平成 27 年度 全国学力・学習状況調査の結果分析

◇平成 27 年度
全国学力・学習状況調査の結果分析◇
新聞報道や帯広市のホームページ等で本年度実施された全国学力・学習状況調査の北海道と帯広
市の結果が公表されました。また8月末には,本校の結果についても学校へ届きました。
都道府県別の結果で北海道は,中学校の2科目を除き全国の平均正答率を下回ってしまいました。
小学校においては4つの科目とも全国平均正答率には届きませんでしたが,国語 B,算数 B,理科
の3教科において全国との差が縮まり,課題となっていた国語・算数ともに応用する力を見る「B
問題」で改善の傾向がみられました。
本校の結果ですが,おおむね北海道と同じ傾向にあります。中でも
算数 B では着実に全国平均との差を詰めています。また,難しい設問
に対しても何とか答えていこうとしており,無回答・無記入の部分が
減ってきています。日々の授業や家庭学習・宿題での地道な取組の成
果が表れてきていると思われます。今後は,基礎・基本を確実に定着
させ,得た知識を応用する力を育てることが課題となるところです。
以下,今回の本校の結果を分析しましたので,今後の子どもたちの
学習に生かしていただけたらと思います。
◎問題ごとにおける全国・北海道と本校の平均正答率の比較と分析
( 全国平均と比較 ・ 道平均と比較 )
*☆印は正答率が全国平均より高かった問題
*★印は正答率が全国平均より5%以上低い問題
*〇印は正答率が道平均より高かった問題
*●印は正答率が道平均より5%以上低い問題
*
1.
国語A(主として「知識」に関する問題)
1
2
3
4
5
6
7
漢字を読む ( ・ )招く
( ・ )信念
(☆・〇)承知
漢字を書く ( ・ )浴びる
(☆・〇)巣
(★・〇)病院
(★・●)文の主語として適切なものを選ぶ
(★・ )文の型として適切なものを選択する
(★・●)聞き方の説明として適切なものを選択する
( ・ )説明の文章の書き方の工夫として適切なものを選択する
( ・ )コラムの中で筆者の読書体験が書いてあるまとまりを選択する。
(☆・〇)コラムの中で筆者が引用している言葉を書き抜く
(★・●)登場人物の関係についての説明として適切なものを選択する
( ・ )応募のきまりを守っていないものを選択する
*言語についての知識・理解・技能のうち,漢字の読み・書きに着目すると,全道・全国平均を
上回った問題も多く,全体的に全国平均に近づいています。宿題や家庭学習への取組や,日常
の指導の効果が表れてきていると考えています。
*話すこと・聞くことについては全道・全国平均を下回っています。国語の時間に限らず,主語
を捉えることや話の趣旨を捉えて聞き方を工夫することなどを大切にした指導を行う必要があ
ると思われます。
1
算数A(主として「知識」に関する問題)
2.
