(4)の説明の訂正(PDFファイル)

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(4)帰無仮説の判断
巻末の付録の標準正規分布表(257 ページ)で、有意水準 5%に対応する z 値を確認する。今
回の例題では、結果が平均値より大きいあるいは小さいという特別な根拠がない(つまり両
側検定である)ため、帰無仮説が棄却できるかいなかを判断する z 値に対応する確率は、合
計で 5.0%、大きい側に 2.5%、小さい側にも 2.5%とることになる。標準正規分布表から
2.5%(0.025)を示す値を探すと「1.96」となっている。すなわち、帰無仮説が棄却されるの
は、z≦-1.96 あるいは 1.96≦z のときということになる。
「標準正規分布表」には、いくつかの種類がある。付録に掲載したものは、①z 値が 0~z
を取る確率 p で、もっとも一般的に使われている。この他、②z 値が z~∞を取る確率
(=0.5-p)、③z 値がー∞~z を取る確率(=p+0.5)を掲載したものもある。この章の放送授業
では、③z 値が z~∞を取る確率を説明しているので、注意していただきたい。
さて、先ほど計算した z 値=1.05 は、有意水準 5%に対応する z 値の 1.96 より小さい、つ
まり、z≦1.96 である。したがって、帰無仮説は棄却することはできず、10 名の平均値 55
点は、一般に日本人成人の平均値と異なるとはいえない、ということになる。