2つの金利? 金利にも“表向きの金利”と “実質的な金利”

2016年4月28日
Vol.87
金利
2つの金利?
金利にも“表向きの金利”と
“実質的な金利”がある!?
為替レートの動きを見る際、比較対象となる2国間の金利差が注目されます。
金利には、一般的に目にする金利「名目金利」と、物価変動を考慮した「実質金
利」があります。この「実質金利」が、為替レートを左右する要因のひとつです。
そこで今回は、「実質金利」と為替レートの関係を押さえていただきたいと思います。
「実質金利」を意識して、
為替レートの動きを見てみよう!
□当資料は、日興アセットマネジメントが投資信託の仕組みについてお伝えすることなどを目的として作成した資料であり、特定ファンドの勧誘資料ではありません。
また、当資料に掲載する内容は、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点のものであり、将来の
市場環境の変動等を保証するものではありません。□投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基
準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信
託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
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例えば、金利5%で100万円預けたとしましょう。するとそのお金は、1年後には105万円になり
ます。このように目に見える金利のことを、「名目金利」といいます。
同じ時期に、物価上昇率が年間2%だったとします。この場合、これまで100万円で買えた物
が、1年後には102万円払わないと買えなくなります。
このように、金利5%、物価上昇率2%という環境の場合、1年間に得られた金利は、3%と計
算されます。この3%を「実質金利」*1 といいます。
金利が高い国・地域には、世界各国からお金が集まる傾向にありますが、その際「名目金利」
ではなく、「実質金利」が重要な指標となります。つまり「実質金利」は、為替レートの変動要因
になるのです。
< *1 実質金利の計算方法 >
「 実質金利 」 = 「 名目金利 」 - 「 物価上昇率 」
(3%)
(5%)
(2%)
「名目金利」よりも物価上昇率が上回っていると、「実質金利」はマイナスになります。また、物
価上昇率がマイナス、いわゆる“デフレ”の場合には、「実質金利」が「名目金利」を上回ります。
かつて日本がデフレだった時には、「名目金利」が諸外国より低いにもかかわらず、「実質金
利」が高かったことから“円高”になったことがありました。
「実質金利」の計算に使われる物価上昇率は、“将来の物価(期待インフレ率)”であることも
ポイントです。将来の物価が上昇する(インフレ)と想定されるなら、「名目金利」が変わらなけ
れば「実質金利」は下がります。逆に、将来の物価が低下する(デフレ)と想定されるなら、「実
質金利」は上がります。一方、「名目金利」を変動させるため、各国は「政策金利」*2 を操作す
ることがあります。
日本は、今年1月にマイナス金利政策の導入を決め、またこれまでの量的質的金融緩和によ
り将来の物価上昇に働きかけているため「実質金利」の低下が想定され、米国では、利上げに
よって「実質金利」の上昇が想定されることにより、相対的に円安ドル高が期待されます。
為替レートの動きは、金利と物価のバランスがポイントのひとつになりそうです。
*2 政策金利:各国の中央銀行が金融政策によって上下させる金利。
□当資料は、日興アセットマネジメントが投資信託の仕組みについてお伝えすることなどを目的として作成した資料であり、特定ファンドの勧誘資料ではありません。
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