方で、計画段階において臨時的な意 析 ︶、 予 算 管 理 等 が あ げ ら れ る。 一 管理会計を使った経営管理 ︵設備投資の意思決定︶ ︿管理会計とは﹀ 思 決 定 を す る と き に も﹁ 管 理 会 計 ﹂ ﹁差額原価﹂ ︵代替案間で異なる将来 ことであり、この分析で用いるのが られるのである。そして、この﹁将 ローを現在価値に割引くことが求め た り、 予 想 し た 将 来 キ ャ ッ シ ュ フ 短期の意思決定は、製造業等にお い て そ の 効 果 を 発 揮 し や す い た め、 ンフローを、見込めるのか﹂という 難しいことのように感じるが、要 は、﹁ 初 期 投 資 以 上 の キ ャ ッ シ ュ イ させる必要も出てくる。 却に係る売却損益に租税公課を反映 済的効果︵ex ・減価償却費︶や売 また、法人税等を考慮する場合に は、その案を採用することによる経 投資案の是非の検討を行う。 の︵正味現在価値 NPV︶により から﹁初期投資額﹂を差し引いたも 来キャッシュフロー現在価値合計﹂ の発生予測原価︶である。 品の製造を始めるにあたり専用の機 今回はJ Aでの利用・役立ちを考え、 意思決定 械 が 必 要 に な り 購 入 を す る か 否 か、 長期の意思決定に注目することとす は用いられる。例えば、新しい加工 ﹁組織の様々な階層における経営管 という状況において、いずれの判断 る。 ﹁ 管 理 会 計 ﹂ は、 利 益 獲 得 の た め の経営管理を適切に行うために利用 理者が組織の目的達成のために行う を下すか決めるため︵有利な判断を さ れ る。 こ こ で い う 経 営 管 理 と は、 仕事﹂であり、PDCAサイクルの ことである。 ︿ 拡張投資におけるNPV法の活用 備投資の意思決定は、長期的な事象 するものであるといえる。この、設 これらは生産・販売能力の変更に関 の 買 換 え 等 に 係 る 意 思 決 定 が あ り、 とする。 する。なお、資本コスト︵※︶は五% 械についての条件は下記のとおりと 否かを検討している。なお、当該機 J Aはこのたび、加工事業施設 に新しく米粉の製粉機を導入するか ﹀ ︵法人税等を考慮しない場合︶ 意思決定には、主に二つの種類が あり、それぞれにおいて用いられる を対象とするため、貨幣の時間価値 ︵※︶企業が資本を調達・維持する 長期の意思決定とは、前述した例 示にもあるように、拡張投資や設備 のが﹁差額原価収益分析﹂ である。﹁差 を考慮する必要がある。つまり、将 ︿意思決定に役立つ管理会計﹀ 額原価収益分析﹂とは、代替案間で 来のキャッシュフローを考えるにあ ために必要なコスト 異なる未来の収益・原価を比較する 計の手法について解説する。 今回はこの、意思決定に係る管理会 会計﹂である︵設備投資の意思決定︶ 。 