＝プレスリリース＝平成28年８月24日岩手県内企業景況調査結果 ―平成28年７月調査― 標記について、要約を取りまとめましたので公表いたします。なお、概要は機関誌「岩手経済研究」28年９月号に掲載予定です。盛岡市中ノ橋通一丁目２番16号岩手銀行中ノ橋支店３階一般財団法人岩手経済研究所理事長高橋真裕 (担当地域経済調査部菊池洋介) TEL 019-622-1212 < 調査結果の要約 > －景況感は停滞した状態が続く－１．最近の景況感県内企業の業況判断ＢＳＩはマイナス28.2と前回調査（平成28年４月）を7.8ポイント下回った（図表１、２）。多くの業種が前回から悪化しており、全体として景況感は停滞した状態が続いている。この要因として、被災地では土地造成や住宅再建などが続いているものの、インフラ整備など大型の復興需要がピークアウトしているほか、個人消費の低迷が長く続いていることなどがあげられる。２．先行きの見通し今後３カ月間の先行きのＢＳＩはマイナス24.2と現状を4.0ポイント上回る見通しである。製造業は一般機械や電気機械が横ばいとなったものの他の業種は改善し、先行きに期待感を持つ企業が多くなっている。非製造業は卸売業やサービス業の改善が見込まれるものの、業種においては全てマイナスとなっている。図表１業況判断ＢＳＩ図表２業況判断ＢＳＩの推移（全産業） (「良い」-「悪い」・％ポイント）期最　近先　行　きはBSIの推移％ポイント平成28年4月平成28年7月今後3カ月間調査調査業種全産業 △20.4 △28.2 △24.2 製造業 △22.1 △29.3 △16.0 品 △31.3 △23.8 △ 9.5 木材・木製品 △14.3 △20.0 0.0 窯業・土石 0.0 0.0 33.4 金属製品 0.0 △40.0 △30.0 一般機械 △33.3 △33.3 △33.3 電気機械 △12.5 △14.3 △14.3 そ △41.2 △50.0 △40.0 △19.5 △27.7 △28.8 10.0 7.2 △ 3.6 食料の他非製造業建設業卸売業 △23.1 △38.4 △25.6 小売業 △30.3 △35.1 △46.0 運輸業 0.0 △33.3 △33.3 サービス業 △45.0 △37.5 △36.4 50 見通し良い 40 30 20 14.4 15.1 12.4 11.7 10.7 8.6 10 10.6 12.8 9.1 7.2 0 -10 -20 △24.8 △23.8 △21.1 △21.3 △23.4 △21.9 △20.6 △20.4 △24.2 -30 △28.2 △33.5 -40 △32.0 △33.0 △32.6 △31.2 △31.4 △33.2 △37.3 △39.2 △38.9 悪い -50 7 10 平成26年 1 4 7 平成27年 10 1 4 7 平成28年 10 月３．マイナス金利の影響マイナス金利の影響は、「影響がない」が68.4％と最も高く、以下「分からない」が27.3％、「プラスの要因がある」が2.9％、「マイナスの要因がある」が1.4％となった（図表３）。「影響がない」「分からない」を合わせると95.7％を占め、現時点では県内企業への影響はほとんどないことがうかがわれる。金融機関の借入金利は、「変わらない」が64.9％、「借入がない」が23.9％、「低下した」が11.2％で、マイナス金利の導入から日が浅いことなどから金利低下の動きは鈍い状況となっている（図表４）。図表３マイナス金利の影響プラスの要因がある 0% 20% マイナスの要因がある 40% 図表４借入金利の動向影響がない 60% 低下した分からない 80% 0% 100% 20% 変わらない 40% 借入がない 60% 80% 100% 2.9 全産業 68.4 27.3 全産業 11.2 製造業 11.0 非製造業 11.4 64.9 23.9 1.4 2.7 製造業 67.6 29.7 68.5 20.5 3.0 非製造業 68.9 25.9 62.9 25.7 2.2 マイナス金利を契機とした資金需要は、「ない」が74.8％、「未定」が13.6％、「ある（借入済、計画含む）」が11.6％となった（図表５）。景気先行きの不透明感などもあって金利低下だけでは投資意欲が高まらず、資金調達に慎重な姿勢になっているとみられる。「ある」と回答したうち、資金使途（複数回答）は「運転資金」が66.7％、「設備資金」が61.1％、「季節資金」が16.7％となった（図表６）。図表５マイナス金利を契機とした資金需要ある（借入済、計画含む） 0% 20% 40% 60% ない図表６マイナス金利を契機とした資金使途（複数回答）未定 80% 100% 全産業％製造業非製造業 100 87.5 全産業 11.6 74.8 13.6 80 70.0 66.7 60 製造業 15.1 67.9 61.1 50.0 50.0 17.0 40 25.0 非製造業 9.8 78.4 11.8 16.7 20 10.0 0 運転資金設備資金季節資金＜調査要領＞１．調査内容平成28年７月調査時点での業況感と先行き（３カ月間）の見通し、ならびに４～６月期の前年同期と比較した売上高等の実績および７～９月期の前年同期と比較した岩手県内企業経営者の見通し等。２．調査時期平成28年７月３．調査対象企業岩手県内企業 400社４．回答企業製造業７５社建設業２８社卸売業４０社小売業３７社運輸業６社サービス業合計（回収率）２４社２１０社 (52.5％) （注）BSI（Business Survey Index：景況判断指数)は、企業の業況実績や企業経営者の業況見通し等を指標化したもので、「プラス（増加、上昇、過剰等）」と回答した企業割合から、「マイナス（減少、下降、不足等）」と回答した企業割合を差し引いた値である。