名目金利は低下しているが、実質金利は上昇している。

金融市場 ~マクロ班~
Kaneko.A
Yamamoto.M
Watanabe.K
Shirataki.H
希望=期待インフレの上昇
目標=デフレ脱却
デフレは企業の収益悪化を招き、設備投資の
減少、失業率の増加を引き起こしている。そ
のため、家計では消費の減少が進み、企業
の経営悪化と悪循環になっている。
物価下落がさらなる下落を引き起こしているた
め、デフレの脱却が不可欠であると考えた。
日本経済の現状
チャート
実質金利の上昇
人々のデフレ期待
投資の減少
デフレ
GDP(Y)の減少
-1
-2
年度
0
99
98
97
96
95
94
93
92
91
90
89
88
87
86
85
年
度
GDP成長率
実質国内総生産前年比
7
6
5
4
3
2
1
0
物価の下落
出所:内閣府・総務省
物価の下落とGDP成長率の減少が相関して起こっている。
実質長期金利
12
10
8
6
実質長期金利と設備投資の間に
関係が見られる。
4
2
00年
97年
94年
91年
88年
85年
0
実質長期金利
設備投資(実質)
20
15
10
5
01年
00年
99年
98年
97年
96年
95年
94年
93年
92年
91年
90年
89年
88年
87年
-5
86年
0
85年
実質金利上昇→投資減少
-10
-15
設備投資(実質)
期待インフレ率と卸物価指数
期待インフレ率と消費者物価指数
デフレ期待が強まっている
名目金利は低下しているが、実質金
利は上昇している。
フィッシャー方程式
実質金利=名目金利-期待インフレ率
上昇
低下
低下
現在短期金利は0%に近い水準であるが、期待イ
ンフレ率がマイナスとなっているので、実質金利
は上昇してしまっている。
企業が投資をする際の判断基準は実質長期金
利
期待インフレ率を上昇させ、実質長期金利を低
下させる必要がある。
金融政策の波及経路
★量的政策
マネタリーベース
マネーサプライ
★金利政策
短期金利
長期金利
債券・株・対外資産
実体経済
★量的政策
ベースマネー
↓
マネーサプライ
↓
債券・株・対外資産
↓
実体経済
信用乗数
過程
ポートフォリオ
調整
量的緩和政策の狙い
• 大量の流動性供給→金利の低下→取引需
要の増加→マネーサプライ増加→景気回復
IS-LM分析(定義)
• IS曲線(財市場):Y=C(Y-T)+I(r)+G
• LM曲線(貨幣市場):M/P=L(Y,r)
• Y:国民所得、C:消費、T:税金、I:投資、
r:利子率、M:名目マネーサプライ、P:物価、
L:流動性選好、E:均衡点
• YF:完全雇用国民所得
IS-LM分析
r
LM
E0
r0
IS
0
Y0
Y
IS-LM分析
r
LM
L’M’
E0
r0
E1
r’
IS
0
Y0
Y’
Y
日銀当座預金 資料日本銀行
800000
700000
600000
500000
400000
日銀当座預金
300000
200000
100000
0
1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003
コールレート
資料日本銀行
0.5
0.45
0.4
0.35
0.3
0.25
0.2
0.15
0.1
0.05
0
コールレート
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
マネタリーベースとM2+CDの動
き
30
25
20
マネタリーベース伸
び率
マネーサプライ伸び
率
15
10
5
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
0
マネーサプライの伸び悩み要因
・企業の過剰債務圧縮
• キャッシュフロー重視経営への転換
• 銀行の自己資本減少に伴う貸し出しの減少
銀行貸出推移
単位億円 資料日本銀行
550000
500000
450000
国内銀行貸出
400000
350000
300000
1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002
設備投資推移
資料財務省
M2+CDと郵便貯金、信託等の推移 資料日本銀行
800000
700000
600000
500000
M2+CD
郵便貯金、信託
400000
300000
200000
100000
0
