4 月 21 日 2 2.1 授業のまとめ 定義 2.1 R を環とする. 1. c ∈ R が R の可逆元とは, cc′ = c′ c = 1 なる c′ ∈ R が存在することをいう. 2. v ∈ R が R の零因子とは, uv = 0 または vu = 0 なる u ∈ R, u ̸= 0 が存在することをいう. 定義 2.2 1. 可換環 R が整域であるとは, R に 0 以外の零因子が存在しないことをいう. 2. 可換環 R が体であるとは, 0 以外の任意の R の元が可逆元であることをいう. 2.2 宿題 宿題 2.1 以下を示せ. 1. 零因子かつ可逆元であるような元はない. 2. x が R の可逆元 ⇔ xR = R. 但し, xR は, R の部分集合 xR = {ax | a ∈ R} とする. 宿題 2.2 Z の零因子と可逆元は何か. Q[X] の零因子と可逆元は何か. 2 次実行列のなす環 M2 (R) の零因子と可逆元は何か. 宿題 2.3 自然数 n に対し Z/nZ において, 以下の問いに答えよ. 1. m が可逆元となる必要十分条件は何か. 2. m が零因子となる必要十分条件は何か. 宿題 2.4 自然数 n に対し Z/nZ について, 以下に答えよ. 1. Z/nZ が体となるための必要十分条件は何か. 2. Z/nZ が整域でないための必要十分条件は何か. 宿題 2.5 a1 , · · · , an ∈ Z に対し,Z の部分集合 (a1 , · · · , an ) = {x1 a1 + · · · + xn an | x1 , · · · , xn ∈ Z} を a1 , · · · , an の Z のリニア・スパンと呼ぶ.以下の問いに答えよ. 1. a1 , · · · , an ∈ Z に対し,次を示せ. (1) x, y ∈ (a1 , · · · , an ) なら x + y ∈ (a1 , · · · , an ). (2) x ∈ (a1 , · · · , an ), a ∈ Z なら ax ∈ (a1 , · · · , an ). 2. 整数 α, β, a, b について α, β ∈ (a, b) ならば (α, β) ⊂ (a, b) を示せ. 25
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