HSBC投信株式会社 2015年11月17日 India Insights (10月号) (インド市場を見る眼~現地からの報告) <トピックス> 1.与党インド人民党(BJP)がビハール州議会選挙で敗退 2.州議会選挙敗北後もモディ政権の改革は前進 マーケットサマリー(株式・債券・為替市場) 10月は株式市場が小幅値を上げた一方、債券市場は弱含み(利回りは上昇)、インドルピーは対米ドルで堅調。ビ ハール州議会選挙での与党インド人民党(BJP)敗退は市場にマイナスながら影響は短期的と見る <トピックス> 1.与党インド人民党(BJP)がビハール州議会 選挙で敗退 2.州議会選挙後もモディ政権の改革は前進 市場への影響は短期的と見る 11月8日に開票されたインド北東部ビハール州の州 議会選挙で、モディ首相率いる国政与党インド人民 党(BJP)が敗退した。 ビハール州首相ニティーシュ・クマール氏をリー ダーとする同州の与党連合は、243議席の州議会 議席のうち178議席(61議席増)を獲得、他方、BJP を中心とした同州の野党連合は58議席(35議席減) にとどまった。BJP敗退の理由は複数考えられるが、 インドで最も貧しい州の一つであるビハール州で、 年平均10%超の経済成長を実現したクマール州首 相に対する高い支持が大きく影響した模様である。 BJPは国会下院では単独過半数の議席を占めてい るが、上院では少数派であり、「物品・サービス税 (GST)法案」などの重要法案が上院で阻止されて いる。BJPは構造改革をはじめとする政策を推進す るため、州議会選挙で過半数を獲得し、上院での 勢力を拡大することを求められている(上院議員の 大部分は地方議会における間接選挙で選出)。 今回の選挙結果は、モディ政権にとり逆風となった が、選挙直後に、政府は構造改革に向けた強い姿 勢を改めて示し、後述するような具体的施策を打ち 出した。選挙結果が金融市場に与える影響は短期 間にとどまると当社では見ている。 当資料の「留意点」については、巻末をご覧ください。 外国企業に対する投資規制を15業種で緩和 インド政府は、11月10日、放送、小売、銀行、民間 航空、防衛、鉱業、建設を含む15業種を対象に、 外国企業による対内直接投資(FDI)に関する規 制を緩和する措置を発表した。FDIの認可プロセ スも簡素化される。 この規制緩和は、自動承認の対象分野の拡大、 特定業種の投資上限額引き上げ、認可手続きの 簡素化などを含み、インドを世界の製造・輸出拠 点とする構想「メイク・イン・インディア(インドでモノ づくりを)」を強力に前進させることに重点が置か れている。 今回の措置により、海外投資家は、政府による承 認なしに、デジタル衛星放送/ケーブルテレビ事 業者、免税店への100%出資、また防衛関連企業 及び地方航空会社への49%までの出資が可能と なる。また、外国人投資家は民間銀行の発行済 株式の74%までを保有することが可能となる。 これら施策は、一部業種においては市場構造の 変化をもたらし得るものであり、また他の業種にお いても段階的な改革を通じて、外国資金の流入を 強く促すことが見込まれる。 <マーケットサマリー> 株式市場 図表2 図表2 インド10年国債利回りの推移 インド10年国債利回りの推移 (2015年1月1日~ (2015年1月1日~10月30 6 月XX 日) 日) 引き続き景気敏感セクターを選好 10月のインド株式市場は堅調に推移し、代表的株 価指数のSENSEX指数は前月末比+1.9%となっ た(図表1参照) 。米国の年内利上げ観測の後退、 国内では金融緩和策の継続観測などがプラス要 因となった。 ビハール州議会選挙では、前述の通り、BJPが予 想以上の敗退を喫したが、その直後に打ち出され た直接投資の規制緩和策は政府の改革に向けた 強いコミットメントを示すものとなっており、選挙の 影響は短期にとどまるものと見られる。 景気敏感とディフェンシブ株のバリュエーション格 差はこの数ヶ月で縮小したが、今後、景気が回復 する中で収益改善が見込まれる景気敏感セクター を引き続き選好している。 図表1 SENSEX指数の推移 (ポイント) 30,000 29,000 28,000 27,000 26,000 25,000 24,000 15/3 15/5 15/7 15/9 (年/月) 出所:ブルームバーグのデータをもとにHSBC投信が作成 為替市場 ルピーは底堅い推移を予想 10月のインドルピーは、対米ドルで強含んだ(図表 3参照)。 インドルピーは、当面は、他のアジア通貨の対米ド ル相場と同様の動きになると見られる。しかしその 後は、外国人投資家による国債投資の増加が見 込めることや相対的に良好な経済ファンダメンタル ズなどから、ルピーは他のアジア通貨よりも堅調に 推移すると見られる。 (2015 年1月1日~10月30日) 15/1 8.1(%) 8.0 7.9 7.8 7.7 7.6 7.5 7.4 15/11 (年/月) 出所:ブルームバーグのデータをもとにHSBC投信が作成 債券市場 中期的には、米国とインドの間のインフレ格差に縮 小傾向が見られるため、ルピー安によって競争力 維持を図る必要性が低下すると見られる。原油安、 潤沢な外貨準備、経常赤字の縮小も引き続きル ピー相場の下支え要因となる。 当面は米ドルに対し63~66ルピーのレンジ内で底 堅く推移すると見る(11月16日終値は65.99ル ピー) 。 図表3 インドルピーの推移 (2015年1月1日~10 月30日) 財政赤字目標達成のため歳出削減か (米ドル/ルピー、逆目盛) 2.00 60 61 62 63 64 65 対米ドル(右軸) 66 67 68 15/5 15/7 15/9 15/11 対円(左軸) 1.95 1.90 1.85 1.80 1.75 15/1 15/3 出所:ブルームバーグのデータをもとにHSBC投信が作成 (年/月) 2 ルピー安 当資料の「留意点」については、巻末をご覧ください。 (ルピー/円) ルピー高 10月のインド債券市場は軟調に推移し、10年物国 債利回りは0.10%上昇し7.64%(価格は下落)となっ た(図表2参照) 。新規国債発行に伴う供給増、過度 なインフレへの懸念などがマイナスに働いた。 2015年度上半期(4-9月)の財政赤字は、年間赤字 見込み額の68.1%となり、前年同期の同85.6%は下 回った。直接税収入が伸び悩んでいるが、原油安と 補助金減少が税収不足を一部穴埋めした。政府は 保有株売却を通じた資金調達目標額を6,950億ルピ ーから3,000億ルピーに引き下げる可能性があるが、 財政赤字目標(2015年度は対国内総生産(GDP)比 3.9%)を達成するため、歳出削減により歳入不足を 補うと見られる。 留意点 投資信託に係わるリスクについて 投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象としており、当該資産の市場に おける取引価格の変動や為替の変動等により基準価額が変動し損失が生じる可能性があります。従いまして、 投資元本が保証されているものではありません。投資信託は、預金または保険契約ではなく、預金保険機構 または保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。また、登録金融機関でご購入の投資信託は投資 者保護基金の保護の対象ではありません。購入の申込みにあたりましては「投資信託説明書(交付目論見 書)」および「契約締結前交付書面(目論見書補完書面等)」を販売会社からお受け取りの上、十分にその内 容をご確認頂きご自身でご判断ください。 投資信託に係わる費用について 購入時に直接ご負担いただく費用 購入時手数料 上限3.78%(税込) 換金時に直接ご負担いただく費用 信託財産留保額 上限0.5% 投資信託の保有期間中に間接的に ご負担いただく費用 運用管理費用(信託報酬) 上限年2.16%(税込) その他費用 上記以外に保有期間等に応じてご負担頂く費用があります。 「投資信託説明書(交付目論見書)」、「契約締結前交付書面(目論 見書補完書面等)」等でご確認ください。 ※上記に記載のリスクや費用につきましては、一般的な投資信託を想定しております。 ※費用の料率につきましては、HSBC投信株式会社が運用するすべての投資信託のうち、ご負担いただく それぞれの費用における最高の料率を記載しております。 ※投資信託に係るリスクや費用はそれぞれの投資信託により異なりますので、ご投資される際には、かならず 「投資信託説明書(交付目論見書)」をご覧ください。 HSBC投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第308号 加入協会 一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会 ホームページ www.assetmanagement.hsbc.com/jp 電話番号 03-3548-5690 (受付時間は営業日の午前9時~午後5時) 【当資料に関する留意点】 当資料は、HSBC投信株式会社(以下、当社)が投資者の皆さまへの情報提供を目的として作成したものであり、特定の金 融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。 当資料は信頼に足ると判断した情報に基づき作成していますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。また、 データ等は過去の実績あるいは予想を示したものであり、将来の成果を示唆するものではありません。 当資料の記載内容等は作成時点のものであり、今後変更されることがあります。 当社は、当資料に含まれている情報について更新する義務を一切負いません。 3
© Copyright 2025 ExpyDoc