HSBC投信株式会社 2016年4 月22日 India Insights(4月号*) (インド市場を見る眼~現地からの報告) <トピックス> インド準備銀行は利下げに加えて流動性対策を強化 モンスーン予報で追加利下げ観測 マーケットサマリー(株式・債券・為替市場) 3月は株式、債券、通貨ルピーともに堅調となった。海外では米国の利上げが緩やかなペースになるとの見方、国 内では2016年度(2016年4月-2017年3月)政府予算案の経済成長と財政規律のバランスを重視した内容が市場で 好感された。株式市場では外国人投資家が1月、2月の売り越しから3月は31.6億米ドルの買い越しに転換。 <トピックス> インド準備銀行は利下げとともに流動性対策を強化 インド準備銀行(中央銀行)は、4月5日の金融政策決 定会合で主要政策金利であるレポレートを0.25%引き 下げ6.50%とした。ラジャン総裁は「金融緩和スタンス を継続する」と発言。 中央銀行は、この金融政策決定会合で、銀行システ ムの流動性拡大を図る以下の措置を決定した。これ らはレポレートの引き下げよりも重要と当社では見て いる。 ①政策金利のコリドー(レポレートと上限金利・下限金 利との差)を1.0%から0.5%に縮小(図表1参照)。こ れにより市中金利のレポレートへの収れんを図ると ともに、上限金利である限界貸出金利(銀行が中央 銀行から借り入れる最終手段)が0.75%引き下げら れたことにより、銀行の資金調達はより容易となっ た。 ②現金準備率の最低遵守基準(日次ベースで中央銀 行への預託が求められる最低比率)を95%から 90%に引き下げ。 ③公開市場操作などを通じた銀行システムへの流動 性供給の拡大。 これまで中央銀行は、レポレートを引き下げても、民 間銀行による貸出金利引き下げに結びついていない として、不満を示していた。今回の流動性対策は、利 下げの市中金利への波及を促し、ひいては経済成長 をサポートすることが期待できる。 *今回より発行月を記載させて頂きます。 当資料の「留意点」については、巻末をご覧ください。 図表1 政策金利の推移 (2011年1月~2016年4月5日) (%) 13 12 11 10 9 8 7 6 5 政策金利上限(限界貸出金利) 政策金利(レポレート) 政策金利下限(リバースレポレート) 11/1 12/1 13/1 14/1 15/1 出所:ブルームバーグのデータをもとにHSBC投信が作成 16/1 (年/月) モンスーン予報で追加利下げ観測 ラジャン総裁は4月5日の金融政策決定会合後の 声明で「モンスーン期(6~9月)の降雨状況(農産 物の収穫と価格に大きく影響)を注視して、さらな る金融緩和余地を探る」と述べている。 その後、インド気象庁は4月12日、今年のモンスー ン期の降雨量は平年を上回り(長期平均(1951~ 2001年の50年間の平均)の106%)、主要地域に 適度な降雨が広範囲にもたらされるとの予報を発 表した。この予報を受けて、インフレ率が抑えられ るとの期待感から、市場では追加利下げ観測が出 ている。 <マーケットサマリー> 図表3 インド10年国債利回りの推移 図表2 インド10年国債利回りの推移 (2015年1月1日~2016年3月31日) (2015年1月1日~6 月XX 日) 株式市場 投資家センチメントの好転を背景に反転上昇 3月のインド株式市場は堅調に推移し、SENSEX指数 は前月末比+10.2%となった。米国の利上げが緩やか なペースにとどまるとの見方、欧州中央銀行(ECB)の 追加金融緩和、国内では2月末に発表された2016年度 予算案で示された財政健全化策とその後広がった追 加利下げ観測などがプラス要因となった(インド準備銀 行(中央銀行)は4月5日に政策金利を0.25%引き下げ 6.5%とすることを決定)。 外国人投資家は1月、2月とインド株式を売り越してい たが、3月は31.6億米ドルの買い越しに転じた。 セクター別には、年初に不冴えであった景気敏感株が 大幅に戻しており、素材、資本財、ITセクターなどが特 に上昇している。 当社の株式運用戦略 当社では、インド株式ファンドの運用においては、イン ド経済の回復から恩恵を受ける景気敏感セクターに引 き続き重点を置いている。中でも健全な財務体質を持 ち、景気好転の流れに素早く対応できる企業に注目し ている。一方、景気動向の影響を受けにくい生活必需 品やヘルスケアはアンダーウエイトに維持しているが、 最近の株価下落で割安感が強まっている銘柄につい ては組入れを増やす機会と見ている。 図表2 SENSEX指数の推移 8.1 8.0 7.9 7.8 7.7 7.6 7.5 7.4 (%) 出所:ブルームバーグのデータをもとにHSBC投信が作成 (年/月) 当社の債券運用戦略 当社では、インド債券ファンドの運用においては、引き 続きルピー建インド国債を有望視している。今後、10年 を超える同国債の発行量は多くなる見通しであり、10 年超の長期債券は金利上昇圧力を受けやすいことか ら、残存期間が5年から10年の債券を選好している。 