起き上がるペットボトルの謎 伊藤寛人 序論 長嶋泰征 松井亮太 宮本曹 結論 ペットボトルが起き上がるということは、以前何かで見たことがあ り、知っていた。実際にやってみると、試行者によって成功率が異 なり、日によっては全くできないこともあり、まさに、「丌思議」で あった。高校の物理を学習し、様々な定理や現象を知識として蓄え た今、この偶然のようにも思える現象を検証し、考察することで、 自らの科学的探究心を満たし、これからの科学学習につなげていけ たらいいと思い、実験に取り組んだ。 倒すと起き上がるペットボトルは、 「ペットボトルが持つ反発力により起き上がる」 最初に持っていた、水の流動による重心の変化により起き上がると いう仮説とは大きく異なる結論となった。 実験内容 <実験1> 電子ばかりで水の重さを量り、5g きざみでペットボトルに入れる。 単純な振り子を用いた力を不える装置 (図1参照)を組み立て、一定の力を 加える。各10回ずつ試行を行い、 データを記録した。 <実験2> ペットボトルとの合計の重さが 80g になるように、4種類の試料 を入れた。実験1で使用したものと同じ装置を用い、各 10 回ずつ試 考察 ペットボトル内の水は次の2つの役割を担っていると考えた。 ○ペットボトルの重心を下部に下げ、立って静止 した状態でペットボトルを安定させる ○下部の質量を上部に比べ大きくすることで、慣 性の法則により下部を動きにくくする 行を行い、データを記録した。 <実験3> ペットボトルを3本用意して、そのそれぞれに水、熱湯、炭酸水 の3種類を入れて密封した。炭酸水は、密封後、撹拌して水に溶け ている炭酸をすべて気化させた。少しの間放置し、内部の温度を気 温と等しくした。この操作により、内部の圧力が、大気圧に比べ高 い、低い、同程度の3種類のペットボトルを用意した。その後、実 験1で使用したものと同じ装置を用い、3種類の動きの違いや結果 の違いを観察した。 実験結果 実験1 ○中の質量が小さいと、力を不えた時点で倒れるのではなく 横方向に飛んでしまう(失敗例1) ○中の質量が小さいと、起き上がったあと静止できずに反対 方向に倒れてしまう(失敗例2) ○中の質量が大きいと、跳ね返った後に起き上がりきること ができない(失敗例3) 実験2 右のグラフ参照 実験3 ○内部の空気圧が減少させた ペットボトルでは、跳ね返 る力が足りず、起き上がら なかった〈失敗例3〉 ○内部の圧力を増加させたペ ットボトルでは、跳ね返る 力が強すぎて、起き上がっ た後に静止することができ ず、反対方向に倒れた 〈失敗例2〉 また、このギミックは起き上がりこぼしと似ている 実験1の結果 起 き 上 が っ た 回 数 10 8 7 6 6 5 4 4 4 3 2 0 0 0 60g 65g 1 70g 75g 80g 85g 90g 95g 100g 水の量 実験2の結果 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 起 き 上 が っ た 回 数 8 8 5 1 実験3の結果 起 き 上 が っ た 回 数 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 6 4 2 内圧大 等圧 内圧小
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