2015 年度 早稲田大学 国際教養学部 (日本史) 全体概況

2015 年度 早稲田大学 国際教養学部 (日本史) 全体概況
試験時間 60 分
大問数・解答数
難易度の変化(対昨年)
大問数:4題
○ 難化
○ やや難化
解答数:40 問
○ 変化なし
問題の分量(対昨年)
○ 多い
● 変化なし
出題分野の変化
○ あり
● なし
出題形式の変化
● あり
○ なし
新傾向の問題
○ あり
● なし
● やや易化
○ 易化
○ 少ない
総評
本学の最大の特徴である英文史料の出題は「堀田江理氏の 1941 年、日本が日米開戦に踏み切った当時の
政治状況の論考」に関する内容の設問であった。出典は『Japan 1941: Countdown to Infamy』。昨年まで
の英文史料としては、2014 年は『マッカーサー・ノート(マッカーサー三原則)
』
、2013 年は W. B. Beasley
の『The Modern History of Japan』、2012 年はモースの滞在記録、2011 年はライシャワーの『The Japanese
Today』、2010 年は財閥解体、2009 年は大日本帝国憲法(『菊と刀』)
、2008 年は満州事変(リットン報告書)
、
2007 年は『マッカーサー回想録』
、2006 年はアーネスト=サトウの記録、2005 年は日米修好通商条約、2004
年は終戦直前の連合国軍の外交文書が出題されており、外交関係の史料を用いる割合が多く(外交以外も
出題あり)、近現代史からの出題が共通している。英文の内容がわからなくても、設問や選択肢から時期や
内容を把握できるものが多いので、教科書レベルの知識は確実に身につけておいてほしい。
難易度については、史料問題が例年2~4題出題されているが、今年は英文史料の1題のみであった点、
正誤判定問題において昨年出題された「すべて選べ」の設問が出題されなかった点で、やや易化したとい
える。
全体的な形式については、大問4題・小問 40 問の設問数、英文史料の出題は従来と同じであるが、時代
による例年の大問配分(Ⅰ・Ⅱで古代~近世、Ⅲ・Ⅳで近現代)において、小問での戦後史の出題が1問
のみと少なかった。
(2014 年は8問、2013 年は 10 問、2012 年は出題なし、2011 年は3問、2010 年は9問
であった。)
記述解答の小問が昨年の6問から、今年は5問となった。そのうち小問中に2つの記述があるものが1
問あるため記述解答は6つである。2013 年は4問と少なかったが、2012 年は6問、2011 年は6問、2010
年は8問、2009 年は8問であるから、今後も6問前後の出題が予想される。
文章形式の正誤判定の出題は、2011 年以降 20 問前後の出題で定着している(2009 年は7問、2010 年は
12 問であったが、以後は増加し、2011 年は 18 問、2012 年は 20 問、2013 年は 19 問、2014 年は 22 問、今
年は 20 問となっている)
。昨年は初めて「すべて選べ」の設問が2問採用された(従来は「1つ選べ」ま
たは「2つ選べ」の設問であった)が、今年は出題されなかった。
国際教養学部の日本史は、正誤判定問題の出題が約半分を占めるため、他学部の過去問などに取り組む
のが効果的な勉強法であろう。分野的には政治史・外交史・文化史の比重が高いが、難易度は教科書レベ
ルがほとんどを占めるので、偏りのない総合的な知識を定着させる学習をおこなってほしい。毎年出題さ
れる英文史料についても、英文読解よりも日本史の標準的な知識が必要となる。
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