Today’s Headline ご参考資料 ご参考資料 “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン アジア 2015年3月2日 中国利下げの背景と今後の見所 中国の国会に当たる全国人民代表大会(全人代)のわずか5日前に中国人民銀行が政策金利を引き下げたタイミン グはややサプライズとして受け止められていますが、利下げの背景と見られる要因にも注目すべきと思われます。 中国政策金利引き下げ:3ヵ月間で2回目の 利下げで一段の金融緩和へ 中国人民銀行(中央銀行)は2015年2月28日に政策金利で ある貸出基準金利(1年物)を5.6%から0.25%引き下げ5.35%に、 また預金基準金利(1年物)を0.25%引き下げて2.5%にすると 発表しました。実施は3月1日となります(図表1参照)。また、 これまで基準金利の1.2倍としていた預金金利の上限を1.3 倍に引き上げました。 人民銀は2014年11月に約2年4ヵ月ぶりの利下げを実施しま した。また、2015年2 月4日には、幅広い金融機関を対象に した預金準備率の引き下げを発表、今回の利下げはそれら に続く動きで、人民銀は世界の他の中央銀行と同様に金融 緩和を推進する傾向となっています。 どこに注目すべきか 中国政策金利、上海銀行間金利、実質金利 中国の国会に当たる全国人民代表大会(全人代)のわずか5 日前のタイミングで人民銀が政策金利を引き下げたことがサ プライズとして受け止められていますが、利下げの背景と見 られる次の要因にも注目すべきと思われます。 まず、2014年11月の利下げやその後の預金準備率の引き下 げなど一連の緩和策が浸透していない点です。例えば、上海 銀行間金利はじり高となっています(図表1参照)。また、利下 げの恩恵が期待されていた不動産市場の回復が鈍いのは、 最近の当局の緩和策にもかかわらず、金融機関が住宅ロー ン金利の引き下げなどに消極的という見方もあります。 次に、実質金利(名目金利から(期待)インフレ率を差し引い たもの)が割高となっている点です(図表2参照)。中国の実質 金利を振り返ると、金融危機前後に変動が高まった時期を除 けば、足元の水準は高く、景気への下押し圧力となる懸念が あります(図表2参照)。 今後の展開ですが、今回の利下げだけでは効果は不十分と 見ており再度の利下げの可能性が高いと見ています。 ピクテ投信投資顧問株式会社 なお、補足的に、プラス面を2つ加えると、1つ目は市中銀行 が設定できる預金金利の上限基準金利を引き上げたことで、 金利自由化へさらに踏み込んだ点です。2つ目は市場も追加 利下げを期待していると見られることから、人民元安が進行し たことです。資本流出に注意は必要ですが、先進国の回復を 加えて輸出が下支えされる可能性もあると見ています。 図表1:中国の政策金利と銀行間金利の推移 (日次、期間:2014年2月28日~2015年3月2日) 6 % 5 上海銀行間金利1週間(左軸) 貸出基準金利(1年物、右軸) 主要政策金利 4 銀行間金利 上海銀行間金利 14年5月 6.25 6.00 2014年11月 0.4%の利下げ 3 2 14年2月 % 14年8月 5.75 2015年2月 預金準備率引 き下げ 14年11月 5.50 5.25 15年2月 図表2:中国実質金利と製造業PMIの推移 (月次、期間:2005年2月~2015年2月) 実質金利(左軸、逆メモリ) -2 60 % 中国 製造業PMI(右軸) -1 0 景気指標は鈍 55 い動き 1 2 50 3 4 45 5 6 金融危機(2008年) 40 7 前後に実質金利 逆メモリのため下に向かう 8 の変動高まる ほど実質金利が高い 9 35 05年2月 07年2月 09年2月 11年2月 13年2月 15年2月 ※実質金利:貸出基準金利-消費者物価指数(前年同月比)を使用 ※PMI:製造業購買担当者景気指数(50が景気拡大、縮小の目安) 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的と したものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用に よる損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆 あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、 その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、 作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本およ び利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構 の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりませ ん。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するも のではありません。
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