2015 年度 慶應義塾大学 商学部 (日本史) 全体概況 試験時間 60 分 大問数・解答数 難易度の変化(対昨年) 大問数:3題 ● 難化 ○ やや難化 解答数:77 問 ○ 変化なし 問題の分量(対昨年) ○ 多い ● 変化なし 出題分野の変化 ● あり ○ なし 出題形式の変化 ● あり ○ なし 新傾向の問題 ○ あり ● なし ○ やや易化 ○ 易化 ○ 少ない 総評 本学部の問題は、文・経済学部のような本格的な論述問題がなく、出題形式が同じといってよい法学部 と比べて難しく細かい用語の出題が少なく、確実な受験学習が高得点に結びつくという意味での「良問」 がそろっているのが、昨年までの大きな特徴であった。しかし、今年度の第Ⅱ問は、用語面で相当に難し くなった。語群選択でも解答不可能なレベルの難問が多く、受験学習が報われるような出題であったとは とても言えない。そのため、戸惑った受験生が相当数いたことが予想される。次年度以降もこのような出 題が続くとは思えないし、そう願いたい。第Ⅰ問、第Ⅲ問が昨年までのレベルを引き継ぐ良問であったた め、第Ⅱ問の難化が目立った。 そのような中、出題形式では、昨年度は出題の無かった論述問題が予想通り復活した。また、正誤判定 問題は3問から2問となったが、いずれも5つの文章から誤りを2つ選ぶ形式となり、やや難しくなった といえる。 分野別に見ると、昨年度は第Ⅰ問で出題された本格的な文化史(テーマは宗教史であった)が、今年度 は「平賀源内」の生涯を題材とする第Ⅱ問で出題された。第Ⅰ問は政治史、第Ⅲ問は外交史が出題された。 ここ数年続いた本格的な経済史の出題は見られなかったが、商学部ということもあり、次年度に出題され ることは大いにあるので対策を怠ってはならない。 時代別にみると、昨年度は古代~近代のテーマ史、近代、戦後であったが、今年度は古代、江戸(近世 中・後期) 、近現代(戦後含む)となった。今年度は鎌倉時代の出題が無く、2年連続で室町時代~江戸前 期の出題が無かった。 このように、出題される時代や分野の偏りが年度ごとに変化することが本学部の出題の傾向の一つと言 える。しかし、語群の量の多い空所補充、用語の記述、正誤判定、論述と形式には大きな変化は見られな い。今年度は難問が多くみられたが、例年は、問われている用語レベルは基本的なものを中心にしている のが特徴である。 そこで、学習対策としては今年度の難問レベルは合否に大きくかかわる事は無いと考えて、教科書の本 文・欄外レベルの問題で取りこぼさないようにすることが最も重要である。特に本学部は用語を記述させ る問題が多いので、教科書の熟読と漢字練習や論述に備えて用語の説明など、基本をおろそかにしない学 習態度が重要である。そして最後に、戦後史の出題に備えた対策の重要性を付け加えたい。 Copyright (C) 2015 Johnan Prep School
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