいく初歩の段階での動機づけの向上
や考え方の道筋をつけることを目指す。
2.授業概要
心理学概論の授業では、哲学を祖にして心理学が発生する流れからヴントによる実験心
理学の成立、行動主義や認知主義の隆盛など、心理学における心の考え方の大まかな歴史
的変遷を学ぶ。また、発達心理学、臨床心理学、社会心理学のような 現在確立している心
理学の1分野がどのような歴史的・理論的背景を持って発展してきたのかを学ぶ。各回で
学習する内容は、初歩的で入門的な内容とし、今後、専門課程において心理学関連の授業
を学ぶ際に、できるだけスムーズに入っていけるように心理学の基本的な考え方の道筋を
つけることを目的とする。授業形態は講義とする。授業内で出される課題についてのグル
ープディスカッション、心理学 実験、プレゼンテーション等の アクティブラーニングを部
分的に取り入れる。
3.授業計画
第1回:心とは何かについて考えることを通して、心理学とはど のような学問かについて
学ぶ。また、心理学を学ぶ意義や目的について考える。
第2回: 1879 年に W.M.Wundt が心理学研究室を設置したのが心理学の発祥とされるが、
それまでの経緯や当時の心の考え方の特徴について学ぶ。
第3回:人間観や心についての考え方において近世哲学が心理学の発展に及ぼした影響に
ついて学ぶ。
第4回:実験法や調査法、観察法など様々な心理学の手法及び方法論について学ぶ。また
量的研究と質的研究の違いやそれぞれの特徴について学ぶ。
第5回:近年急激な発展を遂げている脳科学の初歩的な内容 について理解し、脳の機能と
心の働きとの関係を理解する。
第6回:感覚知覚過程の一般的特性を身近な事例を通して考え、感覚知覚の働きを理解す
るための実験研究の一端を知ることでその概要を学ぶ。
第7回:記憶とは何かについて身近な事例から考えた後、記憶に関する基礎理論(長期記
憶、短期記憶、忘却等)を学ぶ。
第8回:アメリカを中心に発展した行動主義や連合心理学の特徴とその発展経緯について、
J.B.Watson や B.F. Skinner の理論を中心に学ぶ。
第9回: ヨーロッパを中心に発展したゲシュタルト心理学の特徴について M.Wertheimer
や W.Kohler の理論を中心に学ぶ。また、認知心理学が成立するまでの歴史的経緯につ
いても学ぶ
第10回:心理学において性格などの個人差がどのように考えてこられたのかについて、
性格心理学や人格心理学における理論の内容とその発展経緯について学ぶ。
第11回:発達心理学とはどのような学問なのかについて設立の背景と歴史的変遷、及び
J.Piaget, E.H.Erikson 等著名な発達心理学者の理論を中心に学ぶ。
第12回: 臨床心理学とはどのような学問なのかについて S.Freud の精神分析の確立か
らの歴史的変遷と C.R.Rogers のカウンセリング理論、認知行動療法等著名な理論を中
心に学ぶ。
第13回:社会心理学とはどのような学問なのかについて設立の背景と歴史的変遷、及び
K.Lewin の場の理論、 L.Festinger の認知的不協和理論等著名な理論を中心に学ぶ。
第14回:複雑化する現代社会において心理学がどのような役割を果たすのかについて考
える。
第15回:第1回から第14回までの授業内容についての復習及び重要事項 の確認を行う。
定期試験
4.テキスト
授業毎に資料、ワークシートを配付する。
5.参考書・参考資料等
特になし
6.事前・事後学習
事前学習: 毎回次回の予告を行い、次回までの課題を提示する。
事後学習: 学習内容を自分の言葉で他者に説明できるようになるよう努めることとする。授業の
冒頭で、前回の授業内容についての説明を求めることがある。
7.学生に対する評価:
授業外学習の課題として提出するレポートの内容と学期末試験の結果による総合評価
を行う。評価の割合はレポートが全体の 30%、定期試験の成績が全体の 70%とする。
8.その他
特になし