8 3 2 1 出典:国立がんセンターがん対策情報センター 「がん情報サービス」 1995 4 診、 細胞診を行います。検診効果 は高く、 がんになる前段階で発見 し治療することもできます。細胞 診は簡単な検査で、痛みもなく 出血も伴いません。子宮頸部の表 面を広くこすって細胞を採取し、 がん細胞だけでなく、 前がん病変 の細胞もないかどうかも判定し ます。その結果、 もし細胞診で異 常な細胞が見つかった場合は、 病 変が疑われる場所の組織を採取 し、 診断を確定させるのです。 子宮頸がんと診断されると、 超 音波検査やMRI、CTなど機 器を使ってがんの広がりを調べま す。そして、 がんの進行具合や患 者の年 齢 などを 総 合 的に判 断 し、 子宮温存手術か摘出手術、 放 射線療法、抗がん剤治療などの 中から治療方法を選ぶことにな ります。 20 30 ワクチンのある 子宮頸がんは 予防できる唯一のがん 20 日本では子宮がん検診は 歳 (自治体の場合) から可能で、受 診率は2割程度。子宮頸がんの 発生にHPVの関与が明らかに なった現在、 欧米など先進国では 性交渉の開始年齢に合わせて検 診推奨強化に取り組み、 イギリス のように8割を超える国もあり ます。 また、 HPV感染を防ぐワクチ ンが開発され、 欧米各国の多くで は 歳前後を基準年齢に公費負 担による予 防 接 種を行っていま す。 このワクチンが一番効果を発揮 するのは 歳から 歳ぐらいの間 で、 歳ぐらいまでの成人女性で も効果があるといわれています。 HPVワクチンは、 日本でも平 成 年 月から一般の医療機関 で接種することができるようにな りました。3回のワクチン接種で、 HPVの感染から長期にわたって からだを守ることが可能です。 さまざまながんの中で予防で きるのは、 子宮頸がんだけです。 が ん検診と予防ワクチン接種を上 手に利用して、 自分のからだを守 りましょう。 14 長谷川 壽彦 監修●(財)東京都予防医学協会検査研究センター長 では発生しないとされています。 さまざまな因子が加わり、 前がん 病変からがんの発生へとつながり ます。初期段階では出血やおりも のもなく、 まったくと言っていいほ ど自覚症状はありません。そのた め定期的な検査が必要なのです。 一 方、 子宮体がんは、 閉経後の 〜 歳代の女性に多い病気でし たが、 月経不順や不妊症などホル モン異常のある若年者にも増え ているようです。不正な出血があ る場合 (リスクのある人は症状が なくても) 、頸がんの検診だけで なく、子宮内膜の検査などを行 う体がん検査も受けてください。 子宮細胞診は簡単な検査 痛みも出血もありません 60 50 集団検診や人間ドックなどの 子宮頸がん検診では、 膣鏡診や内 12 45 子宮頸がんと子宮体がん との違い 子宮頸がんと子宮体がんは、 同 じ子宮に発生しますが、 それぞれ 原因と予防法、治療は異なりま す。 年間約1万5 , 000人が発 症し、 約3, 500人が死亡する 子宮頸がんは近年、 〜 歳代の 女性で罹患率、死亡率ともに増 加しており、 HPV (ヒトパピロー マウイルス) というウイルスへの感 染が原因と考えられています。た だ、 このウイルスは性交渉の経験 がある女性なら5人に4人は感 染するというありふれたもので、 通常はひとりひとりが持つ免疫力 で排除されてしまい、 がんの発生 には至りません。 子宮頸がんは、 HPV感染のみ 11 12 2000(年) 子宮がんには、 入り口近くにできる「子宮頸がん」と 奥のほうにできる「子宮体がん」の 2種類があります。 女性にとって乳がんに並ぶ危険な病気で、 若い世代に増えている子宮頸がんには 検診と予防ワクチンの接種が有効です。 5 のこと 乳がん 7 6 21 もっとよく知ろう 子宮頸がん 9 1990 1985 1980 1975 0 子宮がん ■日本における 20~29歳の 女性10万人当たり (人) の発症率の推移 20~30歳代の若い女性に 子宮頸がんが増えており、 最近では乳がんよりも 罹患率が高くなっています。 28 No.133
© Copyright 2024 ExpyDoc