子宮頚がんとヒトパピローマウイルス(HPV)の話

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子宮頚がんとヒトパピローマウイルス(HPV)の話
中央検査部
平田
和佳子
今回は、子宮頚がんとヒトパピローマウイルス(HPV)についてお話しします。
皆さんは 20~30 歳台の若い女性が発症するがんの第1位を御存知でしょうか?
それは、子宮頸がんです。子宮頚がんは、子宮の入口部分にあたる子宮頚部にできるがんです。
全世界で毎年、27万人もの女性が子宮頸がんで大切な命を失っています。
日本でも毎年約 15,000 人が子宮頸がんと診断されており、問題となっています。
●子宮頸がんはどうして発症するの?
ほぼ 100%がヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因で発症します。
このウイルスは性交渉により感染し、約 80%の女性が一生に 1 度は感染するという報告のある、
とてもありふれたウイルスです。
●ヒトパピローマウイルス(HPV)とはどんなウイルス?
皮膚や粘膜に感染するウイルスで、100 種類以上のタイプが存在します。
その中の約 15 種類のタイプが子宮頸がんを引き起こす発癌性ウイルスであるとわかっており、ハ
イリスク型と呼ばれています。
●感染するとみんながんになるの?
ハイリスク型 HPV に感染しても、90%は体内から自然に消失します。
がんに進展するのは感染者の約 0.15%と、ごくわずかです。
●ハイリスク型 HPV に感染したらどのくらいの期間でがんになるの?
感染してからがんになるまでは通常、数年~十数年という長い時間がかかります。がんになる前
の状態(前癌病変)を発見し早期に治療する事が重要です。
そのためには、定期的に子宮がん検診を受けることが1番の予防策と考えられます。
次号では、現在の日本における子宮頚がん検診の状況と、ワクチンについてお話いたします。