考えることを通して

考えることを通して
本庄小学校 尾関 香沙音
1 はじめに
普段、実験を楽しんで行う子どもたちだが、その実験結果から考えるということはなか
なかできていなかった。実験結果から考えて、考察する力を伸ばしたいと思った。
今回の実験は、「電気を通す物をさがそう」という目当てで行った。今までの経験から、
銀色の物や鉄は電気を通すであろうと予想して実験を始めた。その中で多くの子が電気を
通すと思っていた缶には、電気が通らない。そこで、予想とは違う結果に疑問を抱き、考
えさせたいと思って今回の授業を行った。
2 実践内容
実験を行った多くの子どもたちは、「缶は電気を通さない」という結果に疑問を持ってい
なかった。ところが、あるグループが「アルミ缶の底は電気を通した」という結果が出し
た。そこで、確かめてみた。するとやはり、同じようなアルミ缶でも電気を通すグループ
と通さないグループがあった。また、スチール缶は電気を通さないという結果だったので、
スチールとは鉄のことだと伝えた。すると、スチール缶は鉄なのに、電気を通さないのは
なぜだろうという疑問が生まれた。そして、子どもたちは考え始めた。
さらに実験を進める中でいろんな所にテスターを当てて、調べるようになった。すると、
缶の飲み口は電気が通るということに気付いた。子どもたちは、グループの子と活発に意
見を交換しながらなぜ一つの缶に電気が通るところと通らないところがあるのか調べた。
「色が付いているから、導線にビニールを被っていると電気が通らないのと同じかな」と
前時までの結果から考えることができていた。
最終的に、一人の子が缶の塗料をはがしたら電気が通るということに気付き、実際にテ
スターを当てて見せた。すると豆電球に明かりがついて、電気が通ったことがわかると、
子どもたちから「わぁ~」と歓声があがった。塗料をとると電気を通すことが分かり、ど
の子も納得した様子であった。
3 実践を通して
印象的だったのが、授業後の子どもたちの様子だった。自分たちで、疑問を解いたとい
うことにとても満足していた。今回は、実験結果から疑問が生まれるようにしたことで、
実験をして終わることなく、しっかり考えることができていた。どの子も最初から最後ま
で、良く取り組めていたので、実験の進め方によって、自然に子どもたちが考えたくなる
ような課題にするといいと思った。提示の仕方が見にくかったので、実物投影機などを使
うと、よりクラス全体に浸透させられたと思う。