情報提供資料 物価連動国債の足元の動向と今後の見通しについて 2014年12月26日 足元の物価連動国債は、原油価格の大幅な下落等を受けて期待インフレ率が低下したことから下落。 原油価格の低迷が当面の間続くとみられることから、短期的には不透明な状態が続く見込み。しかし、 中長期的には、①原油価格の下落は日本経済にプラスの影響を与える可能性が高いこと、②政府・日 銀が一体となり、デフレ脱却に向けた力強い姿勢を示していること等により、底堅く推移すると予想。 物価連動国債の推移 1. ⾜元の物価連動国債の動向 110 (2012年11月30日~2014年12月25日:日次) 11月下旬以降、物価連動国債が下落しています。主 な要因としては、原油価格が大幅に下落し、期待インフ 108 レ率が大きく低下したことが挙げられます。 106 2012年12月の安倍政権誕生後、政府・日銀が一体 104 となり、デフレ脱却に向けた力強い姿勢を示しているこ 102 とや、2014年4月の5%から8%への消費税率の引上げ 100 等により、物価連動国債は堅調に推移しました。また、 2014年10月末に日銀が追加金融緩和を実施し、2%の 98 12/11 *NOMURA 物価連動国債インデックスを使用し、 2012年11月末=100として指数化。 13/5 13/11 14/5 インフレ目標達成(消費増税の影響を除くベース)に向 けた強い姿勢が改めて示されたことも期待インフレ率の 上昇に寄与し、物価連動国債の価格は高水準を維持しま した。 し か し な が ら そ の 後 は 、 11 月 中 旬 に 発 表 さ れ た 2014年7-9月期の実質GDP成長率が落ち込み、2015 (%) 1.6 14/11 (年/月) 期待インフレ率の推移 (2013年10月9日~2014年12月25日:日次) 1.4 1.2 年10月に予定されていた消費税率の8%から10%への 引上げが延期されたことや、11月27日に開催された石 油輸出国機構(OPEC)の総会で、原油の減産を合意で 1.0 0.8 きなかったこと等を受けて原油価格が大幅に下落したこ と等から、期待インフレ率が大きく低下し、物価連動国 *10年国債(330回債)と物価連動国債 (17回債)の利回り差。 0.6 13/10/9 14/2/9 14/6/9 債は下落しました。 14/10/9 (年/月/日) WTI原油先物価格の推移 (2012年11月30日~2014年12月24日:日次) (米ドル/バレル) 120 110 出所:ブルームバーグ等が提供するデータを基にみずほ投信投資顧問が作成。 ※右記グラフは、将来における物価連動国債および期待インフレ率、WTI原 油先物価格の推移を示唆、保証するものではありません。 ※NOMURA 物価連動国債インデックスは、野村證券株式会社が公表してい る指数で、その知的財産権は野村證券株式会社に帰属します。なお、野村 證券株式会社は、NOMURA 物価連動国債インデックスの正確性、完全性、 有用性を保証するものではなく、NOMURA 物価連動国債インデックスを 用いて行われる、みずほ投信投資顧問株式会社の事業活動・サービスに関 し一切責任を負いません。 ■最終ページの「本資料のご利用にあたっての注意事項等」をご覧ください。 100 90 80 70 60 50 12/11 13/5 13/11 14/5 14/11 (年/月) 1/3 全国消費者物価指数 (⽣鮮⾷品を除く総合指数)の推移 2. 物価連動国債を取り巻く環境について (1)インフレ見通し - 全国消費者物価指数の動向 - 2014年11月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総 合指数、以下コアCPI)は、前年同月比+2.7%、消費税増 税の影響を除くベースでは+0.7%と、前月から0.2%の低 下となりました。原油価格の下落に加えて、2014年4月の 消費税引上げ後の景気の落ち込みが物価にマイナスの影響を 与えていると考えられます。 原油価格については、①世界経済の減速により需要の減少 が見込まれること、②OPEC総会で供給過剰を緩和するため の措置が見送られたこと等により、低調な推移の継続が見込 まれます。原油価格の下落は、コアCPIのエネルギー価格 (ガソリン、灯油など)の押し下げに寄与するため、当面の 間インフレ率の押し下げ圧力が継続すると予想します。 しかし、中長期的にみると、原油価格の下落は、資源を輸 入に頼る日本にとっては、交易条件の改善や家計の購買力の 向上を通じて、景気の押し上げ要因となり、実体経済やマク ロの需給バランスの改善に寄与すると考えられます。そのた め、物価に対してもプラスの影響を与えると見込みます。 (2)日銀の動向 日銀は、10月31日の金融政策決定会合で、量的・質的金 融緩和の拡大を決定しました。目先は、追加緩和の効果を見 極める展開になると予想しますが、今後の状況次第では、さ らなる金融緩和の可能性も想定されます。今後も、インフレ 目標達成に向けた日銀の力強い姿勢が継続するため、インフ レ見通しにプラス寄与すると考えます。 (3)消費税率の引上げ延期について 4 (2009年11月~2014年11月:月次) (前年同月比、%) 3 2 1 0 ▲1 ▲2 ▲3 09/11 10/11 11/11 12/11 13/11 14/11 (年/月) 出所:ブルームバーグが提供するデータを基にみずほ投信投 資顧問が作成。 ※上記グラフは、将来における全国消費者物価指数(生鮮食 品を除く総合指数)の推移を示唆、保証するものではあり ません。 《ご参考》物価連動国債の主な価格変動要因 主な変動要因 物価連動国債の価格 既に起こった 物価の変動 (消費者物価指数) 上昇 上昇要因 下落 下落要因 将来予想される 物価の変動 (期待インフレ率) 上昇 上昇要因 低下 下落要因 上昇 下落要因 低下 上昇要因 金利の変動 ※上記のほか、市場における需給関係なども物価連動国債の 価格変動に影響を及ぼします。 