2016年1〜3 期実質GDP(第2次速報値)について

2016年1〜3⽉期実質GDP(第2次速報値)について
―1〜3⽉期実質GDP第2次速報値は設備投資などで上⽅修正―
―政府経済⾒通し+1.7%達成に16年度各四半期・前期⽐年率+2.3%必要―
客員エコノミスト 宅森昭吉 コメント
名⽬・実質GDP成⻑率 前期⽐推移
(前期比)
(2016年1〜3⽉期第2次速報値現在)
%
3.0
2.0
1.0
0.0
▲1.0
▲2.0
▲3.0
▲4.0
▲5.0
名目GDP
実質GDP
▲6.0
2010年度
2011年度
2012年度
2013年度
2014年度
2015年度
(出所)内閣府
●1〜3⽉期の実質GDP・第2次速報値は、前期⽐+0.5%、前期⽐年率+1.9%と、第1次速報
値の前期⽐+0.4%、前期⽐年率+1.7%から上⽅修正された。法⼈企業統計で設備投資が主要因にな
り+2%程度へ上⽅修正されるという事前の予想通りの変化なのでマーケットに及ぼす影響は軽微であろう。
●1〜3⽉期の実質GDP・第2次速報値の前期⽐をみると、設備投資の他に、個⼈消費、住宅投資、政府最
終消費が上⽅修正され、輸⼊もマイナス幅が縮⼩し実質GDPの押上げに寄与した。⼀⽅、⺠間在庫投資、公共
投資が下⽅修正された。公的在庫投資、輸出の前期⽐は第1次速報値と変わらなかった。
●また、名⽬GDP・第2次速報値は、前期⽐+0.6%、前期⽐年率+2.4%と、第1次速報値の前期
⽐+0.5%、前期⽐年率+2.0%から上⽅修正となった。
●1〜3⽉期の法⼈企業統計の発表を受けて設備投資は第2次速報値では前期⽐▲0.7%と第1次速報
値の▲1.4%から0.7ポイントの上⽅修正となった。
(次⾴へ)
本レポートは、投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断に
関しましては、お客様ご自身の判断でなさるようお願い致します。
このレポートに記載された内容は今後予告なく変更されることがあります。また、SMBCフレンド証券は、このレポートに記載
された内容に関し、正確性・完全性を保証するものではありませんのでご了承ください。
●実質⺠間在庫投資の前期⽐寄与度は▲0.1%と、第1次速報値の同▲0.0%から0.1ポイントの下
⽅修正となった。前期⽐寄与度の内訳をみると、製品在庫は▲0.1%で第1次速報値と同じだった。流通在庫
は+0.2%で第1次速報値と同じだった。仕掛品在庫は▲0.2%で第1次速報値(仮置き値)の▲0.
1%から下⽅修正、原材料在庫は▲0.0%で第1次速報値(仮置き値)と同じだった。
●1〜3⽉期の実質個⼈消費・第2次速報値は、前期⽐+0.6%と、第1次速報値の前期⽐+0.5%
から上⽅修正された。
●1〜3⽉期のGDP第1次速報値では在庫投資・名⽬原数値・前年同期⽐寄与度は+0.1%であった。
今回第2次速報値では▲0.0%に下⽅修正された。この内訳に関しては、流通在庫、製品在庫、原材料在庫
が前年同期⽐寄与度を若⼲プラス⽅向に押し上げたが、仕掛品在庫が前年同期⽐寄与度でマイナス⽅向に働いた
模様だ。前年同期⽐プラス寄与は第1次速報値でマイナス寄与だった製品在庫と、流通在庫だった。仕掛品在庫と
原材料在庫の前年同期⽐寄与度はマイナスだったようだ。原材料在庫の前年同期⽐マイナス寄与度は⼩さくなっ
た。
●次の4〜6⽉期の統計は、まだ主に4⽉分のデータだけしか発表されていないが、6⽉7⽇発表のESPフォー
キャスト調査の総平均では、前期⽐年率+0.12%とプラス成⻑の⾒通しである。
●ARIMAモデルにより内閣府が現時点での情報を使って算出・公表した、4〜6⽉期の原材料在庫の季調
済実質値前期差は+1,592億円、仕掛品在庫の季調済実質値前期差は▲1,266億円である。
●16年度実質GDP成⻑率の政府⾒通し実績⾒込みは+1.7%だが、達成には16年度各四半期の前
期⽐が+0.57%(前期⽐年率+2.3%)となることが必要だ。
2016年度各四半期の伸び率と、実質GDP成⻑率との関係
(%)
2016年度各四半期
2016年度
1.5
4.0
1.0
2.8
0.9
2.5
0.8
2.2
0.7
2.0
0.6
0.57
1.7
1.7
0.5
1.5
0.4
1.2
0.3
1.0
0.2
0.7
0.1
0.5
0.0
0.2
▲0.5
▲1.0
*2016年1〜3⽉期第2次速報値現在
(出所)内閣府
(6⽉8⽇現在)
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