Column ご参考資料 「投資のヒント」 2016年9月7日 ※以下、レッグ・メイソン・アセット・マネジメント提供のレポートをご紹介します。 豪州準備銀行は政策金利を1.50%で据え置き ・豪州準備銀行(RBA)は政策金利の据え置きを決定。スティーブンス総裁は声明文で政策の様子見姿勢を示す。 ・今後の金融政策は景気動向次第の展開に。次回のRBA理事会からはロウ新総裁のもとで金融政策運営が図られる。 ・2016年の豪ドル相場はRBAの利下げ後も底堅い推移が続いている。RBAの豪ドル高への警戒も足元では限定的。 ・海外投資家による資金流入が豪ドル相場の下支え要因に。海外投資家の株式投資や直接投資の流入が続く。 図1:豪州準備銀行(RBA)の政策金利とインフレ率 豪州準備銀行は政策金利の据え置きを決定 豪州準備銀行(RBA)は9月6日の金融政策理事会にお いて、大方の市場予想通り、政策金利を1.50%で据え置 く決定を下しました(図1)。 (%) 5.0 4.5 スティーブンスRBA総裁の声明文では、「5月と8月の金 4.0 融緩和を受けて、政策姿勢の維持が持続的な経済成長 3.5 とインフレ目標の達成と整合的である」との言及がなされ、 政策の様子見姿勢が示されました。 4-6月期の実質GDPは緩やかな成長を維持 足元の豪州の経済指標は強弱まちまちながらも、豪州 3.0 2.5 2.0 景気は緩やかな成長が続いています。足元の雇用環境 1.5 は、正規雇用の回復はなお限定的に留まっているものの、 1.0 前期比+0.5%(前年比+3.3%)の緩やかな成長となって います。 インフレ目標 レンジ(2~3%) 09 全体としては緩やかな雇用増傾向が続いています(図2)。 9月7日に公表された豪州の2016年4-6月期実質GDPは、 RBAの政策金利 豪州準備銀行の政策金利 (キャッシュ・レート) 関する方針が示されなかったことから、今後の金融政策 は景気動向次第の展開となりそうです。 11 12 13 14 1.50% 1.5% 15 16 (年) (出所)豪州準備銀行(RBA)、豪州政府統計局(ABS) (期間)基調インフレ率:2009年1-3月期~2016年4-6月期 政策金利:2009年1月1日~2016年9月6日 (注)基調インフレ率は消費者物価指数(CPI)のトリム平均値と加重中央 値の平均により算出。 RBAは景気動向を注視し、当面政策を据え置きへ 今回のRBA理事会の声明文では、先行きの金融政策に 10 基調インフレ率 (前年比) 図2:豪州の雇用者数増減の推移 (千人) 50 40 雇用者数増減 (前月比、3ヵ月移動平均) ブルームバーグ集計の市場コンセンサスでは、RBAの政 策金利は2016年末まで据え置きの見方が大勢となって おり、当面はRBAによる政策の様子見姿勢が続く可能性 が高いと考えられます。 次回の理事会からはフィリップ・ロウ新総裁体制に なお、今回がスティーブンス総裁の最後のRBA理事会と 30 20 10 0 なりました。次回10月4日の理事会以降は、フィリップ・ロウ 新総裁のもとでの金融政策運営が図られることになります。 ロウ新総裁の就任は副総裁からの昇格人事であるため、 RBAの金融政策の継続性は今後も保たれるとみられます。 ‐10 パートタイム雇用 ‐20 14年1月 正規雇用 15年1月 16年1月 (出所)ABS (期間)2014年1月~2016年7月 ※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。 当資料はレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社の情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、 金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。当資料のお取扱いについては最終 ページをご覧ください。 1/3 ご参考資料 図3:RBAの政策金利と豪ドル相場の推移 RBAの利下げ後も豪ドルは底堅い推移が続く 2016年の豪ドル相場は、RBAによる5月と8月の利下げ にもかかわらず、対米ドルで比較的底堅い推移が続いて います(図3)。足元の豪ドル相場は対米ドルでは1豪ドル =0.75米ドル前後、対円では1豪ドル=79円前後の推移 (米ドル) 1.20 (%) 7 豪ドルの対米ドル相場(右軸) 豪ドル高 6 1.10 5 となっています。 RBAの豪ドル高への警戒も足元では限定的 1豪ドル=0.75米ドル前後の豪ドル相場の水準では、 RBAによる豪ドル高への警戒も限定的となっています。 2014年以降のRBA理事会での豪ドル相場への言及の変 遷を見ると、過去は1豪ドル=0.75~0.80米ドルの為替水 4 0.90 3 0.80 2 0.70 RBAの政策金利(左軸) 豪州準備銀行 政策金利(左軸) 1 10 準で、RBAは「豪ドル相場は一段と下落する公算」や「豪ド ル相場はファンダメンタルズ価格の多くの推定値を上回っ 1.00 が1豪ドル=0.75米ドル前後で推移する中、「豪ドル高は 経済の調整を複雑にする可能性」とのソフトな言及に留 0.90 まっています。足元の鉄鉱石価格の回復などによる豪州 0.85 の交易条件の改善が、RBAの豪ドル高への警戒姿勢の緩 0.80 和要因となっている可能性があると考えられます。 