この授業のテーマは、近年注目されている学習理論である協同学習

授業科目名:
協同学習論
科目番号:
SID319
単位数:
担当教員名:
2単位
担当形態:
単独
開講時期:
3年後期
オフィスアワー:
1.授業の到達目標・テーマ
この授業の テーマは、近年注目されている 学習理論である協同学習に ついての考え方を学
び、実際の教育 現場で活かせる協同学習 の技法を体験的に学ぶこと である。この授業の目
標は以下の 3つ である。①協同学習の基 本的な考え方をこの理論が 生まれた背景や数名の
研究者の理 論をもとに考える、②協同学習 の技法を実際にロールプレ イすることで体験 的
に理解する、③協 同学習の技法を実際の教 育現場で使用するときの留 意点について考える
。
2.授業概要
協同学習は、グループダイナミ ックス、認知心理学等の実証科学を 基盤とした近年特に
注目されて いる学習指導法の理論であ る。この授業では、まず協同学 習の考え方が生まれ
た背景と基 本的な考え方を学び、その後に 実際の協同学習の技法につ いてロールプレイを
用いて体験 することで、教育現場で実践 的に使用する技術を身につ ける。授業形態は講義
とする。本 授業では多くを協同学習に よるアクティブラーニン グで学習する。
3.授業計画
第1回:協 同学習とは何かについて、 特に一斉授業やこれまで の単純なグループ学習
との違いか ら理解し、その利点と課題 について考える。
第2回:協 同学習の理論的背景を、特 に社会的構成主義の学習 観や学力観を中心に学
ぶ。特に、 教師の役割についてこれま での学習観との違いを理 解する。
第3回:協 同学習における協同の定義 について、競争との比較 から考える。特にどの
ような条件 下において協同性が成立す るのかについて考える。
第4回:協 同学習の基本的構成要素を D.W.Johnson ら や S.Kagan の協同学習の理論
を基に学び 、それぞれの研究者が提唱 する協同学習の特徴を理 解する。
第5回:日 本における協同学習と外国 における協同学習の特徴 の違いを理解する。特
に日本にお ける協同学習がどのような 歴史変遷を経て成立した のかについて学ぶ。
第6回:グ ループにおいて何か1つの 意見を集約したいとき等 における協同学習を用
いた話し合 いの技法を実際の協同学習 を体験する中で理解する 。
第7回:グ ループにおいてそれぞれの メンバーが互いに教え合 う場合における協同学
習を用いた 教え合いの技法を実際の協 同学習を体験する中で理 解する。
第8回:グ ループにおい て何か1つの 問題を解決しなければな らない場合における協
同学習を用 いた問題解決の技法を実際 の協同学習を体験する中 で理解する。
第9回:グ ループにおいて情報のパタ ーンや関連性を図示する 場合における協同学習
を用いた図 解の技法を実際の協同学習 を体験する中で理解する 。
第10回: グループにおいて首尾一貫 した文章を作成する場合 における協同学習を用
いた文章作 成の技法を実際の協同学習 を体験する中で理解する 。
第11回: 道徳や人権教育における協 同学習の適応について事 例を中心に学ぶ。また
通常の一斉 学習や個別学習と比較して どのような点で効果があ るのかについて理解
する。
第12回: 調べ学習や課題学習におけ る協同学習の適応につい て事例を中心に学ぶ。
また部活動 などの教科外活動への協同 学習の適応の可能性につ いても併せて考え
る。
第13回: 学習場面における児童の協 同学習だけではなく、職 場において協同学習を
導入する意 義と可能性について考える 。特に教師が協同して問 題解決に取り組むこ
との重要性 と意義について学ぶ。
第14回: 協同学習を個人ではなく学 校全体で取り組むことの 意義について理解し、
学校または 自治体ぐるみでの取り組み を事例から学ぶ。また、 これからの協同学習
の在り方に ついて考える。
第15回: 第1回から第14回までの 授業内容についての復習 及び重要事項の確認を
行う。
定期試験
4.テキスト
授業毎に資 料、ワークシートを配付す る。
5.参考書・参考資料等
・ジョンソ ン ,D.W.・ジョンソン ,R.T・ホルベ ック ,E.J.著
学習 の輪-学び合いの協同学習 入門-
・杉江修治 著
石田裕久・梅原 巳代子訳
二瓶社
協同学習入門-基本の 理解と 51 の工夫 -
・バークレ イ ,E.F.・クロス ,K.P.・メジャー , C.H.著
ナカニシヤ出版
安永悟 監訳
協同学習の 技法
ナ
カニシヤ出 版
6.事前・事後学習
・事前学習: 毎回次回の予告を行い、次回までの課題を提示する。
・事後学習: 学習内容を自分の言葉で他者に説明できるようになるよう努めることとする。授業の
冒頭で、前回の授業内容についての説明を求めることがある。
7.学生に対する評価:
授業外学習 の課題として提出するレポ ートの内容と学期末試験 の結果による総合評価
を行う。評 価の割合はレポートが全体 の 30%、 定期試験の成績が全体の 70%とする。
8.その他
特になし