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「海洋大気圏環境学」課題 4 【解答】
担当: 荒井 正純
作成: 2014/7/17
海底が平坦な場合の傾圧モードの方程式 (5.1) において,u
e = 0 を代入すると,
−f ve = −g ′
∂η
,
∂x
(R4.1a)
∂e
v
∂η
= −g ′ ,
∂t
∂y
(R4.1b)
∂η
v
e ∂e
+H
= 0,
∂t
∂y
(R4.1c)
となる.まず,(R4.1a), (R4.1b) より,
∂2η
∂η
= −f ,
∂t∂x
∂y
(R4.2)
e ∂2η
∂η
g′ H
=−
,
∂t
f ∂y∂x
(R4.3)
e ∂3η
∂2η
g′ H
=−
.
∂t∂x
f ∂y∂x2
(R4.3)′
となる.一方,(R4.1b), (R4.1c) より,
となる.これを x について偏微分する.
(R4.2), (R4.3)’ より,
∂3η
f 2 ∂η
=
2
e ∂y
∂y∂x
g′ H
となる.これを y について積分すると,
f2
∂2η
=
η
e
∂x2
g′ H
が得られる.ここで,(5.11) で定義した内部変形半径を用いると,
∂2η
1
= 2η
∂x2
LR
(R4.4)
である.
この方程式の解として η = eλx なる形を仮定し,これを (R4.4) に代入すると,特性方程式が以下のよう
に得られる.
λ2 −
1
=0
L2R
この解は,
λ=±
1
LR
R13
となるから,(R4.4) の一般解は,
− Lx
η = ηˆe
x
+ ηˆ′ e LR
R
となる.ここで ηˆ, ηˆ′ は (y, t) の任意関数である.本問では,陸岸付近に捕捉された解を対象とし,x → ∞
で η → 0 なる境界条件を満たす解を考える.この境界条件を満たすためには,ηˆ′ = 0 でなけれ ばならな
い.この場合,(R4.4) の解は,
− Lx
η = ηˆe
R
(R4.5)
となる.
ηˆ が (y, t) の関数であることに留意して,後の計算で必要となる (R4.5) の各種の偏微分を計算しておく.
∂ ηˆ − Lx
∂η
=
e R,
∂t
∂t
∂η
1
− x
=−
ηˆe LR ,
∂x
LR
∂2η
1 ∂ ηˆ − Lx
=−
e R.
∂y∂x
LR ∂y
これらを (R4.3) に代入する.
e 1 ∂ ηˆ − x
∂ ηˆ − Lx
g′ H
e R =
e LR
∂t
f LR ∂y
− Lx
両辺を e
R
で割り,内部変形半径の定義 (5.11) を用いると,
∂ ηˆ
=
∂t
√
e ∂ ηˆ
g′ H
∂y
に帰着する.ここで便宜上,
√
e
c = g′ H
(5.14)
と置く.
∂ ηˆ
∂ ηˆ
=c
∂t
∂y
(R4.6)
この方程式には,F を任意関数とした時,y + ct を引数とした,
ηˆ = F (y + ct)
なる形の一般解が存在する.これが (R4.6) を満足することを示す.引数を Y = y + ct と置くと,
∂ ηˆ
dF ∂Y
dF
=
=c
,
∂t
dY ∂t
dY
∂ ηˆ
dF ∂Y
dF
=
=
,
∂y
dY ∂y
dY
R14
(R4.7)
であるから,(R4.7) は確かに (R4.6) を満足する.
(R4.7) を (R4.5) に代入すると,最終的な一般解は,
x
−
η = F (y + ct)e LR ,
(R4.8)
となる.
【付記 1】
y
解 (R4.8) は −y 方向へ伝播する波である.このことを確かめる.解 (R4.8)
において,位置 y, 時刻 t と 位置 y + ∆y, 時刻 t + ∆t の間で,位相(関
数 F の引数)が等しいとする.
陸岸
y + ct = y + ∆y + c(t + ∆t)
伝播方向
これより,
O
x
∆y
∆t = −c となるから,位相速度は,
√
∆y
e
lim
= −c = − g ′ H
∆t→0 ∆t
となり,負値であることがわかる.やはり,陸岸を右手に見る方向に伝播
する.
【付記 2】
G を任意関数とした時,y − ct を引数とした,
ηˆ = G(y − ct)
なる形は,(R4.6) を満足しない.このことを確かめる.引数を Y = y − ct と置くと,
∂ ηˆ
dG ∂Y
dG
=
= −c
,
∂t
dY ∂t
dY
∂ ηˆ
dG ∂Y
dG
=
=
,
∂y
dY ∂y
dY
であるから,(R4.9) は明らかに (R4.6) を満足しない.
R15
(R4.9)