情報提供資料 マーケットレポート 2015年2月6日作成 足元のJ-REIT市場の下落について 今回のポイント 2月3日の10年国債の入札が不調に終わったことから、昨年来低水準で推移していた10年国債利回りが上 昇(価格が下落)し、東証REIT指数は下落しました。 東証REIT指数下落の背景には、公募増資に伴う換金売り等による需給面での短期的な影響や、ここ数カ 月の指数の大幅な上昇も背景にあったと考えられます。 J-REIT市場は、日銀のJ-REIT買い入れなどの金融緩和の継続や利回りに対する投資需要を下支えとし て底堅く推移するものと思われます。 東証REIT指数の推移 足元の金融市場動向 (ポイント) J-REIT(不動産投資信託)市場は昨年来の堅調 な推移から一転、1月中旬をピークに足元大きく調 整しています。調整のきっかけとなったのは、1月下 旬の日銀の金融政策決定会合において追加金融 緩和について示唆がなかったことや、2月3日に実 施された10年国債の入札が不調に終わり、これま でJ-REIT市場の上昇をけん引してきた長期金利の 低下が一服し、長期金利が反転上昇したことが挙 げられます。 また、今回の下落の背景には、年初からJ-REIT の公募増資(PO)や新規上場(IPO)の発表が続い たことが需給面での短期的な悪影響となったことや、 リート価格の上昇により緩やかな回復にとどまって いる実物不動産市況と比べたバリュエーション(価 格水準)が乖離し、割安感が後退してしまっていた ことが影響していると考えられます。加えて、ECB (欧州中央銀行)による追加金融緩和策が発表さ れたことによる材料出尽くし感、1月中旬に東証 REIT指数が2,000ポイントの大台に一時達したこと による達成感等も、下落の背景にあったものと考え られます。 2,200 (2012年2月3日~2015年2月4日) 2,000 1,800 1,600 1,400 1,200 1,000 800 600 12/2 12/8 13/2 13/8 14/2 14/8 15/2 (年/月) ※東証REIT指数を使用しています。 10年国債利回りの推移 (%) (2012年2月3日~2015年2月4日) 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 12/2 12/8 13/2 13/8 14/2 14/8 15/2 (年/月) (出所:BloombergのデータをもとにDIAMアセットマネジメント作成) ※上記は、将来の市場動向を示唆・保証するものではありません。※巻末のご注意事項等を必ずご確認ください。 商 号 等 / DIAMアセットマネジメント株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第324号 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会 1/3 150205情報J-REIT-1 情報提供資料 マーケットレポート 物件取得動向 今後の市場見通し (2010年~2014年) (億円) J-REIT市場は、長期金利の動向に左右されやす い展開が続くと考えられますが、世界的な金融緩 和の流れは継続しており、今後、落ち着くことが想 定されます。 需給に関しては、ここ数年続く積極的な外部成長 の流れが継続しており、2015年1月の公募増資や 新規公開の発表は2014年1月の実績を上回ってい る模様です。今後もこの傾向が継続するようであれ ば、短期的には需給面でのマイナス影響が出ると 考えられます。需給を支えていた投資信託への資 金流入についても、年度末にかけて投資信託への 資金流入が再度加速するか否かがポイントとみて います。 外部成長については、都心ではリート物件の利 回りの低下がみられる中で、リート各社が物件取得 に苦労していることがうかがえます。質の高い物件 の取得が続けられるか否かはスポンサーのサポー ト姿勢によるところが大きいといえ、それにより評価 が分かれることも考えられます。 一方、日銀による金融緩和の一環として行われて いるJ-REITの買い入れが継続していることはJREIT市場の下支えになるものと考えられます。ECB (欧州中央銀行)や日銀のみならず中国、インド、 豪州など主要国で金融緩和が継続しており、長期 金利の過度な上昇は回避できるものと思われるこ とから、今後もJ-REIT等の利回りが期待できる資 産に対する投資家の投資需要は根強く、これらを 背景にJ-REIT市場も底堅い推移を続け、中期的 には実物不動産市場の一段の回復のタイミングを にらみながら底堅く推移するものとみています。 25,000 (件) 600 取得総額(左軸) 取得件数(右軸) 20,000 480 15,000 360 10,000 240 5,000 120 0 2010 2011 2012 2013 0 2014* (年) *2014年は1-11月の実績。 ※毎月の発表ベースのデータを集計。 (出所:一般社団法人不動産証券化協会のデータをもとに DIAMアセットマネジメント作成) 日銀によるJ-REIT買い入れ実績 (億円) 3,000 2,500 (2010年10月5日~2015年2月4日) 日銀買入枠 日銀買入実績 買入上限 ⇒2,700億円程度 (2015年末) 2,000 1,500 1,000 日銀による買入実績 1,890億円 (2015年2月4日時点) 500 0 10/10 11/10 12/10 13/10 14/10 (年/月) (出所:各種報道、日本銀行データをもとにDIAMアセットマネジメント作成) ※上記は、将来の市場動向を示唆・保証するものではありません。※巻末のご注意事項等を必ずご確認ください。 2/3 情報提供資料 マーケットレポート 【各指数の著作権等】 ・東証REIT指数は、株式会社東京証券取引所(㈱東京証券取引所)の知的財産であり、指数の算出、指数値の公表、利用など同指数に関するす べての権利は、㈱東京証券取引所が有しています。なお、本商品は、㈱東京証券取引所により提供、保証又は販売されるものではなく、㈱東京 証券取引所は、ファンドの発行又は売買に起因するいかなる損害に対しても、責任を有しません。 3/3
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