2015 年度 早稲田大学 教育学部 (日本史) 全体概況 試験時間 60 分 大問数・解答数 難易度の変化(対昨年) 大問数:5題 ○ 難化 ○ やや難化 解答数:38 問 ○ 変化なし 問題の分量(対昨年) ○ 多い ● 変化なし 出題分野の変化 ○ あり ● なし 出題形式の変化 ○ あり ● なし 新傾向の問題 ○ あり ● なし ● やや易化 ○ 易化 ○ 少ない 総評 教育学部は、早稲田大学の中でも数少ない三教科同配点(英語 50 点・国語 50 点・日本史 50 点)である。 日本史の得点は大きく合否に関わってくる。難易度については、全体的に教科書レベルの標準的な問題が 多いが、必ず難問も出題される。難問は、特に「史料を用いた問題」と「近現代の問題」に集中する傾向 がある。正誤判定問題は単語の正誤ではなく、時期や内容の細かな正誤判定問題が多いので、教科書の熟 読は必須である。また、「すべて選べ」 (個数が限定されない形式)の出題があり、難度を高めている。 本年の教育学部の問題であるが、大問数5題・解答数 38 問ともに昨年と変化なし。昨年は史料が5つ(す べて未見史料)と図版が5つ使用されたことで難易度はやや難化したが、本年は史料が1つ(頻出史料) で図版は出されなかった。正解を「すべて選べ」の小問が昨年の4問から本年は7問へ増加したが、内容 としては易しい。文章の正誤判定問題は昨年 14 問から本年 13 問と大きな変化はないため、全体的な難易 度はやや易化したといえる。 時代別には、古代から戦後まで全時代にわたって出題される。ほぼ「Ⅰ.古代、Ⅱ.中世、Ⅲ.近世、 Ⅳ.近代、Ⅴ.近現代」という時代配分で踏襲されている。本年は大問Ⅴ(小問4問)がすべて戦後史で あった。例年、戦後史からの出題は小問単位で3問前後の出題である。 分野別には、政治史・社会経済史の出題が多いが、文化史からの出題も小問5問程度は覚悟したい。昨 年6月に群馬県の富岡製糸場が世界遺産に登録されたことを受けて、本年の大問Ⅱは「世界遺産」をテー マとした問題文であった。また、本年の大問Ⅴの「婦人運動」については昨年も出題されており、早稲田 大学では頻出テーマである。 形式的には、昨年の「花押」「下地中分の絵図」 「印判」 、2011 年の「荘園絵図」のように図版を引用す る問題が出されることもある。普段から図版資料を参照する学習は怠らないでほしい。また、解答形式は 小問で 10 問前後(本年は 12 問)が記述解答であり、その他は選択解答である。 学習のポイントとしては、まず、例年は未見(初見)史料が多いので、早稲田大学の他学部をはじめ、 入試問題の過去問演習で実戦力を養う必要がある。史料読解力や、設問からヒントを導き出す能力を高め る学習が必要である。さらに、文化史の学習をおろそかにしないこと。特に学問・宗教・思想には注意し たい。参考に、本年(2015 年)は小問単位で、 「浄土信仰」 「熊野詣」 「江戸時代の儒学(古文辞学派) 」、2014 年は「古代の浄土信仰」 「平安時代の国文学」 「江戸時代の文人」 、2013 年は「古代の漢詩文学」 、2012 年は 「明治時代の神道国教化政策」、2010 年は「古代の文字文化」「江戸時代の出版文化」 「原爆文学」 、2009 年 は「古代の仏教史」 、2008 年は「古代の男性と女性」 、2007 年は「啓蒙思想」 、2006 年は「東大寺の大仏」 が出題されている。 Copyright (C) 2015 Johnan Prep School
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