1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002
★金利政策
短期金利
↓
長期金利
↓
実体経済
期待理論
金利感応的
実物需要
イールドカーブ(金利の期間構造)
1.単純期待仮説
長期金利は将来の短期金利の平均値
2.流動性プレミアム仮説
長期金利>短期金利
3.市場分断仮説
各期間ごとに資金需要がある
金利の決まり方 (推計期間:1991~2001年)
決定係数
0.01
(t=1.6)
期待
インフレ
0.06
(t=1.8)
0.5
(t=8.6)
0.02
(t=3.4)
0.25
(t=.4.6)
0.94
0.3
(t=5.3)
0.03
(t=4.6)
0.36
(t=6.8)
0.93
短期金利
景気
2年金利
0.71
(t=18.8)
5年金利
10年金利
0.98
UFJキャピタルマーケッツ証券
マーケット千里眼2001.10参照
最近の動向
イールドカーブ
将来への不確実性の高まり
金
利
リスクプレミアの増大
長期金利の上昇
期間
03年6~7
月
よって
金融政策(量的政策・金利政策)
ともに効果は限定的になっている
インフレターゲット政策
流動性需要
• 財、資産、証券の取引にはコストがかかる
• 取引コスト=情報収集、取引契約、リスク負
担の費用
• 人々は取引コストをできるだけ小さくしようと
考える
• 取引コストが低い資産:流動性資産
• 流動性資産に対する需要:流動性需要
合理的で長期、短期の対応
• 長期の対応:市場取引を迂回することによ
り、取引コストの削減を図る
• 短期の対応:いったん保有してしまうと潜在的に取引コ
ストがかかってしまう金融資産への投資を控え、取引コスト
のかからない資産保有
流動性需要と不確実性
• 将来への不確実性の影響
物価↓(実質貨幣価値↑)→流動性需要↑
設備投資↓(取引コスト高)
株式・社債↓→国債↑(金利↓)→貨幣
需要↑
不確実性の解消→インフレターゲティング
日銀ホームページ
H14.6.20
H13.8.20
7
H12.10.20
8
H11.12.20
9
H11.2.22
H10.4.20
H9.6.20
10000
H8.8.20
2
1
H7.10.20
15000
H6.12.20
3
H6.2.21
20000
H5.4.20
月別終値
H4.6.22
30000
H3.8.20
月別終値
H2.10.22
25000
%
40000
発行日
H11.6.1
35000
H10.6.1
H9.6.1
H8.6.1
45000
H1.12.20
年月
H7.6.1
H6.6.1
H5.6.1
H4.6.1
H3.6.1
H2.6.1
H1.6.1
S63.6.1
円
金利と株
長期国債(10年) 表面利率 (%)
10年もの表面利率 (%)
2年もの表面利率 (%)
6
5
4
0
インフレターゲティング
• 中央銀行が政策目標として特定の物価上昇
率を設定すること
• 金融政策の透明性と説得性が高まり、市場
は長期的な経済計画を立てやすくなる
• デフレ期待の払拭=インフレ期待抱く
• 市場が合理的に期待を抱くほど有効
• 不確実性の解消
インフレターゲティングと経済影響
• インフレターゲティング→不確実性の解消→
貨幣需要上昇止まる→物価上昇期待→取引
コスト↑→貨幣需要↓(株価・国債価格↑)→投
資資金↑→投資↑→国民所得↑
• インフレターゲティング→金融政策(量的緩
和)→物価↑→実質利子率↓→投資資金↑→
投資↑→国民所得↑
IS-LM分析(定義)
• IS曲線(財市場):Y=C(Y-T)+I(r)+G
• LM曲線(貨幣市場):M/P=L(Y,r)
• Y:国民所得、C:消費、T:税金、I:投資、
r:利子率、M:名目マネーサプライ、P:物価、
L:流動性選好、E:均衡点
• YF:完全雇用国民所得
フィッシャー方程式
実質金利=名目金利-期待インフレ率
上昇
低下
低下
現在短期金利は0%に近い水準であるが、期待イ
ンフレ率がマイナスとなっているので、実質金利
は上昇してしまっている。
フィッシャー効果
フィッシャー効果とは
人々がインフレ期待を持つと、名目金利がイン
フレ期待を反映して上昇すること。
実質金利は変化しない?
しかし完全雇用の状態にのみおこる
インフレ期待上昇によりデフレ脱却
チャート
実質金利の低下
インフレ期待の上昇
投資の増加
物価上昇
GDP(Y)の上昇
終