2015 年度 早稲田大学 法学部 (日本史) 全体概況

2015 年度 早稲田大学 法学部 (日本史) 全体概況
試験時間 60 分
大問数・解答数
難易度の変化(対昨年)
大問数:4題
○ 難化
○ やや難化
解答数:40 問
● 変化なし
問題の分量(対昨年)
○ 多い
● 変化なし
出題分野の変化
○ あり
● なし
出題形式の変化
● あり
○ なし
新傾向の問題
○ あり
● なし
○ やや易化
○ 易化
○ 少ない
総評
大問・解答数ともに昨年と変化はなかった。史料の出題は減ったが正誤判定問題が増加したため、全体
的な難易度も変化なしとした。出題分野も政治・外交の比重が高い点で変化なし。史料を多用する例年の
出題形式に対して(昨年度は大問4題中3題)
、本年は大問1題のみという変化はあったが、史料に「ある
人物の記録や日記」を使用していたのは従来通りであった。今後も例年の傾向は続くと思われるので、史
料問題の対策は不可欠である。特に未見史料の出題が多いが設問のヒントから正解できるので、史料に時
間を割けるよう時間配分を考えることも、法学部志望者にとって必要な戦略である。
文章形式の正誤判定問題が全体の半分近くを占めるのも、法学部の特徴の一つである。2008 年以降は 10
問を超えるようになり、2014 年は 13 問、本年(2015 年)は 17 問となった。記述問題も例年通り半分近く
を占め、2014 年は 18 問、2015 年は 17 問出題された。
時代別出題状況では、例年、近現代史が 50%を占め(この8年は、近代史と戦後史で大問2題)、政治・
外交史の割合が高いのが特徴である。本年(2015 年)は明治時代の政治・外交、近現代の治安・警察制度、
2014 年は景山英子が生きた時代(民権運動中心)
、エネルギーの供給(電力や原子力問題)
、2013 年は近代
の戦争や思想などの弾圧、戦後の沖縄史、2012 年は足尾銅山事件、昭和初期~戦後直後の国内情勢、2011
年は近代の民衆の騒擾、近現代の沖縄、2010 年は明治の初期外交と大正~昭和の汚職事件 が出題された。
例年、戦後史も必ず出題される(2010 年は8問、2011 年は5問、2012 年は3問、2013 年は 10 問、2014
年は8問、2015 年は5問)
。現代の時事的な政治・社会情勢などに関連するテーマも出題されるので、普
段からニュースなどに関心を持つことも含めて、戦後史の学習は手を抜かないでほしい。
法学部に限らず早稲田大学は、早稲田大学出身者や関係者を出題または切り口とすることが多い。本年
(2015 年)は法学部で坪内逍遙(早稲田大学教授)が出題された。2014 年は国際教養学部で副島種臣・フ
ルベッキ(大隈重信と副島種臣はフルベッキから英語を学んだ)を切り口にし、2013 年は法学部で、秋田
雨雀の日記、大浜信泉の『私の沖縄戦後史』を問題文に使用した(秋田雨雀は早稲田大学出身者、大浜信
泉は早稲田大学法学部出身で、早稲田大学の総長を務めた)。早稲田大学の過去問を解くと、問題文や解答
解説に早稲田の出身者であることが書かれているので、そうした情報をその都度覚えるようにするとよい。
法学部は難問も出題される。しかし、消去法をうまく利用すれば解答できるものが多いので、知らない
知識の文章や単語に戸惑わず、基本知識をきちんと確認しよう。これからの学習において、細かい知識を
覚えるよりも出題率の高い基本知識を確実に覚え理解を深めたほうが、応用力が付き正答率も高くなる。
基本知識を使って消去してみたら、結果知らない知識の文章が正解だったりするのである。むやみに用語
集などを使って、細かい単語ばかりを暗記するような作業は避けてほしい。基本知識に関する深い理解が
必要なのである。
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