【経済学史・社会思想史】 鳴子 博子

【経済学史・社会思想史】 鳴子 博子
演習テーマ : 社会思想史から現代社会の諸問題を考える
<活動内容>
テキストを正確に読解すること、報告、司会、質疑応答、討論することを学びます。ゼミ活動を続ける中で、グループ
で追究したい問題や個人で学びたいテーマを見つけてもらいます。グループ研究は学内プレゼン大会へ向けた学びに
なり、個人研究は演習論文の完成に向かう学びとなります。
2年次の演習1では、『エミール』(上)を読みます。一人では読み通すことが簡単ではないテキストを一緒に読み進
め、内容をよりよく理解することに努めます。J・J・ルソーの主著『エミール』は、教育、経済、宗教、政治などを包摂する
体系的な書です。同書から思考の軸を得て、現代の私たちの抱えるさまざまな問題を考える手がかりをつかみ取って
ほしいと思います。
3年次の演習2は、ゼミ生がどのような領域、問題を学びたいと思うようになったかによって、テキスト選択が変わり
ます。格差や貧困の問題に関心をもつ人が多ければ、ルソーの『人間不平等起原論』を読むかもしれませんし、公正や
社会正義について考えたい人が多ければ、『社会契約論』を選択するかもしれません。教育や宗教、ジェンダーの問題
を考えたい場合は、『エミール』(中)(下)を読み進めるかもしれません。いずれにしても皆さんと相談して決定します。
ところで、ルソーの著作を一冊全部読んだことのある人は少ないと思います。実際に著作を読んでゆくと、社会契約
論者、人民主権論の提唱者といった決まり文句では捉えきれない不思議なエネルギーに満ちた思想に出合うことがで
きるでしょう。ルソーは、今から約 300 年前のジュネーヴ共和国に生まれ、早くから故国を離れ、一生のほとんどを異邦
人として生きた啓蒙の「異端者」です。近代の入口に立って、一人の思想家がどのような問題に直面し、いかなる社会
を切り開こうと格闘したのか理解を深めてゆきたいと思います。演習2では、秋の学内プレゼン大会に向けての準備や
年度中に完成させるゼミ論の執筆、ゼミ論集の作成にも力を入れます。
4年次の演習論文では、3年次に書いたゼミ論を土台に、各自がさらに論文の内容を拡充させます。中間発表などを
通してゼミ生同士が切磋琢磨して、演習論文を完成させます。
<ゼミ紹介>
2014 年度は、夏合宿(石和)、春合宿(鬼怒川)を実施し、秋の学内プレゼン大会にも参加しました。現在、全員が男
子です。女子の皆さんの入ゼミを歓迎します。