2014年1~6月実施分 昇給

「2014 年 1~6 月実施分 昇給、ベースアップ実施状況調査結果」
2014 年 12 月 26 日
(一社)日本経済団体連合会
東京経営者協会
Ⅰ.調査の基本事項
調査目的:昇給、ベースアップの実態と動向を把握し、今後の賃金対策の参考とする
ために 1953 年より毎年実施
調査対象:経団連企業会員および東京経営者協会会員企業 1,909 社
調査時期:2014 年6月 18 日~7月 11 日
回答状況:集計企業数 504 社(有効回答率 26.4%)
(製造業 48.8%、非製造業 51.2% 従業員 500 人以上規模 77.2%)
Ⅱ.調査結果の概要
1. 賃金決定にあたって主として考慮した要素(2つ回答)
本項目の調査を開始した 2009 年から「企業業績」(64.4%)が最も多いとの傾向は変
わらないものの、2014 年は前年より 12.8%ポイント減少した。一方、
「世間相場」
(42.6%)
は前年に比べて 6.7%ポイント上昇した。今年の賃金決定において、デフレからの脱却
と経済の好循環実現といった共通認識も考慮されたことがうかがえる結果となった。
【図表1】
図表1 賃金決定にあたって主として考慮した要素(2つ回答)
64.4%
企業業績
世間相場(社会、業界、グループ関連企業等)
35.9%
77.2%
42.6%
26.6%
26.9%
経済・景気の動向
16.0%
雇用の維持・安定
20.9%
12.5%
12.5%
労使関係の安定
人材確保・定着率の向上
5.2%
2014年
8.8%
2013年
7.9%
9.8%
昨年の妥結額・率
物価の動向
6.5%
4.6%
生産性の向上
6.0%
3.5%
5.3%
3.5%
その他
税・社会保険料負担
0.0%
3.5%
0%
20%
注:集計企業数を 100.0 とし各要素を回答した企業の割合を示したもの
1
40%
60%
80%
2.月例賃金引上げの実施状況
「昇給・ベアともに実施」した企業が前年の 9.5%から 53.1%へと大幅に増加し、2001
年以来 13 年ぶりに半数を超えた。ベア実施以外の回答は「昇給実施、ベアなし」
(46.9%)
となっており、本項目の集計企業(224 社)すべてが定期昇給や賃金カーブ維持分の昇
給実施などを含めた月例賃金の引上げを行なった。【図表2、3】
図表2 月例賃金引上げの実施状況
暦年
集計企業数
昇給・ベア
ともに実施
昇給実施
ベアなし
昇給・ベア
ともに実施せず
賃金引下げ
2010
194 社
6.7%
91.2%
2.1%
0.0%
11
190 社
2.6%
96.8%
0.5%
0.0%
12
193 社
4.1%
95.9%
0.0%
0.0%
13
200 社
9.5%
88.5%
1.0%
1.0%
14
224 社
53.1%
46.9%
0.0%
0.0%
( 1 1 9 社)
(1 0 5 社)
( 0 社)
( 0 社)
注:
(1)昇給とは、定期昇給や賃金カーブ維持分、昇格・昇進昇給、諸手当の引上げ等の月例賃金の増額をいう
(2)昇給とベースアップの区別ある企業を対象に集計
(3)小数点第 2 位以下四捨五入のため、合計は必ずしも 100.0%にならない場合がある
図表3 昇給およびベースアップの実施状況の推移(2001~2014 年)
昇給実施・ベアなし
昇給・ベアともに実施
(%)
100
96.9
75
44.8
100.0 100.0
95.3
99.5
95.0
25
98.2
95.8
98.0
99.4 100.0
98.0
100.0
46.9
75.5
87.6
50
98.7
92.5
94.4
56.1
64.8
93.5
86.3
91.2
96.8
95.9
88.5
53.1
52.1
34.0
42.1
24.0
7.7
0
2001
02
2.5
5.6
6.5
03
04
05
06
07
08
2
9.5
6.7
2.6
4.1
09
10
11
12
9.5
13
14
(年)
3. 月例賃金引上げの状況 ―全産業―
2014 年の月例賃金の引上げ(定期昇給や賃金カーブ維持分、ベースアップ等)は、額
と率(6,788 円、2.2%)ともに 1999 年(6,733 円、2.3%)以来の高い水準となった。
【図表4】
図表4 月例賃金の引上げ額および引上げ率の推移 -全産業-
7,500
(%)
引上げ額(左目盛)
(円)
引
上
げ
額
2.5
引上げ率(右目盛)
2.3
2.2
2.1
2.0
7,000
2.0
2.0
2.1
2.0
2.0
1.9
6,733
1.8
6,788
1.9
1.9
1.8
1.8
2.0
引
上
げ
率
2.0
6,391
6,500
6,203
6,142
6,102
6,033
6,000
5,779
6,017
5,896
5,743
5,650
1.5
5,916
5,784
5,682
5,469
5,500
1.0
5,000
0.5
4,500
0.0
4,000
1999
2000
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
14
(年)
注:
(1)月例賃金の引上げには、定期昇給や賃金カーブ維持分、昇格・昇進昇給、ベースアップ、諸手当の
引上げ等が含まれる
(2)引上げ率は、各年における集計企業の所定内賃金をもとに算出(集計企業は各年ごとに異なる)
4. 月例賃金引上げ額の分布状況
前年と同様「5,000 円台」
(20.2%)が最も多いものの、前年と比べると「4,000 円台」
~「5,000 円台」の割合が減少する一方、「6,000 円台」~「9,000 円台」の割合が増加
しており、引上げ額の分布が全体的に上方へシフトしている。【図表5】
図表5 月例賃金引上げ額の分布状況 ―全産業―
(%)
30.7
2013年(集計企業数=257社)
30
2014年(集計企業数=271社)
25
20.2
19.1
20
割
18.4
17.7
16.9
15.7
15
13.9
合
9.0
10
7.9
7.5
4.9
3.9
5
3.4
2.0
2.4
0.4 0.7
1.2 1.1
0.8 0.7
11~12
12~13
13~14
1.6
2.2
0.4
0
4未満
4~5
5~6
6~7
7~8
8~9
9~10
引 上 げ 額
3
10~11
14~15
15~
(千円)