- 1〜3⽉期法⼈企業統計・設備投資などについて - ―設備投資(除くソフトウェア)前期⽐+1.4%、前年同期⽐+4.3%― ―1〜3⽉期実質GDP第2次速報値で設備投資は上⽅修正か― ―仮置きの在庫投資(仕掛品・原材料)もやや上⽅修正か― 客員エコノミスト 宅森昭吉 コメント 法⼈企業統計:設備投資の推移(⾦融保険除くベース) ソフトウエア投資額含む(前年同期⽐、%) 資本金 26年 27年 10〜12⽉期 1〜3⽉期 4〜6⽉期 7〜9⽉期 10〜12⽉期 28年 1〜3⽉期 10億円以上 +3.0 +4.5 +2.8 +8.1 +3.5 +6.1 1億円〜10億円 +15.3 +11.1 +8.0 +4.8 +11.1 ▲0.1 1000万円〜1億円 ▲4.4 +12.2 +9.5 +21.8 +17.8 +2.5 合計 +2.8 +7.3 +5.6 +11.2 +8.5 +4.2 (+3.9 ) (+8.1 ) (+6.6 ) (+11.2 ) (+8.9 ) (+4.3 ) 10億円以上 5,170 5,132 5,184 5,161 5,127 5,080 1億円〜10億円 25,407 25,234 25,369 25,206 25,075 24,888 1000万円〜1億円 992,716 992,716 978,115 978,115 978,115 978,115 (⺟集団・法⼈企業数) 合計の( )はソフトウェアを除くベースの前年同期⽐ (出所)財務省 16年1〜3⽉期の法⼈企業統計調査の全産業(⾦融業・保険業を除くベース)の設備投資(ソフ トウェア投資額を除くベース)の前年同期⽐は+4.3%と15年10〜12⽉期の前年同期⽐+8. 9%からは4.6ポイント低下したものの、12四半期連続の増加となった。また、ソフトウェア投資額を含 むベースでは1〜3⽉期の全産業の前年同期⽐は+4.2%だった。15年10〜12⽉期の前年同 期⽐+8.5%から4.3ポイント低下した。 資本⾦1000万円以上1億円未満の中⼩企業の前年同期⽐は+2.5%で、15年10〜1 2⽉期の前年同期⽐+17.8%からは15.3ポイント低下した。資本⾦1億円以上10億円未 満の前年同期⽐は▲0.1%で、15年10〜12⽉期の前年同期⽐+11.1%からは11. 2ポイント低下した。⼀⽅、資本⾦10億円以上の⼤企業では前年同期⽐は+6.1%と、15年1 0〜12⽉期の前年同期⽐+3.5%からは2.6ポイントの上昇となった。 (次⾴へ) 本レポートは、投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断に 関しましては、お客様ご自身の判断でなさるようお願い致します。 このレポートに記載された内容は今後予告なく変更されることがあります。また、SMBCフレンド証券は、このレポートに記載 された内容に関し、正確性・完全性を保証するものではありませんのでご了承ください。 供給サイドのデータに基づいて算出した16年1〜3⽉期GDP第1次速報値では、名⽬設備投資の 前年同期⽐は▲1.5%で、15年10〜12⽉期の+4.4%の増加から減少に転じている。名⽬ の前期⽐(季節調整済み)は▲2.2%と3四半期ぶりの減少である。 16年1〜3⽉期GDP第1次速報値で、供給サイドのデータに基づいて算出した、名⽬設備投資の 供給側推計値の名⽬原系列前期⽐は+6.3%で、需要側推計値(仮置き値)の名⽬原系列前期 ⽐は+25.7%であると公表されている。16年1〜3⽉期の法⼈企業統計調査の全産業(⾦融 業・保険業を除くベース)の設備投資(ソフトウェア投資額を除くベース)の前期⽐は単純に計算すると、そ れより3.6ポイント⼤きい+29.3%である。 法⼈企業統計・16年1〜3⽉期の設備投資・季節調整済み前期⽐(ソフトウェア投資額を除くベー ス)は+1.4%で15年10〜12⽉期の同▲0.1%の減少から1.5ポイント改善し増加に転 じた。