情報提供資料 マーケットレポート 2015年7月16日作成 カナダ、今年2回目の利下げを実施 今回のポイント カナダの中央銀行は現地7月15日、金融政策決定会合を開催し、政策金利を0.75%から0.50%に引き 下げることを決定しました。利下げは2015年1月以来6カ月ぶりで今年2回目となります。 今回の利下げを受け、7月15日の金融市場では、カナダドルが下落し、国債利回りは低下(価格は上 昇)しました。 足元では景気回復を示す経済指標が見られるほか、中央銀行も年後半以降の景気回復を見込んでお り、追加利下げの可能性は低いとみられることから、カナダドル(対円)は横ばいで推移するとみていま す。 政策金利の推移 金融政策について (2012年7月13日~2015年7月15日) (%) 1.2 カナダ銀行(中央銀行)は現地7月15日に開催し た金融政策決定会合において、政策金利を 0.25%引き下げ0.50%とすることを決定しました。 利下げは2015年1月以来6カ月ぶりで、今年2回目 となります。 1.0 0.8 0.6 中央銀行は今回の利下げについて、原油価格 の下落により石油産業の設備投資が落ち込む可 能性が高まっていること、中国経済の減速が資源 価格の下落を通じてカナダの輸出にマイナスの影 響を与えるとみられること、非資源産業の活動が 想定よりも弱いこと、などを理由として挙げていま す。 0.4 0.2 0.0 12/7 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 ※政策金利は翌日物金利を使用しています 15/7 (年/月) (出所:BloombergのデータをもとにDIAMアセットマネジメント作成) 金融政策の背景 インフレ率の推移 米国で利上げが視野に入りつつある中、カナダ の4月の実質GDP(国内総生産)が前月比-0.1%、 前年比+1.2%と予想を下回ったことで、市場では 政策金利の引き下げ観測が高まっていました。一 方、足元の経済指標には景気の改善を示す内容 のものも見られたため、市場の事前予想は利下げ と据え置き予想とでおよそ半々に分かれていまし た。 (%) (2012年5月~2015年5月) 3 2 1 そのような状況の中、今回の金融政策が意外感 をもって受け止められた向きもあり、7月15日の 為替市場ではカナダドルが対円、対米ドルともに 下落し、債券市場では国債利回りが低下(価格 が上昇)しました。 0 12/5 12/11 13/5 13/11 14/5 14/11 ※インフレ率は消費者物価指数(前年比)を使用しています 15/5 (年/月) (出所:BloombergのデータをもとにDIAMアセットマネジメント作成) ※上記の見通しは作成時点のものであり、事前の予告なく変更される場合があります。上記は、将来の市場動向を示唆・保証するものではありません。※巻末 のご注意事項等を必ずご確認ください。 商 号 等 / DIAMアセットマネジメント株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第324号 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会 1/3 150716情報カナダ政策金利-1 情報提供資料 マーケットレポート 今後の市場見通し 中央銀行は、今年の後半以降、経済成長が回 復すると予想しています。これまでに進んだ通貨 安を受けて同国産業の競争力が改善していること や、米国景気の回復などが背景です。ただし、資 源価格の水準が低下していることで、資源産業の 雇用や設備投資は今後も調整が必要であり、経 済の先行きについては不透明感が強いとの認識 も示しています。 このため、今回の利下げがどの程度早期に経済 全体に対して効果を発揮するか、という点につい ても状況を見守る必要があるとの考え方が示され ています。 金利の推移 (2012年7月13日~2015年7月15日) (%) 下落 3.0 2.8 2.6 2.4 2.2 債券 2.0 価格 1.8 1.6 1.4 1.2 上昇 1.0 12/7 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 15/7 (年/月) ※金利はカナダの10年物国債利回りを使用しています。 最近発表された経済指標では、中央銀行による (出所:BloombergのデータをもとにDIAMアセットマネジメント作成) 第2四半期の企業景況感調査が前四半期と比較 して改善し、6月の雇用統計ではパートタイムから 為替の推移 フルタイムへの雇用のシフトが見られるなど、良好 (2012年7月13日~2015年7月15日) な内容のものも増えつつあります。 現地通貨 (円) (カナダドル、逆目盛) 中央銀行が中期的にカナダ景気が安定すると 高 110 0.95 予想していることなどを考えると、今後、追加利下 げが実施される可能性は低いものと思われます。 このため、今後、債券市場ではカナダの国債利 1.05 100 回り(および価格)が横ばいの動きとなる可能性が 為替 高いとみています。金利水準が切り下がったことで レート 1.15 90 カナダドルは上値の重い動きとなることが予想さ れますが、円安が進みやすい環境であることから、 円に対しては横ばいの動きになると予想していま 80 1.25 す。 カナダドル/円(左軸) 現地通貨 安 米ドル/カナダドル(右軸) 70 12/7 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 1.35 15/7 (年/月) (出所:BloombergのデータをもとにDIAMアセットマネジメント作成) ※上記の見通しは作成時点のものであり、事前の予告なく変更される場合があります。上記は、将来の市場動向を示唆・保証するものではありません。※巻末 のご注意事項等を必ずご確認ください。 2/3 情報提供資料 マーケットレポート 3/3
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