レポート課題(7月 9日)

画像工学特論
レポート課題
課題 1
円の方程式 (x − a)2 + (y − b)2 = r2 は, データからなる 4 次元ベクトルを ξ, パラメータからなる 4 次元ベクトルを u
と定義すると, (u, ξ) = 0 と書ける. 今, 画像からある円上の点列 xα = (xα , yα ) , α = 1, ..., N が得られたとする。デー
タ ξ α の共分散行列を V [ξ α ] として, 次式で示されるマハラノビス距離
J=
N
∑
(ξα − ξ¯α , V [ξα ]−1 (ξα − ξ¯α ))
(1)
α=1
を制約条件
(u, ξ¯α ) = 0,
α = 1, ..., N
(2)
¯ はデータ ξ の真値であり、誤差を ∆ξ と表すと、
のもとで最小にするような円のパラメータを推定したい。ただし、ξ
α
α
α
ξ = ξ¯ + ∆ξ と書ける。
α
α
α
ラグランジュの未定乗数法によって、最小化したい目的関数が次式で表せることを示せ。
J=
N
∑
(u, ξα )2
(u, V [ξ α ]u)
α=1
(3)
課題 2
図 1(a) の入力画像を画像中心を原点として θ 回転した画像が図 1(b) である. ただし, 回転前の画像の点 (x, y) と回転
後の画像の点の間には次の関係が成り立つものとする.
(
) (
x
cos θ
=
y
sin θ
− sin θ
cos θ
)(
x
)
y
(4)
I(x, y), I (x , y ) をそれぞれ, 入力画像 I の点 (x, y) での画素値, 回転画像 I の点 (x , y ) での画素値として, 次の関数 J
を最小化することで回転パラメータ θ を求めたい.
J=
)2
1 ∑ (
I (x , y ) − I(x, y)
2
(5)
(x,y)∈I
上記の関数を最小にするパラメータ θ をガウス · ニュートン法で求めるアルゴリズムをまとめる以下の文章の空欄を埋
めよ.
(a) 入力画像
(b) 回転画像
図 1: 画像の回転
1
画像工学特論
レポート課題
式 (5) の θ に関する微分は次のようになる.
Jθ =
∑(
)
∂x
∂y
I (x , y ) − I(x, y) (Ix
+ Iy
)
∂θ
∂θ
(6)
ここで, Ix , Iy はそれぞれ, 画像 I (x , y ) の x 方向, y 方向の平滑微分画像における (x , y ) の画素値である. さらに
ガウス · ニュートン近似を用いれば, J の 2 階微分は次のようになる.
Jθθ =
1
(7)
次に, x , y の θ に関する微分を考える. まず, x の θ に関する微分は次のように書ける.
dx
dθ
=
∑ ∂x ∂Rij
∂Rij ∂θ
i,j=1,2
=
(8)
2
ただし, Rij は式 (4) の回転行列の (ij) 成分を表す. (今回の例では式 (4) の関係から直接微分を計算することが可能であ
るが, そうでない場合には式 (8) より計算する.)
同じように, y の θ に関する微分は次のように書ける.
dy
dθ
=
∑ ∂y ∂Rij
∂Rij ∂θ
i,j=1,2
(9)
3
=
以上より, 式 (5) を最小化するガウス · ニュートン法のアルゴリズムは次のようになる.
1. θ の初期値を適当に与え, それに対する J の値 J0 を式 (4) により計算する.
2. θ に対する平滑微分画像 Ix , Iy を作成する.
3. J の 1 階微分 Jθ と 2 階微分 Jθθ を式 (6), (7) より計算する.
4. ∆θ を次のように計算する.
∆θ =
4
5. θ ← θ + ∆θ とし, |∆θ| < なら θ を返して終了する. そうでなければ, J0 ← J としてステップ 2 に戻る.
2
(10)