New!『東アジア・ニュースレター』 2015 年 4 月 17 日号 ――東アジアのビジネスに関心のある方のための情報誌―― (毎週金曜日配信 計 4 回総集編) 執筆:前田高昭 (国際金融ジャーナリス) 中国政府が預金保険制度の導入を発表した。これによ って企業と個人の銀行預金は 50 万元まで保護される ことになった。実施は 5 月 1 日。預金金利の自由化や 資本取引開放への布石とされているが、金利自由化の タイミングは慎重に探るとみられている。 前号で取り上げた中国主導で設立手続きが進むアジア インフラ投資銀行(AIIB)について、その後の主要メデ ィアの見方をいくつか紹介した。中国の立場を擁護す る論調も登場している。 台湾も AIIB に創設メンバーとして参加することを表 明した。出資額は 2 億ドル程度とされ、どのような名 称で参加するかが注目されていたが、中国政府は創設メンバーとしての参加を拒否する方針 を決定し、台湾は新規まき直しに迫られている。 韓国経済が難局に直面している。3 月に輸出が過去 2 年間で最大となる落ち込みを示し、イ ンフレも 16 年ぶりの低水準を記録、韓国銀行(中銀)は今年の経済成長率見通しを 3.4%から 3.1%に下方修正し、消費者物価上昇率見通しも 1.9%から 0.9%に引き下げた。政策当局は追加 的刺激策の圧力にさらされている。 北朝鮮の無秩序な崩壊は悪夢ともいえる出来事になると論じる警告が登場した。朝鮮半島の 冷戦はベルリンの壁の崩壊と同様、ある日突然予測しがたい形で溶け出す可能性があると警 告。イランの核計画に関連し、イランと西側主要国との間でこのほど成立した枠組み合意に 触れ、未だ核兵器を開発していないイランに対し、国際的外交努力を集中しながら、北朝鮮 の脅威に対して払われている外交努力はまことに少ないと批判する。 東南アジアではタイの軍事政権が戒厳令解除を発表した。しかし、同時に戒厳令を上回る強 権を規定した暫定憲法の条項の発動を宣言した。タイの政情は、これに代わる政権の登場が まったく期待できないまま軍政強化へと走っている。 インドでは 2008 年の世界的金融危機以後、沈滞していた PE(プライベート・エクィティ)業 界がようやく回復してきた。背景に原油安とそれに伴う経常赤字の縮小および株式市場の活 況がある。株式市場の回復により PE 業界の活性化に必要な新規株式公開(IPO)が息を吹き返 したためである。PE 業界の復活により、医療や不動産などの関連産業の成長発展が期待され る。 ● 無料購読申込みは以下アドレスより https://www.babel.co.jp/osaka/east_asia.html 東アジア・ニュースレターは、大阪 Trans Media Center (翻訳・ドキュメンテーション サ ービス ― 多言語翻訳 / リーガル・特許翻訳を専門)が発行しております。 ● 翻訳のご用命は以下へ http://www.babel.co.jp/osaka/
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