モジュール1のまとめ

数理統計学
第23回
西 山
検定の手順
帰無仮説・対立仮説として二択にする
サンプル平均の分布図で
棄却域(普通5%分)を両側・右側・左側に作るか決める
上に合わせて標準値・T値の
限界値を決める
サンプル平均を標準化して
結論を下す
今日の目標(前回の続き)
検定ミス(=判断ミス)の可能性を調べます。
–第1種の過誤(Error of Type I)
–第2種の過誤(Error of Type II)
–検出力(=異常を発見できる確率)
有意水準(=棄却域の大きさ)をしっかり
理解します
最初の例題
無作為に5台の自動車を抜き取りブレーキ性能検
査をする.60Km/hからの停止距離の基準は60メー
トルである.
いま工場内に異常があり、停止距離が平均で2
メートルも基準値を超えている。ブレーキ検査をし
て、この異常に気がつくだろうか?但し、ブレーキを
踏むタイミングなどから、停止距離の測定値は2メー
トルの標準偏差でばらつく.
H 0 : 元の平均() 60 vs H 1 : 元の平均() 62
正常
異常
教科書176ページ以降を参照
例題【1】の考え方
この限界値は
61.47です.なぜ?
授業は
ここまで
判断ミスに二通りあり
必要のない検査をした
意味では生産者危険
欠陥車に気が
つかないので
消費者危険
検査結果
正常
真
相
異常
第1種の
正常(H0) あいまい 過誤(α)
異常(H1)
第2種の
過誤(β)
検出
最初の例題への解答
第2種の過誤(β)
 PX  61.47 | H 1 
61.47  62 

 P Z 

0.894 

 PZ   0.56
 0.29
10回に3回は異常に
気がつかない!
検出力=1-0.29=0.71
確認クイズ
有意水準(普通は5%)と等しいのは?
第1種の過誤になる確率
検出力と第2種の過誤になる確率との関係は?
1-検出力 = 第2種の過誤になる確率
判断ミスはしたくないが・・・
検出力を
上げるには
限界値を小さく
厳しい検定にする
当然
第2種の過誤は減る
正常
しかし
第1種の過誤が増える
60
62
5台検査体制なら61.47メートル
<有意水準>の意味
第1種の過誤になる頻度を先に決めます
普通は、5%. 時に、1%、10%にします
有意水準が高い ⇒ 厳しい検定
有意水準が低い → ゆるい検定
サンプル数が一定なら、
検出力は自動的に決まります
練習問題【1】
無作為に5台の自動車を抜き取りブレーキ性能検査をする.
60Km/hからの停止距離の基準は60メートルになっている.
5回の測定値の結果は
59.3、 59.6、 62.7、 62.7、 62.3
となった。以下の検定を行いなさい。但し、ブレーキを踏むタイ
ミングなどから、停止距離の測定値は2メートルの標準偏差で
ばらつく.
H 0 : 元の平均() 60 vs H 1 : 元の平均() 62
正常
X  61.32
ˆ  2.85
2
異常
どんな結果は異常と決めましたか?
練習問題【1】の解答
異常なしと仮定して
Z0 
61.32  60.0
2
2
5
1.32

 1.48
0.894
限界値1.645を超えていないので、結果正常
検出漏れの確率は30%
どんな判断ミスが
心配?
検査結果
正常
真
相
異常
第1種の
正常(H0) あいまい 過誤(α)
異常(H1)
第2種の
過誤(β)
検出
練習問題【2】
次回、やった人が
いれば解答
無作為に20台の自動車を抜き取りブレーキ性能検査をす
る.60Km/hからの停止距離の基準は60メートルになって
いる.停止距離が平均で2メートルも基準値を超えているな
ら、直ちに工場を停めて原因を探る調べる必要がある.限
界値をいくらに設定して検査をすればよいか?また検出力
はいくらか?但し、ブレーキを踏むタイミングなどから、停止
距離の測定値は2メートルの標準偏差でばらつく.
H 0 : 元の平均() 60 vs H 1 : 元の平均() 62
正常
異常