◆平成23年度 九州市民大学「サマースクール集中講義」◆ 講義概要・時間割 時限 Ⅰ時限 時間 講師 堀本 一繁氏 10:30~11:50 (福岡市博物館学芸員) 演題 栄西(1141~1215)は中国から日本に禅と茶をもたらした人物とし てよく知られています。栄西は博多から2度中国に渡りますが、中 国から茶種を持ち帰って栽培し、日本国内に茶を広めたというので ようさい す。一般に広まっているこの「茶祖」のイメージは、実は栄西の死 ”茶祖” 栄西の実像 後百年ほどを経過して登場するものです。 本講義では、『喫茶養生記』をはじめとする栄西が書いた著作物 や、国際貿易で栄えた当時の博多の状況をもとに”茶祖”栄西の実 像に迫ります。 昼 食 ・ 休 憩 11:50~12:50 Ⅱ時限 Ⅲ時限 佐伯 弘次氏 12:50~14:10 (九州大学大学院 人文科学研究院教授) 講義概要 中世の博多商人たちは、朝鮮半島・中国大陸・琉球などに渡って 活発に貿易をおこないました。いずれも玄界灘や東シナ海などの 荒海を越えて行きました。1453年に琉球国王の使いとして朝鮮を 東アジアにはばたい 訪問した博多商人・道安は、九州から「大洋」(東シナ海)を渡って た中世の博多商人た 琉球に行くのは、大変苦労をすることだと述べています。船に乗っ ち て大海を渡るのがいかに大変であったかがわかります。明や朝 鮮・琉球などとの貿易で活躍した中世の博多商人の姿を、室町時 代を中心に考えます。 14:10~14:30 休 憩 14:30~15:50 松岡 博和氏 (福岡地方史研究会幹事、茶の湯文化学会会員) 『南方録』という茶書があります。千利休の茶の湯について説く、 最も大部で詳細な伝書です。南坊宗啓という禅僧が、利休の言葉 や茶会を記録したもので、利休・茶の湯の秘伝書として尊重されて きました。ところが戦後、茶道に関する歴史学的研究が進む中で、 利休時代の茶書らしくない点が指摘されるようになりました。『南方 録』がどんな茶書なのか、またどのようにして現在に伝えられたの か、さらにその成立に深く関わった福岡藩士立花五郎左衛門重根 (号は実山)を紹介します。 利休・茶の湯の書 なんぽうろく 『南方録』の謎
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