子宮頸がんの基礎知識

子宮頸がんの基礎知識
子宮頸がんってどんな病気?
子宮は、女性にしかない特別な臓器のひとつです。この子宮の入り口付近「子
宮頸部(しきゅうけいぶ)」にできるがんを「子宮頸がん(しきゅうけいがん)」
といいます。子宮の入り口付近に発生することが多いので、普通の婦人科の診
察で観察や検査がしやすく、発見されやすいがんです。
また、早期に発見すれば比較的治療しやすく、病気がよくなる可能性が高い
がんです。ただ、進行すると治療が難しいことから、早く発見することがとて
も大切です。
子宮頸がんは、女性の命はもちろんのこと、妊娠や出産の可能性まで奪って
しまう、生活や人生に大きな影響を及ぼす病気です。定期的な検診によってが
んになる前に発見できる病気でもあります。
どんな人がなりやすい?
「がん」と聞いても、
「自分には関係ない」と思っている方が多いのではない
でしょうか。
子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(以下 HPV)の持続的な感染が原
因となって発症します。ほとんどが「性交渉」によるものであり、誰でも感染
する可能性があります。多くの人は知らないうちに感染して、知らないうちに
治癒していきます。
しかし、まれに HPV の持続感染が起き、そのごく一部で数年から数十年か
けて子宮頸がんを発症させることがあります。子宮頸がんは、20~30歳代
の若年層で増加傾向にあります。
子宮頸がんの症状ってどんなものがあるの?
子宮頸がんの症状
状態
がんになる前や
症状
ほとんどの場合は無症状
初期の子宮頸がん
進行した子宮頸がん
・性交時出血
・おりものの異常(茶褐色、黒褐色のおりものが増えるなど)
・不正出血(月経時以外の出血)
・下腹部や腰の痛みなど
子宮頸がん検診の流れ
多少の違いがありますが、次のような流れで行います。検診時間はだいたい
10 分前後です。
初潮年齢や生理の様子、妊娠・出産の経験の有無、月経の状況、自覚症状の
有無、などについてお聞きします。
内診台に上がります。医師が膣に専用の器具を挿入し、子宮頸部の状態を確
認します。炎症の有無や腫れがないか診察します。
子宮頸部の表面粘膜をブラシなどで軽くこすりとります。まれに少し出血す
ることはありますが、痛みはほとんどありません。何となくチクチクとした感
じを持つ人もいるようですが、緊張せずにリラックスして受けてください。
これで検査は終了です。細胞診の結果は2~4週間で自宅へ郵送されます。
※生理期間中は、正しい検査が難しい場合があるので、可能であれば生理期間
中の受診は避けてください。
性経験のない方の子宮頸がん検診についてのお願い
性経験のない方は、頸部がんの発生はほとんどないと考えられています。
また、検査時に器具を使用することで、負傷、出血などを伴うことがあり、
治療が必要となることがあります。検診内容をご納得の上で検診を希望される
かたは、医療機関へご相談ください。
婦人科の「かかりつけ医」を持ちましょう
思春期の頃から、妊娠時期、出産、更年期、そして元気なおばあちゃんにな
るまで、年齢に合わせて女性の身体は変化します。
気軽に何でも相談できるかかりつけの医師を持つことは、いきいきとした生
活を送るためにも大切なことです。定期的な検診はもちろん、上手に婦人科を
利用してください。