0.75 海外投資家の資金流入が豪ドルの下支え要因に 0.70 海外投資家による豪州への投資フローの改善も足元の 0.65 (直接投資・証券投資・その他投資の合計)は2016年4- 州株式への投資は2015年1-3月期以降、6四半期連続 での資金流入となりました。 また、海外企業による買収や事業への投資を表す直接 投資も豪州への安定的な流入を支える要因となっていま 「豪ドル相場は一段と下落する公算 (下落の必要性ある)」 「豪ドルは資源価格の大幅下落に適応している)」 「 豪ドルは経済見通しの変化に適応している」 2015年1月 2016年1月 (出所)ブルームバーグ、RBA (期間)2014年1月1日~2016年9月6日 図5:海外投資家による豪州への投資フロー 80 (10億豪ドル) 豪州への資金流入 60 海外投資家の資金フロー その他投資 債券投資 40 20 0 豪州からの 資金流出 ‐20 1Q (*)換算レート:1豪ドル=80円 0.60 (年) 16 「豪ドル高は経済の調整を 複雑にする可能性」 す。豪州では資源開発ブームが一巡する中、内需の拡大 が直接投資流入のけん引役となると期待されています。 15 「 豪ドル相場はファンダメンタルズ価格の 多くの推定値を上回っている」 豪ドル相場 (対米ドル) しました(1-3月期の資金流入は+44億豪ドル)。 券投資の流入が鈍っているものの、海外投資家による豪 14 (米ドル) 0.60 2014年1月 6月期に+374億豪ドル(約3.0兆円*)へ資金流入が拡大 証券投資の中でも、足元は長期金利低下などにより債 13 「 豪ドル相場は歴史的基準からみて依然として高い」 0.95 際収支統計によれば、海外投資家の豪州への投資フロー 12 図4:RBA理事会での豪ドル相場への言及の変遷 戒姿勢を示す傾向がみられました(図4)。 豪ドル相場の下支え要因となっている模様です(図5)。国 11 (出所)ブルームバーグ (期間)2010年1月1日~2016年9月6日 ている」などの言及を声明文に盛り込み、豪ドル高への警 しかし、2016年4月以降のRBA理事会では、豪ドル相場 1.00 豪ドル安 2Q 3Q 4Q 株式投資 直接投資 1Q 3Q 14 2Q 4Q 1Q 15 2Q 16 (年) (出所)ABS (期間)2014年1-3月期~2016年4-6月期 (注)その他投資は現預金への投資や貸出などの金融取引。 ※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。 当資料はレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社の情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、 金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。当資料のお取扱いについては最終 ページをご覧ください。 2/3 ご参考資料 【 ご留意事項 】 ● 当資料はレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社の情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが 投資判断の参考となる情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではあり ません。 ● ご購入のお申込みの際は最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判 断ください。 ● 投資信託は値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替変動リスクを伴います。)に投資しますので基準価 額は変動します。したがって、投資元本や利回りが保証されるものではありません。ファンドの運用による損益 は全て投資者の皆様に帰属します。 ● 投資信託は預貯金や保険契約とは異なり預金保険機構および保険契約者保護機構等の保護の対象ではあり ません。また、証券会社以外でご購入いただいた場合は、投資者保護基金の保護の対象ではありません。 ● 当資料は信頼できると判断した各種情報等に基づき作成していますが、その正確性、完全性を保証するもので はありません。また、今後予告なく変更される場合があります。 ● 当資料中の図表、数値、その他データについては、過去のデータに基づき作成したものであり、将来の成果を示 唆あるいは保証するものではありません。 ● 当資料で使用している各指数に関する著作権等の知的財産権、その他の一切の権利はそれぞれの指数の開 発元もしくは公表元に帰属します。 当資料は、レッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社の情報を基に三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したもので あり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。 3/3
© Copyright 2024 ExpyDoc