India Insights (9月号) - HSBC Global Asset Management

HSBC投信株式会社
2015年10月19日
India Insights (9月号)
(インド市場を見る眼~現地からの報告)
<トピックス>
1.注目されるビハール州議会選挙
2.利下げで内需拡大を図るインド準備銀行
マーケットサマリー(株式・債券・為替市場)
 9月は株式市場は小幅安、債券市場は上昇(利回りは低下)、通貨ルピーは対米ドルで強含んだ。債券市場では、
外国人投資家の国債投資枠の拡大が注目されており、海外からの資金流入増が期待される。
<トピックス>
世論調査結果は異なる内容
 世論調査からはビハール州議会選挙の行方は読
みにくい。投票期間開始日直前3日間に公表され
た結果を見ると、2つの世論調査は、クマール州
首相率いる現同州与党連合が過半数の州議会
議席を獲得することを示唆、他の1つは、同州で
は野党であるBJP連合の獲得議席数が現与党連
合を上回ることを示唆している。
1.注目されるビハール州議会選挙
モディ首相率いるBJP勝利なら、改革期待高まり市場
には好材料
 10月12日、インド北東部のビハール州で州議会選
挙が始まった。選挙は5回に分けて実施され、開票
は11月8日に一斉に行われる。ビハール州議会選
挙は、インドで3番目に多くの人口を抱える重要な
州での選挙であり、また選挙結果は各州議会で議
員が選ばれる国会上院の勢力に影響を及ぼす点
で注目される。
2.利下げで内需拡大を図るインド準備銀行
 現在、モディ首相率いるインド人民党(BJP)主導の
与党連合は、下院では過半数を有するが、上院で
は少数派であり、このため「物品・サービス税
(GST)法案」などの重要改革法案が上院で阻止さ
れている。 BJP与党連合にとり、構造改革をはじめ
とする政策を強力に推進するためには、州議会選
挙で過半数を獲得し、その勢いに乗って上院の議
席を増やす必要がある。
 市場では、BJPがビハール州議会選挙で勝利すれ
ば、改革前進への期待から好反応が見込まれる一
方、敗北すれば失望感が広がる可能性がある。
 ビハール州議会選挙の後、2016年4-6月期には西
ベンガル州、アッサム州、ケララ州、タミルナド州の
4州で議会選挙が予定されている。ビハール州を含
めた5州に割り当てられている上院議席数は総議
席数の28.4%を占める。BJPは上院での勢力拡大
に向けて、5州全ての議会選挙で良い結果を出すこ
とを目指している。
当資料の「留意点」については、巻末をご覧ください。
予想を上回る0.5%の利下げを実施
 ラグラム・ラジャン氏が総裁を務めるインド準備銀
行(中央銀行)は9月29日、世界経済が減速する
中で内需拡大を図るため、政策金利を0.5%引き
下げ6.75%とした。利下げは大方の予想通りなが
ら、利下げ幅は市場予想(0.25%)を上回った。
 利下げ発表後、インドステイト銀行(SBI)をはじめ
複数の銀行が、直ちに基準金利の引き下げを発
表した。市中金利の低下により金融政策の波及
効果が高まりつつある。
 インドの実質国内総生産(GDP)成長率は他の新
興国を数パーセント上回っており、投資先としての
魅力が一段と高まっている。投資家の期待は依然
高く、 利下げに加えて、構造改革の加速や民間
投資の活性化に向けた政府の対策が求められて
いる。
<マーケットサマリー>
株式市場
当面はビハール州議会選挙と米国の利上げに注目
 9 月のインド株式市場は下落して始まった後に回
復、SENSEX指数は前月末比では-0.5%となった
(図表1参照)。外国人投資家の売り越しが続いて
いるものの、9月は売却ペースが鈍化した。一方、
国内ミューチュアルファンドには個人投資家からの
資金流入が続いている。
 当面は、ビハール州議会選挙結果と11~12月の
冬季国会に投資家の注目が集まる。また、米利上
げをはじめとする海外の政治経済情勢もインド株
式市場の方向性に影響しよう。
 株式市場は、短期的にはボラティリティが上昇する
可能性もあるが、インドは他の新興国に比べ魅力
的な成長ストーリーを有するため、戦略的観点か
ら長期投資を行う好機と捉えることが可能だろう。
図表1 SENSEX指数の推移
 一方、外国人投資家は従来は州債(SDL)に投資できなか
ったが、発行総額の2%が外国人投資家に開放される。さ
らに、外国人投資家は、インド企業が海外で発行するルピ
ー建ての「マサラ債」(決済通貨は米ドル)に投資すること
も可能となる。
図表2 インド10年国債利回りの推移
(2015年1月1日~9月30日)
(%)
8.1
8.0
7.9
7.8
7.7
7.6
7.5
7.4
7.3
15/1 15/2 15/3 15/4 15/5 15/6 15/7 15/8 15/9 15/10
(年/月)
出所:ブルームバーグのデータをもとにHSBC投信が作成
為替市場
ルピーは底堅い推移を予想
(2015 年1月1日~9月30日)
 9月のインドルピーは、対米ドルで強含み前月末比
+1.4%となった(図表3参照)。
(ポイント)
30,000
 当面、インドルピーは、他のアジア通貨の対米ドル
相場と同様の動きを示すと見られる。しかし、外国
人投資家による国債投資の増加が見込めることや
相対的に良好な経済ファンダメンタルズなどから、
ルピーは他のアジア通貨よりも堅調に推移すると
見られる。
29,000
28,000
27,000
26,000
25,000
24,000
15/1
15/3
15/5
15/7
15/9
(年/月)
出所:ブルームバーグのデータをもとにHSBC投信が作成
債券市場
外人投資家の国債投資枠拡大
 当面は米ドルに対し63~66ルピー(16日終値は
64.82ルピー)のレンジ内で底堅く推移すると見る。
図表3 インドルピーの推移
(2015年1月1日~9 月30日)
(ルピー/円)
(米ドル/ルピー、逆目盛)
対円(左軸)
1.95
1.90
1.85
対米ドル(右軸)
1.80
1.75
15/1
15/3
15/5
15/7
15/9 (年/月)
出所:ブルームバーグのデータをもとにHSBC投信が作成
当資料の「留意点」については、巻末をご覧ください。
2
ルピー安
60
61
62
63
64
65
66
67
68
2.00
ルピー高
 9月のインド債券市場は、10年物国債利回りが
0.25%低下し7.54%で取引を終えた(図表2参照) 。
 中央銀行は9月29日に市場予想を上回る0.5%の利
下げを前倒しで実施しており、2016年1-3月期まで政
策金利は据え置かれるものと予想される。
 中央銀行は、外国ポートフォリオ投資家(FPI)の国債
投資枠を発行総額の5%に拡大し、結果として投資
枠を1.2兆ルピー(約2.2兆円)増加させた。投資枠は
これまで米ドル建てで算定されていたが、今回からイ
ンドルピー建てに変更された。また、外国人投資家
の国債投資枠は半年毎に見直され、四半期毎に公
表される予定であり、透明性が高まる。海外からのイ
ンド債券市場への資金流入増が期待される。
 中期的には、米国とインドの間のインフレ格差に縮
小傾向が見られるため、ルピー安によって競争力
維持を図る必要性が低下すると見られる。原油安、
潤沢な外貨準備、経常赤字の縮小も引き続きル
ピー相場の下支え要因となる。
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