1
2
3
4
5
6
7
8
(★・●)8.9-0.78 の差の概算としてふさわしい数値を選ぶ
(★・ )5.21+0.7 は 0.01 がいくつ集まった数かを表すための式として数値を選ぶ
(★・●)小数の加法の結果を,減法を用いて確かめる組み合わせを選ぶ
整数・小数・分数の計算問題
( ・ )28+72
(★・●)6.79-0.8
(★・ )5/9-1/4
(★・ )5/6÷7
(★・ )午後 3 時10分までに図書館に着くために、所要時間の 5 分と 20 分
をもとに、家を出発する時刻を求める
(★・●)90°,180°,270°,360°を基準として角の大きさを見当
付けたものから,正しいものを選ぶ
( ・〇)分度器の目盛りを読み、180°より大きい角の大きさを求める
(☆・〇)円の中心と円周上の 2 点を頂点とする三角形が二等辺三角形になる理由
として、最もふさわしい円の特徴を選ぶ
(★・●)円の中心と円周上の 2 点を頂点とする三角形の,角の大きさを求める
(★・●)作成途中の直方体の展開図について,残りの一つの面の長方形の縦と横
の辺の長さを書く
(★・●)作成途中の直方体の展開図について,残りの一つの面をつけてかく辺を
選ぶ
(★・●)ハンカチを 5 日間持ってきた人数が,学年全体の人数の半分より少ない
学年は,4 年生だけであることをしめしているグラフを選ぶ。
(★・●)○を並べた図をもとに式を読み,数に対応する丸を黒く塗る
*四則計算では,小数の減法で全道・全国平均を下回りました。位をそろえて計算すること等,前
学年までの既習内容を忘れないように繰り返し指導し定着を図っていきます。
* 5 の問2,円の性質(一つの円の半径の長さはどれも同じ長さになる等)を活用して考える問題
では,全道・全国平均を下回りました。図形の性質の理解だけにとどまらず,その理解を活用で
きるような応用問題にも触れる機会を増やしていく必要があります。
3.国語B(主として「活用」に関する問題)
1
(★・●)新聞の割り付けとして適切なものを選択する
(★・ )見出しの表現の工夫についての説明として適切なものを選択する
(☆・〇)インタビューの様子の内容をまとめて書く
2 (★・●)言葉の書き抜き(「選択肢」の意味)
( ・ )言葉の書き抜き(互いに譲り合ってかいけつすること⇒「折り合い」
(★・ )文章の要旨をまとめて書く
(☆・〇)楽器の分担の決め方について,「楽器の分担図」をもとにして書く
3 ( ・ )登場人物の行動をもとにして、絵3の場面が始まるまとまりとして適切な
ものを選択する。
(★・ )声に出して読むときの工夫とその理由を書く。
2
*チャレンジテスト等を通して,教科書にはない文章を読んで答えたり,指定された条件に合わせ
て答えたりすることに少しずつ慣れてきています。今後も引き続き,自分の考えを整理し,表現
する活動を国語に限らず各教科・領域で行っていきます。
3.
算数B(主として「活用」に関する問題)
1 ( ・ )4 つの辺の組み合わせを選択し,平行四辺形を構成することができる
(★・●)作図に用いられている平行四辺形の特徴を選ぶ
( ・ )二組の道のりが,それぞれ等しくなることを書く
2 (★・●)トマトを 7 個買う時、最も安くなる買い方を選び,その時の代金を書く
(★・ )20%増量した商品の内容量が 480mL であるとき、増量前の内容量を
求める式と答えを書く
(★・●)示された割引後の値段の求め方の中から誤りを見出し、正しい求め方と答
えを書く
3 (★・●)周の長さが24m正三角形を巻尺で作るために,それぞれどこの目盛りの
ところを持てばよいかを書く。
(★・●)合同な二つの三角形を巻尺で作ったときに、アの角が30°になるわけを
書く
4 (★・ )四つの数を四捨五入して、千の位までのおよその数に表し、それらの数の
和を求める式と答えを書く
(★・●)切り上げて計算した結果が 10000 であることからわかることを選ぶ
(★・ )目標に達するには,12 月に 3000 個のキャップを集めればよいわけを
書く
5 ( ・〇)示された図において,分割された二つの図形の面積が等しくなるわけを書く
(★・ )示された図形の色がついた部分の面積を求める
*北海道や全国の平均正答率との差があるものの,その差は確実に縮まってきています。
*答えに至るまでの過程を説明するだけでなく,ノートに記述したり,図や表,式,言葉(算数の
用語)を結びつけたりしながら学習の理解を深めていく必要があります。
*既習事項とつなげて自分で考えたことを,具体的操作活動で表現し,筋道を立てて考え,数量や
図形を駆使しながら図や言葉などで表現することや,友達にわかりやすく伝え,考えを深めてい
く活動を通して,数学的な考え方を高めていかなければなりません。また,算数的活動を一層重
視していく必要があります。
3
4.
