インドネシア、約3年ぶりに予想外の利下げを実施

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マーケットレポート
2015年2月18日作成
インドネシア、約3年ぶりに予想外の利下げを実施
今回のポイント
 インドネシア中央銀行は現地2月17日、金融政策決定会合を開催し、政策金利を7.75%から7.50%に引
き下げることを決定しました。
 予想外の利下げとなったことから、金融市場では、インドネシアルピアが対米ドルで下落し、インドネシ
ア10年国債利回りについても小幅に低下しました。
 インフレ警戒姿勢から引き締められていた金融政策が景気に配慮する姿勢に転じたことなどから、イン
ドネシアルピアは堅調推移を予想しています。
政策金利の推移
金融政策について
インドネシア中央銀行は現地2月17日、金融政策決定会
合を開催し、政策金利(BIレート)を0.25%引き下げ7.50%
とすることを決定しました。利下げは2012年2月以来、約3
年ぶりとなり、政策金利は昨年11月の臨時金融政策決定
会合前の水準に戻りました。
中央銀行は今回の利下げについて、インフレ率が低位で
安定的に推移する中、経常収支の赤字幅縮小に向けての
努力と整合的なものであると言及しています。
(%)
7.5
7.0
6.5
6.0
5.5
同日、中央銀行は政策金利の上限である貸出ファシリ
ティー金利を8%に据え置く一方、下限である翌日物預金
5.0
12/2
ファシリティー金利は0.25%引き下げ5.50%に設定しました。
予想外の利下げとなったことから、金融市場では、インド
ネシアルピアが対米ドルで下落し、インドネシア10年国債
利回りについても小幅に低下(価格は上昇)しました。
12/8
13/2
13/8
14/2
14/8
※政策金利はBIレートを使用しています
15/2
(年/月)
(出所:BloombergのデータをもとにDIAMアセットマネジメント作成)
インフレ率の推移
(2012年1月∼2015年1月)
(%)
金融政策の背景
(2012年2月17日∼2015年2月17日)
8.0
9
今回の決定会合では、市場参加者の多くが現状維持を予
想していたため、利下げの決定は驚きをもって受け止めら
れました。昨年11月の臨時金融政策決定会合での利上げ
は、燃料価格の引き上げに伴うインフレ率上昇への対処で
あったものの、足元ではインフレ懸念が後退しています。
世界経済の成長ペースが鈍化する中、1月の輸入額が前
年比-15.6%と大幅な減少となるなど、同国の内需の減速が
リスク要因の一つとなっています。今回の利下げは、輸出
や個人消費を下支えする狙いもあったものと思われます。
8
7
6
5
4
3
12/1
12/7
13/1
13/7
14/1
14/7
※インフレ率は消費者物価指数(前年比)を使用しています。
15/1
(年/月)
(出所:BloombergのデータをもとにDIAMアセットマネジメント作成)
※上記の見通しは作成時点のものであり、事前の予告なく変更される場合があります。上記は、将来の市場動向を示唆・保証するものではありません。※巻末
のご注意事項等を必ずご確認ください。
商 号 等 / DIAMアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第324号
加入協会/一般社団法人投資信託協会
一般社団法人日本投資顧問業協会
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150218情報インドネシア金融政策-1
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今後の市場見通し
昨年11月にインドネシア政府が燃料価格の引
き上げを決定したことで、燃料補助金削減による
財政改善が見込まれるとともに、中央銀行は、同
月の臨時金融政策決定会合で、インフレ率が切
り上がるとの見通しに基づき、金融政策を予防的
に実施していく姿勢を示していました。しかし、足
元の原油価格下落を主因にインフレ率が低下し
ており、11月に行った予防的な利上げは不要に
なったとも考えられます。
今回の利下げにより、インフレへの警戒に重点
を置いていた政策姿勢がより景気へ配慮する方
向へバランスを取る形でシフトしたことで、景気に
対して下支え効果が発揮されるものとみています。
長期的な構造改革の面では、燃料補助金削減
による財政改善分をインフラ投資や貧困層への
支援に回す方針を同国政府が示しています。国
会では連立与党が過半数を確保できていないた
め、具体的な政策の進展には時間を要する可能
性がありますが、構造改革へ向けた取り組みは
着実に進んでいくものと思われます。
金利の推移
(2012年2月17日∼2015年2月17日)
(%)
下落
10
9
8
債券
価格
7
6
5
上昇
4
12/2
12/8
13/2
13/8
14/2
14/8
15/2
(年/月)
※金利はインドネシアの10年物国債利回りを使用しています。
(出所:BloombergのデータをもとにDIAMアセットマネジメント作成)
為替の推移
(2012年2月17日∼2015年2月17日)
(円)
現地通貨
1.2
高
1.1
1.0
(インドネシアルピア、逆目盛)
8,400
インドネシアルピア/円(左軸)
米ドル/インドネシアルピア(右軸)
9,200
10,000
このような中、為替市場については、円に対し
為替 0.9
10,800
レート
てインドネシアルピアは堅調に推移すると予想し
0.8
11,600
ます。
今後のインフレ率の安定に伴い、金融政策に
0.7
12,400
緩和余地が生じることが予想されます。一方で債
0.6
13,200
券市場については、国債市場における外国人投
13/2
13/8
14/2
14/8
15/2
現地通貨 12/2 12/8
資家の保有比率が比較的高水準にある中、既に
安
(年/月)
インフレ率の低下を受けて1月以降、国債利回り
※対円のインドネシアルピアは100通貨単位あたりの値
の水準が切り下がってきたこともあり、国債利回
(出所:BloombergのデータをもとにDIAMアセットマネジメント作成)
りについては横ばい推移を予想しています。
※上記の見通しは作成時点のものであり、事前の予告なく変更される場合があります。上記は、将来の市場動向を示唆・保証するものではありません。※巻末
のご注意事項等を必ずご確認ください。
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