第100回地域医療カンファレンス抄録(PDF)

第 100 回 東京医療センター地域医療カンファレンス
開催場所: 国立病院機構東京医療センター 病棟会議室
開催日時: 平成 27 年 4 月 23 日(木) 19 時 30 分~
テ ー マ: 子宮がん 最近の話題と当院での取り組み
担
当: 国立病院機構東京医療センター 産婦人科
山下
博
婦人科悪性腫瘍の中でも子宮がんの診断や治療には近年「低侵襲」をキーワードとしたパラダイムシフ
トが起こりつつあり、当院においても例外ではありません。
子宮頸がんに対する対策型検診としての細胞診の判定方法にベセスダシステムが導入されてから 6 年
あまりが経過しており、記述的細胞診報告様式も認知度が高くなってきたと考えられます。また、HPV 検
査の保険適応に伴いベセスダシステムと組み合わせてより個別化した患者管理が可能となりました。
CIN2 に対するレーザー蒸散術は、HPV タイプによって施行の適否を決めることにより、過剰な医療介入
を防ぐことができるとともに、円錐切除による次回妊娠時の早産のリスクや月経困難症の増悪を回避す
ることができる方法として当院においても実施件数が増加しています。子宮体癌においても初期子宮体
癌に対する腹腔鏡手術が先進医療から保険適応となり、当院においては初期子宮体癌の大多数が腹
腔鏡下手術で治療されています。また、子宮頸がんの根治術である広汎子宮全摘術を腹腔鏡下に行う
試みが新たな先進医療として厚生労働省に認定されており、当院でも実施予定となっています。これら
子宮がんの診断と治療の話題について当院での治療成績をふまえてお話したいと思います。
担当医略歴:
平成5年3月 慶應義塾大学医学部卒業
平成5年5月 慶應義塾大学医学部産婦人科学教室入局
平成7年5月 慶應義塾大学医学部助手(専修医)(産婦人科学)
平成11年5月慶應義塾大学医学部助手(産婦人科学)
平成14年7月独立行政法人国立病院機構東京医療センター産婦人科
学 会:
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
日本婦人科腫瘍学会 婦人科腫瘍専門医 評議員
日本臨床細胞学会 細胞診専門医 評議員
東京都臨床細胞学会 理事
*このカンファレンスは日本医師会生涯教育講座の認定単位2単位を取得できます。