- 10~12月期法人企業統計・設備投資などについて 客員エコノミスト ◎ - 宅森昭吉 コメント 10~12月期設備投資(除くソフトウェア)前期比▲0.0%、前年同期比+8.5%。 ◎ 10~12月期実質GDP第2次速報値、総合的判断ではやや下方修正か。 法⼈企業統計:設備投資の推移(⾦融保険除くベース) ソフトウエア投資額含む(前年同期⽐、%) 資本金 10億円以上 26年 7〜9⽉期 27年 10〜12⽉期 1〜3⽉期 4〜6⽉期 7〜9⽉期 10〜12⽉期 +0.8 +3.0 +4.5 +2.8 +8.1 +3.5 +17.7 +15.3 +11.1 +8.0 +4.8 +11.1 1000万円〜1億円 +8.6 ▲4.4 +12.2 +9.5 +21.8 +17.8 合計 +5.5 +2.8 +7.3 +5.6 +11.2 +8.5 (+5.6 ) (+3.9 ) (+8.1 ) (+6.6 ) (+11.2 ) (+8.9 ) 1億円〜10億円 (⺟集団・法⼈企業数) 10億円以上 1億円〜10億円 1000万円〜1億円 5,188 5,170 5,132 5,184 5,161 5,127 25,547 25,407 25,234 25,369 25,206 25,075 992,716 992,716 992,716 978,115 978,115 978,115 合計の( )はソフトウェアを除くベースの前年同期⽐ (出所)財務省 ●15年10〜12⽉期の法⼈企業統計調査(速報値)の全産業(⾦融業・保険業を除くベース) の設備投資(ソフトウェア投資額を除くベース)の前年同期⽐は+8.9%と7〜9⽉期の前年同期 ⽐+11.2%からは2.3ポイント低下したものの、11四半期連続の増加となった。なお、これに断 層補正をおこなうと7〜9⽉期からの前年同期⽐の低下幅はやや拡⼤しそうだ。また、ソフトウェア投資額 を含むベースでは10〜12⽉期の全産業の前年同期⽐は+8.5%だった。7〜9⽉期の前年同 期⽐+11.2%からは2.7ポイント低下した。資本⾦1000万円以上1億円未満の中⼩企業 の前年同期⽐は+17.8%で、7〜9⽉期の前年同期⽐+21.8%からは4.0ポイント低下 した。資本⾦1億円以上10億円未満の前年同期⽐は+11.1%で、7〜9⽉期の前年同期⽐ +4.8%からは6.3ポイント上昇した。資本⾦10億円以上の前年同期⽐は+3.5%と、7〜 9⽉期の前年同期⽐+8.1%からは4.6ポイントの低下となった。 (次⾴へ) 本レポートは、投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断に 関しましては、お客様ご自身の判断でなさるようお願い致します。 このレポートに記載された内容は今後予告なく変更されることがあります。また、SMBCフレンド証券は、このレポートに記載 された内容に関し、正確性・完全性を保証するものではありませんのでご了承ください。 ●供給サイドのデータに基づいて算出した、15年10〜12⽉期GDP第1次速報値では名⽬設備 投資の前年同期⽐は+4.0%で、7〜9⽉期の+3.3%から伸び率を⾼めている。名⽬の前期 ⽐(季節調整済み)は+1.2%と2四半期連続の増加になった。10〜12⽉期GDP第1次 速報値で、供給サイドのデータに基づいて算出した、名⽬設備投資の供給側推計値の名⽬原系列前期 ⽐は▲8.7%の減少で、需要側推計値(仮置き値)の名⽬原系列前期⽐は▲0.9%の減少で ある。 ●法⼈企業統計15年10〜12⽉期の設備投資・季節調整済み前期⽐(ソフトウェア投資額を除く ベース)は▲0.0%で7〜9⽉期の同+5.7%から5.7ポイント鈍化した。10〜12⽉期の 原数値の前期⽐(ソフトウェア投資額を除くベース)は+0.7%の増加であり、需要側推計値(仮置 き値)の▲0.9%の減少よりも1.6ポイント程度上⽅修正の可能性がある。但し、これに断層補正 の影響などを考慮すると1ポイント程度控えめに⾒る必要があろう。