テラヘルツ領域:金属誘電体の広帯域近傍界アンテナ

COMPUTER SIMULATION TECHNOLOGY
テラヘルツ領域:金属誘電体の広帯域近傍界アンテナ
アンテナをベースとする近傍界のイメージングと分光は、マイクロ波からテラヘルツ領域におよぶ広帯域の
パルス電磁放射と連続波の両方に応用可能です。CST MW STUDIO(CST MWS)でアンテナモデルを作成し、
シミュレーションを実行した事例をご紹介します。
図 1:近傍界アンテナの実機
事例の近傍界アンテナは損失の少ない誘電体を材質とし、尖らせた先端部を部分的に金属化させてミクロン
サイズの平面ファセットで終端します。
図 2:近傍界アンテナの電磁界分布
このファセットに入射波の全エネルギーが集中し、局所的に極めて高い電界が生じます。電磁界放射に鋭敏
な近傍界マイクロプローブとしてこれを使用することができます。 CST MWS によるシミュレーション結果
(図 2)はこのことを示します。
図 3: 実験のセットアップ
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現在は、テラヘルツのパルス放射と 80GHz 付近の連続波による反射配置実験により、周波数に依存しない約
20μm の空間分解能が示されます。 80GHz における 1/200 波長に相当するこの分解能は、終端のファセット
のサイズによってのみ制限を受けます。
図 4:植物の葉の上に分布する水の 2D スキャン:80GHz
この機器の応用として下記の可能性があります:
・小細胞的分解能による組織の画像化
・単一細胞を対象としたテラヘルツ分光
・単一分子を対象としたテラヘルツ分光
・強誘電体領域での非接触分光画像
・微量危険物質の検出
・空間分解されたポンププローブ実験
・鉱物の含有水分の検出
本資料のすべての結果は FZ Juelich, ISG の許諾の元に発表され、
「Journal of Applied Phisics 98」(2005), 14910 に
記載されたものです。
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