コンパス薬局横浜西 スキルアップ勉強会 2012.3.13 第 13 回 『子宮頸がんワクチン 小林 ガーダシル』 MSD 宇佐美 勇さん 参加者:川村先生、野口、野田、宮内、潮、岩堀、中谷、小林 子宮頸癌は、世界的に見ると、女性の癌としては乳癌に次いで 2 番目に発症率が高く、毎年 50 万人が新たに罹患し、 約 27 万人が死亡しているとされる。日本でも、毎年1万 2000 人が罹患し、約 3500 人が死亡しているのが現状であ る。 【効能・効果】 ヒトパピローマウイルス 6,11,16 及び 18 型の感染に起因する以下の疾患の予防 ・子宮頸癌(扁平上皮細胞癌及び腺癌)及びその前駆病変(子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)1,2及び3並びに上皮内腺癌 (AIS)) ・外陰上皮内腫瘍(VIN)1,2及び3並びに膣上皮内腫瘍(VaIN)1,2及び3 ・尖圭コンジローマ 【用法用量】 9歳以上の女性に、1回 0.5ml を計3回、筋肉内に注射する。通常、2回目は初回接種の2カ月後、3回目は6カ月後に同 様の用法で接種する。 【特徴】 ・子宮頸癌 の前癌病変 に対する優 れた予防効 果(HPV16,18 型に起因 する高度子 宮頸部病変 を 96.9%予 防 。 HPV6,11,16,18 型に起因する低度病変を含む子宮頸部病変を 100%予防。) ・子宮頸癌をはじめ外陰上皮内腫瘍、尖圭コンジローマなど HPV 疾患を幅広く予防。 ・長期にわたる予防効果の持続(少なくとも4年にわたり効果が持続)。 ・安全性が高い。 ・男性に適応ある。 【副作用】 接種後5日間に注射部位にて特定された症状の副反応で、主なものは、疼痛 465 例(82.7%)、紅斑 180 例(32.0%)、 腫脹 159 例(28.3%)、掻痒感 36 例(6.4%)、出血 10 例(1.8%)、不快感9例(1.6%) 【考察】 子宮頸癌はワクチン接種と定期的な子宮頸癌検診により、ほぼ 100%が予防可能と考えられていて、今後 HPV ワク チンを接種する女性が増えると考えられる。 子宮頸癌は初期症状がほとんど現れず、気づいた時にはすでに進行していることも少ない。発見が早ければ、子 宮の摘出手術などをせずに子宮を守ることができ、治療後の妊娠や出産も可能なため、定期的な健診が重要と考え られる。 【質問事項】 ・対象年齢は? →9歳~46 歳まで有効とされている。 ・4価以上のワクチンが発売される予定はあるか? →9価ワクチンが開発中。 ・予防効果は何年か? →平均4年の抗体持続期間が報告されている。 ・ガーダシルとサーバリックスの子宮頸癌の予防効果の差は? →子宮頸癌の予防効果は同等。ガーダシルは尖圭コンジローマの予防効果がある。 ・公費助成対象年齢は? →横浜では中学校1年~高校3年が公費負担年齢。
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