2015 年度 慶應大学 看護医療学部 (化学) 全体概況

2015 年度
慶應大学 看護医療学部 (化学) 全体概況
試験時間
大問数・解答数
難易度の変化(対昨年)
大問数:
○ 難化
3題
○ やや難化
解答数:
● 変化なし
問題の分量(対昨年)
○ 多い
● 変化なし
出題分野の変化
○ あり
● なし
出題形式の変化
○ あり
● なし
新傾向の問題
○ あり
● なし
80 分
99 問
○ やや易化
○ 易化
○ 少ない
総評
解答数は 99 問と多いが,計算を必要とする問題は 7 問と少なく,しっかりとした知識があれば確実
に得点できる問題である。
第 1 問は「結晶の分類と性質」
,
「飽和蒸気圧」
,
「平衡移動,質量作用の法則」
,
「沸点上昇」に関する
設問で構成されている。設問 1 の選択式用語補充問題のレベルは標準的である。しかし,空欄と選択肢
の数が多く,同じ用語が入る空欄が複数の場所にあり,それらを組み合わせないと解答できないなど,
解きにくい問題である。設問 6 の黒鉛の結晶の密度から結晶の層間距離を文字式で表す問題は,受験生
にとってはやりにくいものであろう。設問 8 の飽和蒸気圧に関する問題は,受験生の実力差がはっきり
表れる典型的なものである。
第 2 問は「混合物の分離法」
,
「難溶性塩の溶解度積」に関する設問で構成されている。混合物の分離
に関する用語補充問題では,「吸着力」,
「クロマトグラフィー」など解答しにくい設問があったが,全
体としては確実に正解したい問題である。設問 3 の溶解度積を利用する問題は典型的な出題であり,
計算ミスなく解答しておきたいものである。
第 3 問は有機化合物に関する問題で構成されている。「分子式 C8H10O の芳香族化合物の構造」
,「局
所麻酔剤プロカイン塩酸塩」,
「スクロース」
,
「グルタミン酸ナトリウム」
,
「ポリ塩化ビニル」
,
「フェノ
ール樹脂」を題材とする知識問題である。プロカイン塩酸塩は題材として珍しいが,構造が与えられて
いるので解き易い問題である。スクロース分子中の不斉炭素原子の個数に関する問題は,その構造を
知らないと正解しにくいものである。また,うま味成分のグルタミン酸ナトリウムの立体構造が L 型
であることを知らない受験生も多かったであろう。
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