COMPUTER SIMULATION TECHNOLOGY 電子銃の連続荷電粒子シミュレーションピアス型電子銃のシミュレーション例をご紹介します。このシミュレーションを通じて、電気的サイズの大きい電子銃の解析ワークフローを概観できます。解析した電子銃は構造の 9 割近くをドリフト管が占めており、電子が加速される領域が全体に占める割合はごく僅かです。電界の生成は、粒子ソースであるカソード、ガイド電極、およびドリフト管を内蔵したアノードによって行われます。これらの部品は高透磁率の円柱形状内部に収められています。大型の電流励起コイルから磁界が生じ、この円柱に導かれます。図 1：ピアス型電子銃の構造モデル電子銃のモデル構造を図 1 に示します。導磁構造、ドリフト管、放射カソード、照準カソードはそれぞれ中空の円柱形状でモデル化します。ロフトや面取り、丸め機能も使用しています。コイル形状は、コイル断面を定義したカーブを経路カーブに沿ってスイープさせて作成します。図 2：三角形化された粒子ソース面解析には 3 つのソルバーを使用しました：まず、粒子を加速し焦点を合わせるための電磁界を静電界ソルバーと静磁界ソルバーで計算します。静電界の計算は、カソードの電位を 0V、アノードの電位を 90KV として行います。磁気コイルの起磁電流は 1000 アンペア回数とします。粒子ソースがカソードの凹面を覆い、粒子を放出します（図 2）。 COMPUTER SIMULATION TECHNOLOGY 次に、電子銃の反復計算を行います。粒子サーフェス周辺の電磁界がゼロより大きい間は粒子が放出されるモデルとして、空間荷電制限放射モデルを使用します。図 3：カソード位置の電界と磁界カソード中央の電界と磁界断面を図 3 に示します。図 4：荷電粒子速度を示す軌道プロットシミュレーションによりさまざまな電磁界値が得られます。粒子速度の軌道プロットの例を図 4 に示します。 CST PARTICLE STUDIO にはアニメーション機能があり、エネルギー、ベータ、ガンマのインパルスを時間軸で動画表示できます。電子銃反復計算ではこの他にも磁力、電力、放射電流などの数値が得られます。 CST STUDIO SUITE の他の解析モジュールと同様に、CST PARTICLE STUDIO はフルパラメトリック機能と最適化計算機能を標準で備えています。また、充実した CAD インポート機能により、迅速なモデル作成とシミュレーションが可能です。禁無断転載株式会社エーイーティー〒215-0033 神奈川県川崎市麻生区栗木 2-7-6 TEL (044) 980 – 0505 （代) 不許複製 ©2013 AET,Inc