またその他のデータをみると、個⼈企業の設備投資はサービス業が上⽅修正要因だが、製造業は下⽅ 修正要因になりそうだ。また、3⽉確報分が反映されるソフトウェア開発・プログラム作成は下⽅修正要因に なりそうだ。これに、法⼈企業統計での断層補正の影響が下⽅修正要因として働きそうなことなどを考慮し、 総合的に判断して、第2次速報値での名⽬ベースの設備投資の前期⽐は第1次速報値の▲2.2%か ら▲1.4%程度へ、実質ベースの設備投資の前期⽐は第1次速報値の▲1.4%から▲0.6% 程度へとマイナス幅が縮⼩すると予測する。 (在庫投資) 法⼈企業統計の仕掛品在庫をみると16年1〜3⽉期は▲4兆7388億円で15年1〜3⽉ 期の▲5兆3511億円から6123億円の増加となった。原材料在庫は16年1〜3⽉期は▲8 599億円で15年1〜3⽉期の▲8180億円から▲419億円の減少となった。合わせて570 4億円、前年同期に⽐べ増加した。⼀⽅、16年1〜3⽉期GDP第1次速報値の名⽬在庫投資・ 原数値は▲2兆4547億円で15年1〜3⽉期の▲2兆6350億円より1803億円の増加 であった。16年1〜3⽉期GDP第1次速報値では在庫投資・名⽬原数値・前年同期⽐寄与度は+ 0.1%であった。この内訳に関しては、雰囲気しか教えてもらえないが、原材料在庫と製品在庫が前年同 期⽐マイナス寄与だった模様だ。そのうち原材料在庫は⼤きなマイナス寄与だったようだ。流通在庫と仕掛品 在庫はプラス寄与で、流通在庫のプラス寄与度が⼤きかった模様だ。今回の法⼈企業統計からみると、仕掛 品在庫・原材料在庫はやや上⽅修正要因になるとみられる。 (次⾴へ) 本レポートは、投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断に 関しましては、お客様ご自身の判断でなさるようお願い致します。 このレポートに記載された内容は今後予告なく変更されることがあります。また、SMBCフレンド証券は、このレポートに記載 された内容に関し、正確性・完全性を保証するものではありませんのでご了承ください。 16年1〜3⽉期GDP第1次速報値段階で⺠間在庫投資の実質・前期⽐寄与度は▲0.0% だった。⺠間在庫投資の内訳をみると、製品在庫が前期⽐寄与度▲0.1%、仮置き値の原材料在庫 は前期⽐寄与度▲0.0%、同じく仮置き値の仕掛品在庫は▲0.1%、残る流通在庫は前期⽐寄 与度+0.2%だった。第2次速報値段階で仕掛品在庫・原材料在庫はやや上⽅修正され、実質在庫 投資の前期⽐寄与度は+0.0%程度になるとみた。 (16年1〜3⽉期GDP・第2次速報値) 16年1〜3⽉期GDP第2次速報値では、設備投資は前期⽐▲0.6%程度と第1次速報値 の同▲1.4%からマイナス幅が縮⼩するとみた。また、法⼈企業統計により在庫投資はやや上⽅修正さ れ前期⽐寄与度は+0.0%程度になるとみた。また、公共⼯事出来⾼の前年同⽉⽐は1⽉分▲4. 3%、2⽉分▲4.4%だったが、3⽉分の伸び率は▲6.4%だった。このことからみて第2次速報値 での公共投資の前期⽐は第1次速報値の+0.3%から▲0.4%程度に下⽅修正されるとみた。 総合的に判断すると16年1〜3⽉期GDP第2次速報値は前期⽐+0.5%程度、前期⽐年 率+2.0%程度と予測する。第1次速報値の前期⽐+0.4%、前期⽐年率+1.7%からやや 上⽅修正されるとみる。 (6⽉1⽇現在) 本レポートは、投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断に 関しましては、お客様ご自身の判断でなさるようお願い致します。 このレポートに記載された内容は今後予告なく変更されることがあります。また、SMBCフレンド証券は、このレポートに記載 された内容に関し、正確性・完全性を保証するものではありませんのでご了承ください。
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