憲法予習編 第 16 回目 レジュメ ・社会権 ⇒ 国家による自由 ・憲法 25 条 1 項「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」 ⇒生存権 ・自由権的側面(「最低限度の生活を営む」ことを国家から妨害さ れない) ・社会権的側面(「最低限度の生活を営む」ことを国家に対して求 める) ・憲法 25 条 2 項「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の 向上及び増進に努めなければならない。」 ・憲法 25 条の法的性質 1.プログラム規定説(権利性を認めない)=生存権の社会権的側面として、国 の努力目標と考える見解 ⇒憲法 25 条 1 項は、個々の国民に対して具体的な権利を保障したものではない ので、国民は、国に対して何らかの要求をすることができない 2.具体的権利説(立法不作為の違憲主張) 3.抽象的権利説(立法不作為の違憲主張できない) ・憲法 26 条 1 項「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとし く教育を受ける権利を有する。 」 ・憲法 26 条 2 項「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に教育を 受けさせる義務を負う」 ☆子どもは、教育を受ける義務はない ・判例百選 2 冊目第 140 番 旭川「学テ」(がくて)事件 「国は、国政の一部として広く適切な教育政策を樹立、実施すべく、また、しう る者として、憲法上は、あるいは子ども自身の利益の擁護のため、あるいは、子 どもの成長に対する社会公共の利益と関心にこたえるため、必要かつ相当と認め られる範囲において、教育内容についてもこれを決定する権能を有する」 ⇒学力テストは合法 国家が教育内容の決定に関与できる ・憲法 26 条 2 項「義務教育は、これを無償とする。」 ・無償の範囲はどこまでか? ・判例百選 2 冊目 P329 「教育提供に対する対価とは、授業料を意味するものと認められるから、同条 項の「無償」とは、授業料不徴収の意味と解するのが相当である」 ⇒無償とは、授業料の無償という意味 ・労働基本権 ・憲法 28 条「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保 障する」 ⇒団体権、団体交渉権、団体行動権 ☆労働基本権は国家に対して主張できるだけでなく、私人である、使用者に対 しても、直接主張することができる ・公務員に対する労働基本権の制約について ・判例百選 2 冊目第 146 番「全農林(全農林)警職法(けいしょくほう)事件」 「公務員の争議行為は、公務員の地位の特殊性と勤労者を含めた国民全体の 共同利益の保障という見地から、一般私企業におけるとは異なる制約に服 すべきものとなしうることは当然である」 ⇒公務員は、公務という特殊な業務についているので、一般国民とは異 なる制約を受ける ・公務員の人権についての制約の理由 「憲法が公務員関係の存在と自律性を憲法秩序の構成要素として認めている」 ・ (レジュメここまで)
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