理科(「知識」に関する問題と「活用」に関する問題を一体的に問う)
1
( ・ )振り子が1往復する時間を変える要因を調べるために適切に条件を変えた振り子を選ぶ
(★・●)振り子時計の進み方を調整する内容を選ぶ
(★・●)振り子時計の軸に用いる適切な金属を選び、選んだわけを書く
(☆・〇)電磁石と磁石が退け合うようにするための極の組み合わせを選ぶ
電磁石の働きを利用した振り子が左右に等しく振れる導線の巻き方や乾電池のつなぎ
方について、あてはまるものを選ぶ
( ・ )導線の巻き方…(☆・〇)乾電池のつなぎ方
2
(☆・〇)メダカのメスとオスの見分け方
生物の成長に必要な養分の取り方について,仲間分けした観点を選ぶ
(★・ )もともともっている養分を使っている
( ・ )他の生物の養分を取り入れている
( ・ )器具の名前「けんび鏡」
(☆・〇)顕微鏡の適切な操作方法を選ぶ
(★・●)インゲンマメとヒマワリの成長の様子や日光の当たり方から,適した栽培場所を
選び,選んだわけを書く
3
(★・●)水蒸気の状態の説明としてあてはまるものを選ぶ
(★・●)水の温まり方予想をもとに,温度計が示す温度が高くなる順番を選ぶ
(★・●)水の温まり方について,実験結果から考え直した内容を選ぶ
(☆・●)器具の名前「メスシリンダー」
(★・●)メスシリンダーで一定量の水をはかり取る適切な扱い方を選ぶ
( ・ )水の温度と砂糖が水に溶ける量との関係のグラフから,水の温度が下がったとき
に出てくる砂糖の量を選び,選んだわけを書く
4
(☆・〇)方位についての情報から,観察している方位を選ぶ
( ・〇)夕方に見られる月の形と場所を選ぶ
(☆・〇)星座の動きを捉えるために必要な記載事項を選ぶ
(★・●)察した星座や雲の動きを選ぶ
(☆・〇)水が水蒸気になる現象について,その名称を書く(「蒸発」)
( ・ )地面に水をまいたときの地面の様子と温度変化について,実験結果から言えるこ
とを選ぶ
*全体的に無回答率が低く,全国平均との差も小さくなっています。
*質問紙の答えからも「理科の勉強が好きだ」と答えた児童が 8 割を超えるなど,日常の授業
や実験に意欲的に取り組んでいる様子がわかります。
4
◇児童質問紙から◇
学習意欲,学習方法,学習環境,生活の諸側面等に関する調査
※ 特徴的なものを抜粋しています。
・平日の 1 日当たりのテレビ・ビデオ・DVDの時間が4時間以上
本校
21.4%
全道
22.0%
全国
19.3%
・平日の 1 日当たりのゲーム時間が4時間以上
本校
7.1%
全道
12.7%
全国
9.1%
*テレビ・ビデオ等の視聴は年々減少傾
向にあります。しかし,携帯やスマ
ホ・メール・ネットの使用時間につい
ては増加しているようです。
・平日の 1 日当たりの携帯・スマートフォン使用時間が4時間以上
本校
7.1%
全道
4.3%
全国
3.1%
*6年生児童の半数以上が携帯電話や
スマートフォンを使用していると答
えていました。4 時間以上使用すると
答えた児童の割合は 7.1%ですが,全
国・全道平均を大きく上回っていま
す。家庭の中でのルールをしっかりと
決めて使用してくことが大切です。
・平日の 1 日当たりの読書時間が2時間以上
本校
10.7%
全道
7.7%
全国
7.5%
*平日に 2 時間以上読書すると答えた児
童の割合が,全国・全道を上回ってい
ます。また,読書が好き・どちらかと
いうと好きと答えた児童は約 60%と
なっています。国語の研修を進めてい
る中で,読書の好きな児童が多いのは
大変嬉しいことです。
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