応用代数学 第 1回レポート問題

応用代数学 第 1 回レポート問題
※問題 1∼問題 4 は必答,特記のない限り答えだけでなく導出過程もきちんと書くこと.
問題 1
次の (i) ∼ (iv) に挙げる集合 G が演算 ◦ に関して群をなすかどうかを述べよ.さらに,群になっている
ものについてはその位数および演算 ◦ の可換性も調べよ.ただし,R× = R\{0}.
(i) G = R× ,x ◦ y =
x2 + y 2 − 1
.
xy
(ii) G = {0,1},◦:論理和.
(iii) G = {0,1},◦:排他的論理和.
(iv) G = {A:全ての成分が R の n 次正方行列;det A = r,r ∈ R},◦:通常の行列の積.
問題 2
次の各問に答えよ.
(i) 非可換群で位数が 2 番目に小さいものの例を挙げ,その位数を答えよ (答えのみでよい).
(ii) 位数が素数になる有限群は巡回群に限られることを示せ.
(iii) 2 面体群 D3 = ⟨ a,b | a3 = b2 = abab = e ⟩ において,任意の ak1 bk2 · · · ak2n−1 bk2n (k1 ,k2 は任意の,k3 ,
· · · ,k2n は 0 でない整数) は ak bl (k = 0,1, l = 0,1,2) の形に変換可能であることを示せ.
問題 3
一次分数変換全体からなる集合を G とする:
{
}
ax + b G = f (x) =
a,
b,
c,
d
∈
C
,
ad
−
bc
=
̸
0
.
cx + d また,G 上での演算 ◦ を写像の合成で定義するとき,次の問いに答えよ.
(i) f (x),g(x) ∈ G に対し,(f ◦ g)(x) ∈ G を示せ.
(ii) f (x) ∈ G に対し,逆関数を f −1 (x) とするとき,f −1 (x) ∈ G を示せ.
[
]
a b
∈ GL(2,C) に対し,以
(iii) 複素数を成分とする 2 次の正則な正方行列全体を GL(2,C) とする.A =
c d
下で定義される fA (x) ∈ G を対応させる写像を ϕ とするとき,ϕ が準同型であることを示せ.
fA (x) =
問題 4
ax + b
.
cx + d
G を群とするとき,G から G 自身への同型写像全体からなる集合を Aut(G) と表す.このとき,Aut(G)
は写像の合成 ◦ に関して群となることを示せ.
問題 5
次の各問いに答えよ.(この問いに関しては解答の義務はない.)
(i) G = { x = (x0 ,x1 ,x2 ,· · · );xn ∈ {0,1} n = 0,1,2,· · · } において,演算 ◦G を x◦G y = (x0 +y0 −2x0 y0 ,
x1 + y1 − 2x1 y1 ,x2 + y2 − 2x2 y2 ,· · · ) で定義するとき,x ◦G y ∈ G を示せ.また,この演算 ◦ に関して,
G が群をなすことを示せ.
(ii) |z| > 1 で定義された複素関数の集合の部分集合 G′ を
{
}
∞
∑
′
−(n+1)
G = A(z) =
an z
;an ∈ {0,1} n = 0,1,2,· · ·
n=0
とする.A,B ∈ G′ に対し,(A ∗ B)(z) を以下で定義する:
∫
1
1
1
dζ
A(z 2 ζ −1 )B(z 2 ζ)
.
(A ∗ B)(z) = −
2πj
ζ
ここで,j =
√
1
−1,積分経路は複素平面上の単位円 |ζ| = 1 を時計回りに回る経路とする.また,z 2 は
1
w2 = z なる w ∈ C を表す.このとき,(A ∗ B)(z) は z 2 のとり方に関係なく (w2 = z なる w ∈ C のうち
どちらをとっても) 一意に定まり,さらに (A ∗ B)(z) ∈ G′ が成り立つことを示せ.
(iii) G′ 上での演算 ◦G′ を (A ◦G′ B)(z) = (A + B − 2(A ∗ B))(z) で定めるとき,G′ は ◦G′ について群をなすこ
とを示せ.
(iv) x = (x0 ,x1 ,x2 ,· · · ) ∈ G に Fx (z) =
∞
∑
n=0
求めよ.
xn z −(n+1) を対応させる写像を f とするとき,逆写像 f −1 を