静岡大学 情報学部(情報社会学科) 1/2 <総括> <本文分析

国語(現代文・古文・漢文)
静岡大学 情報学部(情報社会学科)
1/2
試験時間
110 分
解答時間 50 分+50 分
今年は昨年同様評論が出題された。格差の拡大や排外主義が激化する現代において、共通の理念を保持しつ
つ対立を前提とした相互理解の可能性を論じた文章からの出題。字数はやや増加。昨年に比べると本文の内
容が読み取りやすかったが、記述問題はまとめづらかった。昨年まで出題されていた 300 字の意見論述が、
筆者の主張と意見論述とを各 150 字でまとめさせる設問に分かれた。
情報学部(情報社会学科)のみに課された2題目は、ネット社会における「分人」という概念の意義を論じ
た文章からの出題。100 字と 250 字の説明問題と、500 字の意見論述が出題された。昨年は全体の記述量が
600 字であったが、今年は 850 字とかなり増加した。50 分という制約の中で論理的な解答を作成するのは難
しい。
<総括>
出題数
現代文 2 題
<本文分析>
大問番号
1
出
典
(作者)
「
「摩擦」の意味――知性的であるということについて」
(鷲田清一)
頻出度合
・的中等
頻出
分
量
前年比較
分量(減少・変化なし・増加) 昨年は 3530 字、今年は 3827 字で 297 字増加
難
易
前年比較
難易(易化・変化なし・難化)
大問番号
問題冊子に番号なし
出
典
(作者)
『私とは何か 「個人」から「分人」へ』
(平野啓一郎)
頻出度合
・的中等
標準
分
量
前年比較
分量(減少・変化なし・やや増加)昨年は 3194 字、今年は 3282 字で、88 字増加
難
易
前年比較
難易(易化・変化なし・難化)
© 河合塾
2016 年
国語(現代文・古文・漢文)
静岡大学 情報学部(情報社会学科)
2/2
<大問分析>
大問
ジャンル
設問
設問形式
1
評論
問一
漢 字 の 書 標準
き取り
問二
記述
標準
問四で答えるべき内容と重複する。
問三
記述
やや難
何を説明するかという解答の方向を見定めるのがや
や難しい。傍線部の直前をまとめるしかないだろう。
問四
抜き出し
やや難
問二で説明すべき内容と重複する。
問五
要 約 と 意 やや難
見論述
問1
記述
標準
問2
記述
標準
筆者が「個人」という概念に替えて「分人」という概
念を提案した理由をまとめる。
問3
意見論述
標準
本文の論旨が明確なだけに、独自の見解を展開するの
は容易ではない。
問題冊子に番号
なし
難易度
コメント(設問内容・答案作成上のポイントなど)
特に難しいものはない。
〔Ⅰ〕で「文章全体における筆者の主張」を「要約」
し、
〔Ⅱ〕で「筆者の主張」に対する受験生の「意見
や考え」を述べる。150 字以内でまとめるのがやや難
しい。
「個人」という概念と対比させて、
「分人」という概
念を説明する。
※難易度は5段階「難・やや難・標準・やや易・易」で、当該大学の全統模試入試ランキングを基準として判断し
ています。
<学習対策>
評論を中心に二次型の問題演習を行うこと。本文の正確な読解に基づいて、設問の要求を踏まえ、的確な解
答を作成するという、訓練を重ねてほしい。さらに、本文の要旨と意見論述とを各 150 字にまとめる訓練を
積んでおくこと。
情報学部(情報社会学科)のみに課される問題の対策としては、情報学をはじめとする様々な分野に興味・
関心をもつとともに、与えられた時間内に自分の意見を的確にまとめる訓練を積んでおくこと。
© 河合塾
2016 年