安倍首相は、2015年10月に予定されていた8%から10%への消費税率の引上げを1年半延期し、2017年4月 から実施することを決定しました。目先のコアCPIの上昇につながることはなくなりましたが、消費増税の延期に より、消費者や企業の景況感が改善し、消費にプラスに寄与することが期待できます。また、消費税率の引上げに 向け、インフレ期待が高まることが見込まれます。 (4)需給環境 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、2014年4月から物価連動国債への投資を開始しました。報道 ベースでは、年間4,000億円程度買い入れる予定となっており、2015年以降も継続した購入が期待されます。物 価連動国債の市場規模は現時点で3.2兆円程度(発行額から財務省の買入れおよび日銀の保有分を除く)であり、 GPIFの継続的な買いは需要を支える要因になると見込まれます。 3. 物価連動国債の今後の⾒通しについて 足元では、原油価格と期待インフレ率の連動性が高まっていることから、原油価格の動向に振らされる展開が続 くと見込みます。原油価格の低迷が当面の間続くとみられるため、短期的には不透明な状態が続くと予想します。 しかしながら、中長期的には、①日本にとって原油価格の下落は、交易条件の改善等を通じて、マクロ経済にプ ラスの影響を与える可能性が高いこと、②12月の衆議院議員総選挙の結果、安倍首相の政策が信認されたことに より、政府・日銀が一体となったより強力なデフレ脱却に向けた政策が期待できること等から、底堅く推移すると 予想します。 ■最終ページの「本資料のご利用にあたっての注意事項等」をご覧ください。 2/3 [投資信託のお申込みに際しての一般的な留意事項] ● 投資信託に係るリスクについて 投資信託は、主として国内外の株式、公社債および不動産投資信託証券(リート)などの値動きのある証券等(外貨建 資産に投資する場合には為替変動リスクもあります。)に投資しますので、ファンドの基準価額は変動します。した がって、投資者の皆さまの投資元金は保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元金 を大きく割り込むことがあります。ファンドの運用による損益はすべて投資者の皆さまに帰属します。また、投資信 託は預貯金と異なります。 投資信託は、個別の投資信託ごとに投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることから、リ スクの内容や性質が異なりますので、お申込みの際は投資信託説明書(交付目論見書)を必ずお読みください。 ● 投資信託に係る費用について みずほ投信投資顧問株式会社が運用する投資信託については、ご投資いただくお客さまに以下の費用をご負担いただ きます。 ■直接ご負担いただく費用 購入時手数料 : 上限3.78%(税抜3.50%) 換金時手数料 : 換金の価額の水準等により変動する場合があるため、あらかじめ上限の料率等を示すこと ができません。 信託財産留保額 : 上限 0.5% ■投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用 運用管理費用(信託報酬)※ :上限 年2.16%(税抜2.00%) ※上記は基本的な料率の状況を示したものであり、成功報酬制を採用するファンドについては、成功報酬額 の加算によってご負担いただく費用が上記の上限を超過する場合があります。成功報酬額は基準価額の水 準等により変動するため、あらかじめ上限の額等を示すことができません。 ■その他の費用 上記以外に保有期間等に応じてご負担いただく費用があります。投資信託説明書(交付目論見書)等でご確認 ください。 ● 投資信託は、預金商品、保険商品ではなく、預金保険、保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。登録金 融機関が取り扱う投資信託は、投資者保護基金の対象ではありません。投資信託の設定・運用は、投資信託委託会 社が行います。 《ご注意》 上記に記載しているリスクや費用の項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につ きましては、みずほ投信投資顧問株式会社が運用するすべての公募投資信託のうち、ご負担いただくそれぞれの費用 における最高の料率を記載しております。 投資信託をお申込みの際は、販売会社から投資信託説明書(交付目論見書)をあらかじめ、または同時にお渡しい たしますので、必ずお受け取りになり、投資信託説明書(交付目論見書)の内容をよくお読みいただきご確認のうえ、 お客さまご自身が投資に関してご判断ください。 みずほ投信投資顧問株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第398号 加入協会/一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会 【本資料のご利用にあたっての注意事項等】 本資料は、みずほ投信投資顧問(以下、当社といいます。)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであ り、投資勧誘を目的に作成されたものではありません。本資料は法令に基づく開示書類ではありません。本資料の作成に あたり、当社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありま せん。本資料に記載した当社の見通し、予測、予想、意見等(以下、見通し等)は、本資料の作成日現在のものであり、 今後予告なしに変更されることがあります。また、本資料に記載した当社の見通し等は、将来の景気や株価等の動きを保 証するものではありません。 ■最終ページの「本資料のご利用にあたっての注意事項等」をご覧ください。 3/3
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