(FOMC)、 声明文を一部変更も

米連邦公開市場委員会(FOMC)、
声明文を一部変更も、先行き見通しは慎重なスタンスに
情報提供資料
2015 年 3 月 19 日
 声明文で「利上げが開始できる状態になるまで忍耐強く待つ」の一文が削除されたものの、先
行きの金利見通しが従来よりも低下したことなどから早期利上げ観測が後退
 幅広な情報(データ)に基づき金融政策を決定するとのスタンスは不変
◆声明文の内容と市場の反応
図①
米連邦公開市場委員会(FOMC:3月17日~18日開催、現
地時間)が開催され、声明文が発表されました。
(%)
4.0
3.5
今回のFOMCにおいては、米連邦準備制度理事会(FRB)が
回復が続く米景気・雇用動向を踏まえ、前回の声明文に見られ
た「FOMCは利上げが開始できる状態になるまで忍耐強く待
つ」との一文が削除され、代わって「①4月のFOMCでの利
上げの可能性は小さい、②6月以降は、雇用、物価のデータ次
第で、どの会合でも利上げが起こり得る、③今回の時間軸政策
(フォワードガイダンス)変更はFOMCが利上げ開始時期に
関して何らかの決定をしたことを示すものではない」という主
旨の表現が盛り込まれました。ここもと、雇用改善が定着しつ
つあることから、利上げ開始はインフレの改善待ち(=鈍化基
調にあるコア個人消費支出デフレーター(コアPCED)上昇
率の底入れ待ち)のステージに入った格好です。
3.0
なお、FOMCの付属資料では、FRBメンバー・地区連銀総
裁の長期的な失業率の水準に対する見方が前回(昨年12月)の
5.2~5.5%から今回は5.0~5.2%へ低下し、残存する労働市
場の「たるみ」が想定より大きいことが示されたほか、悪天候
や西海岸の港湾スト、原油価格の低下など想定外の要因を踏ま
え、今年10-12月期の実質GDP成長率見通しは前回の前年比
+2.6~3.0%から今回は同+2.3~2.7%へ、インフレ指標で
あるコアPCED上昇率見通しは前回の前年比+1.5~1.8%
から同+1.3~1.4%へ引き下げられました。こうした中、将来
のFFレートの水準(レンジ)についても、回答者の予想の中
央値は低下しています(図①参照)。
この結果、株式市場は政策金利の引上げペースは従来の想定よ
り 緩 や か に な る と 解 釈 し 、 昨 日 の ダ ウ 工 業 株 30 種 平 均 は
18,076.19ドルと前日比227.11ドル(1.3%)上昇しました。
また米10年国債利回りは低下、米ドルは対円、対ユーロともに
下落しました。
FOMCメンバーによるFF金利見通し
2014年12月
時点予測
2.5
2.0
1.5
2015年3月
時点予測
1.0
0.5
0.0
2015年末
2016年末
※FF金利とは、FRBが短期金融市場を操作する目的で
調整する政策金利のこと。金利の変更はFOMCで決定
される。
※FF金利見通しはFOMCメンバーの予測中央値。
図② NYダウ工業株30種平均の推移
(2015年1月30日~3月18日)
(米ドル)
18,600
18,200
17,800
17,400
17,000
1/30
(%)
2/13
3/2
3/16
(月/日)
図③ 米国10年国債利回りの推移
(2015年1月30日~3月18日)
2.3
2.1
1.9
1.7
1.5
1/30
2/13
出所:ブルームバーグおよびFRBが提供するデータを基にみずほ投信投資顧問が作成。
※上記は、将来におけるFF金利を保証するものではありません。また、将来におけるNYダウ工業株30種平均および
米国10年国債利回りを示唆、保証するものではありません。
※最終ページの「本資料のご利用にあたっての注意事項等」をご覧ください。
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2017年末
3/2
3/16
(月/日)
今回の発表を受け、本年6月にも利上げが開始されるとの見方
は後退したと思われます。弊社では、個々の文言に過度に反応
すべきではなく、今回の声明文では全体としてみて、①労働市
場の状況やインフレ圧力、インフレ期待などを示す諸指標と、
②金融市場の動向といった幅広な情報(データ)に依存し、
FOMCが金融政策を決定するとの方針に変更がないことが示
されたと考えており、今年の9月に利上げがあるとの見方を引
き続き維持します。
(2015年3月19日 午前11時執筆)
(円)
図④ 為替相場の推移
(2015年1月30日~3月18日)
(米ドル:逆目盛り)
122
1.04
米ドル高
120
1.08
米ドル安
118
116
1/30
1.12
2/13
3/2
3/16
1.16
(月/日)
米ドル/円:左軸
ユーロ/米ドル:右軸
出所:ブルームバーグが提供するデータを基にみずほ投信
投資顧問が作成。
※上記は、将来における為替相場の推移を示唆、保証する
ものではありません。
※最終ページの「本資料のご利用にあたっての注意事項等」をご覧ください。
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