為替市場 ルピーは底堅い推移を予想 3月のインドルピーは、対米ドル、対円で上昇した。 2016年度予算案の発表と外国からの資金流入増が、 ルピーを押し上げる要因となった。 当面は、引き続きインドルピーは対米ドルで他のアジ ア通貨と同様の動きを示すと当社では予想する。 中期的には米国とインドのインフレ格差に縮小傾向 が見られるため、ルピー安による競争力維持を図る 必要性は低下すると見られる。潤沢な外貨準備、経 常赤字の縮小が引き続きルピー相場の下支え要因と なろう。ルピーは底堅い推移を予想している。 (2015 年1月1日~2016年3月31日) (ポイント) 31,000 30,000 29,000 28,000 27,000 26,000 25,000 24,000 23,000 22,000 図表4 インドルピーの推移 (2015年1月1日~2016年3月31日) (ルピー/円) 15/3 15/5 15/7 15/9 15/11 16/1 16/3 (年/月) 債券市場 インフレ率低下と2016年度予算案を好感 3月のインド債券市場は、10年物国債利回りが0.16% 低下(価格は上昇)し7.46%となった。インフレ率の低 下に加え、2016年度予算案で財政赤字削減計画が示 されたことが債券市場で好感された。 当資料の「留意点」については、巻末をご覧ください。 対円(左軸) 対米ドル(右軸) 15/1 15/4 15/7 15/10 16/1 16/4 出所:ブルームバーグのデータをもとにHSBC投信が作成 (年/月) 2 ルピー安 出所:ブルームバーグのデータをもとにHSBC投信が作成 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 ルピー高 15/1 2.00 1.95 1.90 1.85 1.80 1.75 1.70 1.65 1.60 (米ドル/ルピー、逆目盛) 留意点 投資信託に係わるリスクについて 投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象としており、当該資産の市場に おける取引価格の変動や為替の変動等により基準価額が変動し損失が生じる可能性があります。従いまして、 投資元本が保証されているものではありません。投資信託は、預金または保険契約ではなく、預金保険機構 または保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。また、登録金融機関でご購入の投資信託は投資 者保護基金の保護の対象ではありません。購入の申込みにあたりましては「投資信託説明書(交付目論見 書)」および「契約締結前交付書面(目論見書補完書面等)」を販売会社からお受け取りの上、十分にその内 容をご確認頂きご自身でご判断ください。 投資信託に係わる費用について 購入時に直接ご負担いただく費用 購入時手数料 上限3.78%(税込) 換金時に直接ご負担いただく費用 信託財産留保額 上限0.5% 投資信託の保有期間中に間接的に ご負担いただく費用 運用管理費用(信託報酬) 上限年2.16%(税込) その他費用 上記以外に保有期間等に応じてご負担頂く費用があります。 「投資信託説明書(交付目論見書)」、「契約締結前交付書面(目論 見書補完書面等)」等でご確認ください。 ※上記に記載のリスクや費用につきましては、一般的な投資信託を想定しております。 ※費用の料率につきましては、HSBC投信株式会社が運用するすべての投資信託のうち、ご負担いただく それぞれの費用における最高の料率を記載しております。 ※投資信託に係るリスクや費用はそれぞれの投資信託により異なりますので、ご投資される際には、かならず 「投資信託説明書(交付目論見書)」をご覧ください。 HSBC投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第308号 加入協会 一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会 ホームページ www.assetmanagement.hsbc.com/jp 電話番号 03-3548-5690 (受付時間は営業日の午前9時~午後5時) 【当資料に関する留意点】 当資料は、HSBC投信株式会社(以下、当社)が投資者の皆さまへの情報提供を目的として作成したものであり、特定の金 融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。 当資料は信頼に足ると判断した情報に基づき作成していますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。また、 データ等は過去の実績あるいは予想を示したものであり、将来の成果を示唆するものではありません。 当資料の記載内容等は作成時点のものであり、今後変更されることがあります。 当社は、当資料に含まれている情報について更新する義務を一切負いません。 3
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