AB r

電磁気学第一(S3 クラス) 課題 No.7 解答例
2015.7.27
【問 1】
(a) もし電場がゼロでなければ、その電場により伝導電子が動いてしまい「定常状態」でなくなる。
電子の移動により電場を打ち消すような電荷分布を形成する。電子の移動は電場がゼロになるま
で続き、定常状態では導体内部に電場は存在しない。
(b) 定常状態では導体内部の電場 E(r) = 0 なので、微分形の Gauss の法則   E (r )  1  (r ) より電
0
荷密度(r) = 0。つまり電荷は導体内部には存在できず、帯電は表面に限られる。
+
(c) 導体球 A、導体球殻 B と中心が同じで、球殻 B の内部に
+
+
+
+
+
+ +
+
+ +
+
+
+
+
+
+
+
-
+
-
-
+
-
-
R3
r
- -
+
球殻 B の外面には+Q が誘導され、両面とも均一に分布する。
A
+
球殻 B の内面には–Q の電荷が誘導される。電荷保存則から、
Q
-
+
ロとなるように表面に均一に分布)、それを打ち消すために
-
-
R2
+ +
ばならない。導体球 A には電荷 Q が帯電し(内部で電場がゼ
+Q -Q
-
+ +
+
R1
+
+
から面積分はゼロで、球面の内側の総電荷量はゼロにならね
+
適用すると(右図破線)
、球殻 B の内部は電場がゼロである
+
-
B -
表面を持つ半径 r (R2 < r< R3)の球面について Gauss の法則を
【問 2】
(a) 講義で導出したように、境界条件(導体表面で=0)を満たし、自由空間(z>0)でラプラス方程
式を満たす解は、
 ( x, y , z ) 
1
4 0
n
qi
 r r
i 1
i


1
1
q 
 2
 2
2
2 1/ 2
2
2 1/ 2 
4 0 [ x  y  ( z  a ) ]
[ x  y  ( z  a) ] 
(b) E x ( x, y, z )  
 ( x, y, z )
q

x
4 0
E z ( x, y , z )  
q
 ( x, y , z )

4 0
z


x
x
 2
 2
2
2 3/ 2
2
2 3/ 2 
[ x  y  ( z  a) ] 
[ x  y  ( z  a ) ]

q 
y
y
 ( x, y, z )
E y ( x, y , z )  

 2
 2
2
2 3/ 2
2
2 3/ 2 
4 0 [ x  y  ( z  a ) ]
y
[ x  y  ( z  a) ] 


za
za
 2
 2
2
2 3/ 2
2
2 3/ 2 
[ x  y  ( z  a) ] 
[ x  y  ( z  a ) ]
(c) z=0 において(b)で求めた電場の各成分は

q 
x
x
 2
 0 , E y ( x, y, z )  0
 2
2
2 3/ 2
2
2 3/ 2 
4 0 [ x  y  a ]
[x  y  a ] 
q
a
E z ( x, y , z )  
0
2
2
2 0 ( x  y  a 2 ) 3 / 2
E x ( x, y , z ) 
よって電場の各成分のうち面に垂直な z 成分以外が 0 なので、電場は導体表面に垂直である。
(d)  ( x, y )   0 E z ( x, y,0)  
q
a
2
2
2 ( x  y  a 2 ) 3 / 2
よって点電荷とは逆符号の負電荷が誘起。大きさは原点で最大となり、電荷から遠ざかるにつれ
て(x, y→大)減少する。
(e) 導体表面に誘起されている総電荷量 Qは(x, y)の導体表面全体での積分を行うことで求めら
れる。極座標に置換すると積分しやすい。
x  r cos , y  r sin とおくと、 dxdy  rdrd , x 2  y 2  a 2  r 2  a 2
aq
 Q     ( x, y )dxdy  
2

aq
2

2
0
2

0
0
 
r
aq
drd 
2
2 3/ 2
(r  a )
2

2
0



1
 2
 d
2
 r  a 0
1
d   q
a
従って点電荷と等量の負電荷が導体表面全体に誘起されている。