ネットの長時間利用による健康被害 野球少年・卓球少女へ あなたは、今後スマホをとるか、 野球・卓球をとるか ~空振りの増えた野球・卓球少年少女~ 監修・構成 : 医学博士・眼科専門医(岩手県奥州市) 鈴木 武敏 (2014年度日本臨床眼科学会、 国際斜視学会で発表) 制作:子どものネットリスク教育研究会 大谷良光 本啓発資料の著作権は、鈴木博士にあります。 鈴木武敏博士の発見 スマホを操作している人を観察し ていたら、多くの人が、スマホを顔 の真ん中から左右どちらかにか たよった位置で操作していた これは、スマホ使用による近見反応 異常(両眼視異常)と仮説し、調査・ 実験を行った スマホによる近見反応異常発生のメカニズム 近見反応 1) 調節 2) 輻湊 3) 縮瞳 1.目は近くを見るとき、両眼を内側に寄せ る「輻湊」というしくみが働く 2.画面の小さい スマホ等を長時間 使うと、過剰な「輻 湊」がおこる 3.過剰な「輻湊」で脳が混乱し、「片方の目 を使わないように」という間違った指示が出 て、両眼の正常な働きを妨げられたり、視力 が低下することがある。 4.片方の目で主に画面を見るようになるた め、スマホの位置が中心から外れる 長時間使用 片眼視(片方の眼で主に見る) 他眼の抑制(他の眼は抑制) 近見反応失行 鈴木博士は、小学生と高校生 100名以上を対象に、①立体視、 ②抑制、③眼位、④調整輻湊機 能の4項目で測定を行い、スマ ホの利用時間と異常値の関係 を明らかにした。 両眼視検査器機:抑制、立体視、眼位 チトマスステレオテスト 偏光眼鏡を使った立体視検査 立体視: 簡易眼位検査 OPUS(ワック社) 調査①②の 立体視と抑制結果 対象: 奧州市某小学校 3,4,5年生 177人 結果の一部 60 立 体 視 異 常 50 % 10 5.1% 5 3.7% 40 30 5% 38.9% 18.7% 40% 20.7% 0% 0 人数 0時間 16 2 抑 制 異 常 1 % 4 20 携帯時間 6 3 0 1時間 82人 2時間 59 人 3時間~ 20 人 調節検査装置 調節反応量と調節微動の記録 調節反応、輻湊、瞳孔径の記録 調節機能測定装置AA-1、SpeedyI (梶田) 近見反応測定装置トライイリス(鈴木) 調査④ の調整輻湊機能の結果 輻輳 開散 Left eye Right eye Left eye Right eye 縮瞳 散瞳 右眼 左眼 症例B 異常者の測定値 17歳女子 平日スマホ+パソコン、あわ せて2~3時間 正 常 異 常 近くを見ても縮瞳が生じない 結論 1時間以上の使用から両眼視の 異常が出て、3時間以上になると多 くの生徒が何らかの異常をきたし ていた。 特に、中学生位までの視力が発 達する時期に、スマホを長時間利 用することは、両眼視の障害や斜 視を招く危険がある。 この調査結果は、従来の麻痺説では 説明がつかない。 したがって、治療には通これまでの眼 鏡矯正法では対応できない。複雑な 因子が絡んでおり、眼科学会による 総合的な検討が急がれる。 何時間くらいならば安全か 15分から30分が限度 では、どうなるの? どういうことが起き ているの? 立体感、遠 近感が異常 になるため スポーツ外傷の増加 大人は、車の運転での追突事故も予想
© Copyright 2024 ExpyDoc