近代国家における社会福祉・ 保育所の役割 保育所の法的根拠と役割 • • 日本国憲法 第14条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地に より、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない 第25条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。 児童福祉法 。 2 第1条[児童福祉法の理念] すべて国民は、児童が心身ともに健やかに生まれ、且つ、育成されるよう努めなければならない すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない。 第2条の[児童育成の責任] 国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負 う。 第24条[保育の実施] 市町村は、保護者の労働又は疾病その他の政令で定める基準に従い条例で定める事由により 、 その監護すべき乳児、幼児又は第39条第2項に規定する児童の保育に欠けるところがある場合 において、保護者から申込みがあつたときは、それらの児童を保育所において保育しなければ ならない。ただし、保育に対する需要の増大、児童の数の減少等やむを得ない事由があるときは 、 家庭的保育事業による保育を行うことその他の適切な保護をしなければならない。 現代社会における保育所の機能 経済的に豊かな家庭層 保護者の責任 子ども・保護者にとっての 福祉サービス 「自立生活の援護」 子どもへの教育 国地方自治 体の責任 子どもへの公的扶助 「社会(こどもへ)の セーフティーネット」 貧困家庭層 OECD調査13.7% 22カ国中8位 福祉サービス(社会保険)が貧困に陥る前に対処しようとするのに対し、公的扶 助は貧窮であるという事態・事実から出発し事後的に救済を行う。これを救貧機 能といい、福祉サービス(社会保険)の防貧機能と対をなしている。」(「貧窮問題 とソーシャルワーク)(岩田正美他 著)」) 社会保障の分類 • 公的扶助 • 社会保険(福祉サービス) 最終的には国の責任において、租税を その財源として実施される最低生活水 準保障のための施策 代表的制度:生活保護制度 自立生活力の育成、自立生活の援護、 社会資源の開発するための施策 代表的制度:介護保険制度 「介護保険制度の非加入者や保険制度からの離脱者、脱落者について、介護保険 はそれ自体として救済策を準備していない。別の制度、すなわち公的扶助(生活保 護)制度としての介護サービスの提供に依存するほかはない。」 福祉サービスが公的扶助に置き換わることが出来ないことが示されています。 この2つの性質がある保育を1面しか捉えておらず、保育を直接契約にした場合、公 的扶助部分、本来的な社会保障の部分(セーフティーネット)が機能停止することは 明らかであります。 社会保障を社会保険・公的扶助・社会手当・社会サービスと4分割 する方法もある。 社会福祉基礎構造改革 • 福祉ミックス論 • 福祉の直接契約制 子どもの視点に立つ 直接契約容認派 市場原理主義者への抵抗 近代国家の原則と封建社会の貴族制度 貴族制度やカースト制「生まれをもとに所得、富、機会、力を分配する」→公正でない社会 子どもは自ら生まれる家庭を選ぶことが出来ない。 近代国家として日本憲法は基本的人権という考えを受け入れた。 第14条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地に より、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。 第25条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。 平等をめぐる議論(マイケル・サンデル) 「市場社会には恣意性(生まれた家庭による差)をある程度是正する力があ る。」が、実際は機会均等にはほど遠い。 「生まれた家庭により、そもそものスタート地点が違っているなら、その競争 は公平とはいえない。」 公平な実力主義は機会の形式的平等だけでなく、教育の機会均等を実 現することで、成功の障害を取り除き、貧しい家庭の子も恵まれた家庭 のこと同じ条件で競えるようにする。 ポイント!! 子どもの育ちと親を分けて考える必要がある。恣意性を絶つ。
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