加えて、個⼈企業経済調査のデータは 下⽅修正要因になりそうだ。⼀⽅、12⽉確報分が反映されるソフトウェア開発・プログラム作成は上⽅修 正要因になりそうだ。総合的に判断して、第2次速報値での実質ベースの設備投資の前期⽐は第1次速 報値の+1.4%から+1.5%と程度へと若⼲上⽅修正になると予測する。 (在庫投資) ●法⼈企業統計の仕掛品在庫をみると15年10〜12⽉期は3兆2091億円で14年10〜 12⽉期の3兆6464億円から▲4373億円の減少となった。原材料在庫は15年10〜12 ⽉期は▲1270億円で14年10〜12⽉期の▲4244億円から2973億円の増加となっ た。合わせて▲1400億円、前年同期に⽐べ減少した。⼀⽅、15年10〜12⽉期GDP第1 次速報値の名⽬在庫投資・原数値は1兆2473億円で14年10〜12⽉期の7621億円よ り+4852億円の増加であった。15年10〜12⽉期GDP第1次速報値では在庫投資・名⽬ 原数値・前年同期⽐寄与度は+0.4%であった。この内訳に関しては、雰囲気しか教えてもらえないが、 原材料在庫だけが前年同期⽐⼩幅マイナス寄与だった模様だ。残りは全てプラス寄与で、流通在庫のプラ ス寄与度が⼀番⼤きかった模様だ。プラス寄与度が2番⽬に⼤きいのが仕掛品在庫だったようだ。製品在 庫の前年同期⽐寄与度はゼロに近いプラスだった模様だ。今回の法⼈企業統計からみると、仕掛品在庫・ 原材料在庫は若⼲下⽅修正要因になると思われる。 (次⾴へ) 本レポートは、投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断に 関しましては、お客様ご自身の判断でなさるようお願い致します。 このレポートに記載された内容は今後予告なく変更されることがあります。また、SMBCフレンド証券は、このレポートに記載 された内容に関し、正確性・完全性を保証するものではありませんのでご了承ください。 ●15年10〜12⽉期GDP第1次速報値段階で⺠間在庫投資の実質・前期⽐寄与度は▲0. 1%だった。⺠間在庫投資の内訳をみると、製品在庫が前期⽐寄与度▲0.0%、仮置き値の原材料 在庫は前期⽐寄与度▲0.2%、同じく仮置き値の仕掛品在庫は0.0%、残る流通在庫は前期⽐ 寄与度0.0%だった。第2次速報値段階で仕掛品在庫は下⽅修正、原材料在庫はやや上⽅修正で、 実質在庫投資はやや下⽅修正され、前期⽐寄与度は▲0.2%程度になるとみた。 (15年10〜12⽉期GDP・第2次速報値) ●15年10〜12⽉期GDP第2次速報値では、設備投資は前期⽐+1.5%程度と第1次速 報値の同+1.4%から若⼲上⽅修正になるとみた。また、法⼈企業統計により在庫投資・前期⽐寄与 度は第1次速報値の▲0.1%から下⽅修正され、▲0.2%程度になるとみた。また、公共⼯事出 来⾼の前年同⽉⽐は10⽉分▲1.5%、11⽉分▲5.1%だったが、12⽉分の伸び率は▲7. 8%だった。このことからみて第2次速報値での公共投資の前期⽐は第1次速報値の▲2.7%から▲ 3.2%程度へ下⽅修正されるとみた。 ●総合的に判断すると15年10〜12⽉期実質GDP第2次速報値は前期⽐▲0.4%程度、 前期⽐年率▲1.7%程度へと、第1次速報値の前期⽐▲0.4%、前期⽐年率▲1.4%から 下⽅修正されると予測する。 (3⽉1⽇現在) 本レポートは、投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断に 関しましては、お客様ご自身の判断でなさるようお願い致します。 このレポートに記載された内容は今後予告なく変更されることがあります。また、SMBCフレンド証券は、このレポートに記載 された内容に関し、正確性・完全性を保証するものではありませんのでご了承ください。
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