選択するため︶に用いるのが﹁管理 例 え ば、 直 売 所 に お い て、 ﹁売上 高五〇〇万円﹂という利益目標をた て、それを達成するための行動計画 を設定したとする。そして、その行 動計画を実施し、結果を踏まえた分 析を行い、是正措置を行動計画等に 反映させる。この一連の業績管理の 過程において用いられるのが﹁管理 会計﹂なのである。 業績管理をする方法としては、原 価計算や損益分岐点分析︵CVP分 ︿正味現在価値︵NPV︶﹀ 循環により実行される。 長期の意思 設備投資 決 定(ex. 拡 張 投 資、 の 意思決定 設備の買換 え) 絆 2015 . 4 16 短期の意思 決 定(ex. 業務的 自製か購入 意思決定 か、価格決 定) 具体的な計算方法・考え方 ᾋᜂவˑᾍᴾ ᾋྵ̖̞ૠᾍᴾ ទλ̖ᾉᾀɢόᴾ ᴾ ᎑ဇ࠰ૠᾉᾄ࠰ᴾ ᾄήᴾ ἾὊἚᴾ ࠰ૠᴾ ᾀᴾ ώᾈᾄᾁᾃᴾ ᾁᴾ ώᾈᾆᴾ ᾂᴾ ώᾇᾅᾂᾇᴾ ᾃᴾ ώᾇᾁᾁᾆᴾ ᾄᴾ ώᾆᾇᾂᾄᴾ ࠰ỉʖेỿἵἕἉἷỶὅἧἿὊίᾒᾘᾕὸᾉᾃɢόᴾ ࠰ỉʖेỿἵἕἉἷỴỸἚἧἿὊίᾒᾞᾕὸᾉᾀᾁɢόᴾ ถ̖ΝҲ૾ඥᾉസ̖܍ἎἿẆܭ᫇ඥᴾ ḷ࠰ỉถ̖ΝҲᝲᾁᴾ ᾄ࠰ࢸỉ٥Ҳ̖᫇ᾉᾀᾄɢόᴾ ῃᾄ ᾒᾘᾕᴾ ῃᴾ ৲᫇ᴾ ᾀɢόᴾ ᾒᾞᾕᴾ ῃᾃᴾ ῃᾀᴾ ῃᾁ ᾃɢόᴾ ᾃɢόᴾ ᾃɢόᴾ ᾃɢόᴾ ᾃɢόᴾ ᾀᾁɢόᴾ ᾀᾁɢόᴾ ᾀᾁɢόᴾ ᾀᾁɢόᴾ ᾀᾁɢόᴾ ᵐᵖᶣᵎᵌᵗᵓᵐᵒᴾ ῃᾂ ᵐᵖᶣᵎᵌᵗᵎᵕᵎᴾ ᵐᵖᶣᵎᵌᵖᵔᵑᵖᴾ ᾀᾄɢόᴾ ᵐᵖᶣᵎᵌᵖᵐᵐᵕᴾ ᵒᵑᶣᵎᵌᵕᵖᵑᵓᴾ ᶒᵎᵘṵᵏᵎᵎᴾ ᶒᵏᵘᵐᵔᵌᵔᵔᵕᵐᴾ ᶒᵐᵘᵐᵓᵌᵑᵗᵔᴾ ᶒᵑᵘᵐᵒᵌᵏᵖᵔᵒᴾ ᶒᵒᵘᵐᵑᵌᵎᵑᵓᵔᴾ ᶒᵓᵘᵑᵑᵌᵔᵗᵎᵓᴾ ᶒᵏᵉᶒᵐᵉᶒᵑᵉᶒᵒᵉᶒᵓᵛᵏᵑᵐᵌᵗᵕᵓᵕίኺฎႎјௐỉྵ̖͌נӳᚘὸᴾ 㹌㹎㹔㸻⤒῭ⓗຠᯝࡢ⌧ᅾ౯್ྜィڹᢞ㈨㢠 㸻㸯㸱㸰㸬㸷㸵㸳㸵ڹ㸯㸮㸮 㸻㸱㸰㸬㸷㸵㸳㸵 上記結果より、投資額を上回る価 値があることから、この投資案は採 用すべきである、ということが分か る。つまり、NPVが正の値になる 場合、当該投資案は合理的なもので ある、ということができる。 ︿最後に﹀ 今回は拡張投資に係る設備投資の 意思決定について解説したが、上記 方法を使用することで、いくつかの 17 投資案︵現在使用している機械を使 い続けるか、新しいものに買い換え るか︶を比較し、より有利なものを 採用することもできる。 また、実際に使用する際には、C Fの見積もりは不確実性を伴うこと を念頭に置き、リスクの大きい投資 案ほど①CFは低めに見積もる②高 い資本コストを用いる③目標回収期 間は短く設定する、等の対処が必要 である。管理会計の使用により、よ り合理的な経営判断・経営管理が可 能となる。 ︵中央会経営対策部︶ 絆 2015.4
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