画像工学特論 レポート課題 課題 1 円の方程式 (x − a)2 + (y − b)2 = r2 は, データからなる 4 次元ベクトルを ξ, パラメータからなる 4 次元ベクトルを u と定義すると, (u, ξ) = 0 と書ける. 今, 画像からある円上の点列 xα = (xα , yα ) , α = 1, ..., N が得られたとする。デー タ ξ α の共分散行列を V [ξ α ] として, 次式で示されるマハラノビス距離 J= N ∑ (ξα − ξ¯α , V [ξα ]−1 (ξα − ξ¯α )) (1) α=1 を制約条件 (u, ξ¯α ) = 0, α = 1, ..., N (2) ¯ はデータ ξ の真値であり、誤差を ∆ξ と表すと、 のもとで最小にするような円のパラメータを推定したい。ただし、ξ α α α ξ = ξ¯ + ∆ξ と書ける。 α α α ラグランジュの未定乗数法によって、最小化したい目的関数が次式で表せることを示せ。 J= N ∑ (u, ξα )2 (u, V [ξ α ]u) α=1 (3) 課題 2 図 1(a) の入力画像を画像中心を原点として θ 回転した画像が図 1(b) である. ただし, 回転前の画像の点 (x, y) と回転 後の画像の点の間には次の関係が成り立つものとする. ( ) ( x cos θ = y sin θ − sin θ cos θ )( x ) y (4) I(x, y), I (x , y ) をそれぞれ, 入力画像 I の点 (x, y) での画素値, 回転画像 I の点 (x , y ) での画素値として, 次の関数 J を最小化することで回転パラメータ θ を求めたい. J= )2 1 ∑ ( I (x , y ) − I(x, y) 2 (5) (x,y)∈I 上記の関数を最小にするパラメータ θ をガウス · ニュートン法で求めるアルゴリズムをまとめる以下の文章の空欄を埋 めよ. (a) 入力画像 (b) 回転画像 図 1: 画像の回転 1 画像工学特論 レポート課題 式 (5) の θ に関する微分は次のようになる. Jθ = ∑( ) ∂x ∂y I (x , y ) − I(x, y) (Ix + Iy ) ∂θ ∂θ (6) ここで, Ix , Iy はそれぞれ, 画像 I (x , y ) の x 方向, y 方向の平滑微分画像における (x , y ) の画素値である. さらに ガウス · ニュートン近似を用いれば, J の 2 階微分は次のようになる. Jθθ = 1 (7) 次に, x , y の θ に関する微分を考える. まず, x の θ に関する微分は次のように書ける. dx dθ = ∑ ∂x ∂Rij ∂Rij ∂θ i,j=1,2 = (8) 2 ただし, Rij は式 (4) の回転行列の (ij) 成分を表す. (今回の例では式 (4) の関係から直接微分を計算することが可能であ るが, そうでない場合には式 (8) より計算する.) 同じように, y の θ に関する微分は次のように書ける. dy dθ = ∑ ∂y ∂Rij ∂Rij ∂θ i,j=1,2 (9) 3 = 以上より, 式 (5) を最小化するガウス · ニュートン法のアルゴリズムは次のようになる. 1. θ の初期値を適当に与え, それに対する J の値 J0 を式 (4) により計算する. 2. θ に対する平滑微分画像 Ix , Iy を作成する. 3. J の 1 階微分 Jθ と 2 階微分 Jθθ を式 (6), (7) より計算する. 4. ∆θ を次のように計算する. ∆θ = 4 5. θ ← θ + ∆θ とし, |∆θ| < なら θ を返して終了する. そうでなければ, J0 ← J としてステップ 2 に戻る. 2 (10)
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