4 月 22 日 素因数分解の一意性を示すには以下の定理が必要である. 定理 1.1 p を素数とする. 整数 x, y に対して積 xy が p の倍数であれば, x, y の少なくとも一方は p の倍数である. 定理 1.1 の証明に用いる以下の定理が我々の目標である. 定理 1.2 a, b ∈ Z に対し (a, b) = (δ) が成り立つ. 但し δ は a, b の最大公約数である. 前回の宿題 4 を良く読むと、以下を示せば良いことが判る. 系 1.3 自然数 a > b に対し, 非負整数の有限列 a > b > s1 > · · · si > si+1 > · · · sn = 0 で a = q1 b + s1 , b = q2 s1 + s2 , si−1 = qi+1 si + si+1 (i = 2, 3, · · · , n − 1) をみたすものがある. これを示すには,以下の定理を用いる. 定理 1.4 (除法の原理) 非負整数 x, y に対し,y ̸= 0 ならば, 0≤r<y x = qy + r, をみたす整数 q, r が存在する. 以下の問いに答えよ. 1. 自然数 a, b の 0 でない公倍数のうち, 絶対値が最小のものを µ とおく. m が a.b の公倍数であれば, m ∈ (µ) である ことを除法の原理を用いて示せ. 2. 除法の原理を用いて, 系 1.3 を示せ. 3. 除法の原理(定理 1.4) を x − y に関する帰納法で証明せよ. 4. 定理 1.2 を用いて定理 1.1 を証明せよ. 2
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